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米確定申告シーズン到来、3000人調査で判明した「高い納税意欲」と税務理解のギャップ

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

この記事のポイント
  • 回答者の7割以上が仮想通貨の課税対象を認識、6割以上申告済み
  • 売却時に課税されると正しく理解しているのは回答者の半分のみ

意欲と現実の乖離が明らかに

米国の確定申告期限(2026年4月15日)を目前に控えた3月30日、暗号資産(仮想通貨)取引所大手コインベースと税務ソフトを手がけるコイントラッカー(CoinTracker)は、米国ユーザー3,000人を対象とした税務準備状況の調査結果を公開した。

2025年9月9日〜10月3日に実施された同調査では、仮想通貨ユーザーの多くが税法順守の意向を示す一方で、取得原価や課税対象となる取引に加え、米内国歳入庁(IRS)の規制をめぐり混乱している実態が明らかになった。

調査の結果、回答した仮想通貨ユーザーは、株式投資(76%)や仮想通貨以外の資産投資(83%)も行っているなど、伝統的投資の主流派層でもあることが示された。また、税務回避の傾向は見られず、74%が仮想通貨が課税対象であると認識し、65%は過去に取引を申告済みだった。申告を行わなかった15%は、売却を伴わない保有のみで課税対象となる取引がなかったと回答している。

しかし、こうした高いコンプライアンス意識も、仮想通貨課税をめぐる広範な混乱と複雑さによって十分に機能していないとレポートは指摘する。回答者の56%は仮想通貨税務の基本を十分に理解していると回答したが、61%が「Form 1099-DA」など2025年度から導入された新たな税務報告制度を認識していなかった。

さらに、課税の基本概念についても誤解が多く、仮想通貨が売却時に課税対象となることを正しく理解しているのは49%にとどまり、約4分の1は、単なる送金(銀行口座への出金を含む)でも課税が発生すると誤まって認識していた。

コインベースの税務担当副社長であるローレンス・ズラトキン氏は、「このデータが語るのは『混乱』の物語だ。ユーザーは仮想通貨税務の複雑さに苦戦しており、その知識のギャップを埋めることが極めて重要だ」と指摘した。

複雑な取得原価の計算

レポートによると、回答者の83%が自己管理型(セルフカストディ)ウォレットを利用し、平均2.5のプラットフォームを利用。71%が複数のウォレットやプラットフォーム間で送金を行っていることから、多くのユーザーにとって、取得原価の追跡が極めて困難になるという問題が発生している。

回答者の76%が取得原価の調整が必要になり得ると認識していた一方、実際に調整を行ったと答えたのはわずか35%にとどまった。

コイントラッカーの税務戦略責任者であるシェハン・チャンドラセケラ氏は、「複数のウォレットや取引所間で取引や資金移動を行ったり、分散型金融(DeFi)に関わっている仮想通貨投資家の場合、税務を手作業で照合するのはほぼ不可能だ」と指摘した。

2025年度の税務申告より、IRSは仮想通貨取引の総収入を報告する新様式「Form 1099-DA」を導入した。仮想通貨ブローカー(取引所等)は、個々のユーザーの取引に関する税務報告書を発行する義務を負う(段階的に導入)。しかし、プラットフォーム間でのデータ連携が欠如しているため、報告書上の取得価額情報は不完全なものとならざるを得ない。その結果、正確な損益確定の責任は、依然としてユーザー自身に委ねられている。

確定申告への対応として、回答者の多くは一般的な税務ソフト(78%)や会計士(52%)を利用しており、仮想通貨に特化した専門サービスを利用している層はわずか8%にとどまった。

AI活用への期待

複雑化する税務に対し、ユーザーはテクノロジーに解決策を求めており、税務作業や節税策の検討にAIを活用する動きも広がっている。

回答者の47%が課税所得や取得価額、キャピタルゲインの算出にAIを利用。また、43%がパーソナライズされた税務アドバイスの取得に、39%が控除や節税策を最大化するための税法精査にAIを活用していると回答した。

さらに、30%は税務申告プロセス全体にAIを利用することに抵抗がないと回答している。

関連:米国で仮想通貨税制を抜本改正へ、超党派パリティ法案が始動

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