はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

SEC長官「イーサリアムの非有価証券」発言に初の賛同|仮想通貨の発展で重要な事例に

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

SEC長官、仮想通貨の有価証券性に前向きな発言
SEC長官であるJay Clayton氏が、仮想通貨イーサリアムが有価証券に該当しないと見解を示していたSECコミッショナーの見解に賛同していたことがわかった。SEC長官としての明確かつ前向きな見解が示されたのは、初となる。

SEC長官、仮想通貨の有価証券性に前向きな発言

SEC長官であるJay Clayton氏が、仮想通貨イーサリアムが有価証券に該当しないと見解を示していたSECコミッショナーの見解に賛同していたことがわかった。米議会下院議員Ted Budd氏への書簡の中で明かした。

SEC長官としての明確かつ前向きな見解が示されたのは初めてで、世界を先導する米SECの見解として注目が集まっている。

米SEC、企業金融部門のディレクターWilliam Hinman氏は2018年6月、SECの関係者としては初めてイーサリアムの有価証券性に話題として触れ、「当初有価証券的な側面を持つ通貨も、時間とともにネットワークの分散化が進む事で、資産としての性質は変化しうる」と言及、ビットコインやイーサリアムは特定の機関によって集権的な管理が行われていないため、証券上の規制対象とならないとの見解を示していた。

この発言に対し、当時も長官であったClayton氏は、「SECのコミッショナーの見解であり、法的な拘束力はない」と言及、同発言を撤回する可能性も示唆していたため、今回の見解の重要性がより増した格好だ。

Clayton氏が米議会下院議員に送った手紙の内容は以下の通りだ。

2018年6月にHinman氏が演説した中で行われた、デジタルトークンに関する発言(有価証券に関して)に同意するかという点について、仮想通貨が有価証券に該当するかの判断はスタティック(静的)ではなく、必ずしも同じであり続ける訳ではない。

デジタル資産は当初、有価証券として販売され投資契約に該当することもあるが、その後時間が経つとともに販売方法が変われば該当しなくなることもなる。

中略

そのため、私はデジタル資産の取引が投資契約に該当しなくなることもあると述べたHinman氏の説明に同意する。

投資家が個人・団体に対して起業家活動や企業努力を求めなくなった場合が一例だ。そうなった際、そのデジタル資産はハウェイテスト上、投資契約に該当しなくなることもある。

このように、仮想通貨の有価証券性は、時間や事象とともに変化しうるものであり、有価証券におけるHoweyテストの投資契約に係る規制から外れる可能性があるとの見解を示した。

Howeyテストとは

特定の取引が「投資契約」という証券取引の定義の一つに該当するかどうかを判定するテスト。1946年のHowey社訴訟事件の際に裁判所が「投資契約」の判断基準として定めた。いくつかのICOプロジェクトがこのテストスコアを計算して、トークンの「証券性」を検証している。

▶️詳細はこちら

今回のニュースの重要性は?

今回明らかになった、SEC長官の見解によって、これまで曖昧であったSECの”ビットコイン以外”の通貨における有価証券性に関する定義が明確になった点は、かなり大きな意味を持つと言えるだろう。

これまでは、コミッショナー一人の見解なのか、SECの見解なのか、不明確な状況にあったが、規制に関する見解が明確化されることで、仮想通貨の制度化の促進に繋がる。

例えば、有価証券性が曖昧な状況では、以下のような弊害が起きる可能性がある。

  • 取引所での取り扱い制限(規制対象となる動きを回避する取引所の動き)
  • 違法有価証券を販売したなどと主張する訴訟リスク
  • 企業が規制に準拠した仮想通貨関連プロダクトを提供できない

通貨価格に影響しうる、流動性(や取引高)の欠如や、企業側からリーチする実用面で歯止めがかかってしまう事に繋がる。

また、イーサリアムに限らず、同様の性質を持つ通貨へのプラス材料となり得る見解で、非中央集権化における通貨運用の有無が今後、より重要になってくることを、投資家などに意識づける事例となったと言えるだろう。

これらの発言を経て、米SECから明確な公式声明が出れば、それらに該当しうる通貨価格や実需面での普及を後押しする動きへと繋がるだろう。

▶️本日の速報をチェック
CoinPostのLINE@

スマートフォンへの「プッシュ通知」で、相場に影響を及ぼす重要ニュースをいち早く知らせてくれる「LINE@」の登録はこちら。大好評につき、登録者13,000名突破。

厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
04/12 土曜日
13:30
ブラックロックの仮想通貨ETF運用資産が前四半期比9%減 2025年1~3月期
資産運用大手ブラックロックが2025年1~3月期の決算を発表。仮想通貨ETFの運用資産が前四半期比で9%減少していた。トランプ政権による関税懸念が背景にある。
13:05
英国初、スコットランドの名門校がビットコイン学費支払いを導入
ロモンド・スクールが英国初となる仮想通貨ビットコイン学費支払いを2025年秋学期から開始。自由市場を重視するオーストリア学派経済学と分散型テクノロジーをカリキュラムに統合し、実践的な金融教育を提供。
10:20
米SEC二回目の仮想通貨円卓会議、トークン化証券の規制緩和を議論
米証券取引委員会が仮想通貨規制の円卓会議2回目を開催。取引所規制を議題として、デジタル証券取引に対する条件付き規制緩和を行う可能性が示唆された。
10:05
株価が一週間で12倍以上急騰の米上場企業Janover、14億円相当のソラナを取得 
商業不動産テック企業Janoverが新資産戦略で仮想通貨ソラナ大量購入を実施。即時ステーキング開始と検証ノード運営計画で仮想通貨エコシステムへの積極参加を表明。株価は1100%超上昇。
08:15
トランプ関税でビットコインマイニング収益悪化 赤字企業続出
米国トランプ大統領の関税政策により、ビットコインのマイニング収益率が大幅に下落。多くのマイニング企業が損益分岐点を下回り、S19 Pro機器の大規模シャットダウンの可能性が高まっていると指摘されている。
07:35
ミームコイン『Fartcoin』一週間で75%高騰、関税緩和期待で資金が流入
仮想通貨Fartcoinが30%上昇。トランプ大統領の相互関税停止表明を受け、ミームコイン市場は貿易戦争の軟化を受けて反発ムードに。
07:15
北欧議員、ビットコイン準備金を提案 米国を参考に
スウェーデンの議員は財務相に対し、準備金に仮想通貨ビットコインを加えることを検討しているか質問。米トランプ政権の動向などに言及し、ビットコインの保有することのメリットを説明している。
06:35
ビットコイン84000ドル回復 FRB利下げ観測強まるも市場リスクは後退せず
米CPIの下振れ及び景気後退リスクでFRBの利下げ期待が浮上。仮想通貨ビットコインは84,000ドルを回復するも、米中関税と債券市場の不安が続き、アナリストは市場リスクの継続に警鐘を鳴らす。
05:55
マクドナルド、株主のビットコイン購入提案を拒否 SECが対応を支持
マクドナルドが保守系株主団体からのビットコイン購入検討提案を拒否。SECは「通常業務に関連する」として同社の判断を支持した。
04/11 金曜日
17:22
ライブピア(LPT)の特徴と将来性、おすすめ取引所
ブロックチェーンで動画配信を効率化するLivepeer(LPT)の仕組みや特徴、AI機能、将来性、リスクをわかりやすく解説。
14:15
トランプ関税と貿易摩擦はビットコインに有利に働くか グレースケール考察
関税ショックとビットコイン 米暗号資産(仮想通貨)投資会社グレースケールは9日に発表した市場レポートで、関税と貿易摩擦は中期的にはビットコイン(BTC)の普及にプラスに働く可能…
13:40
金融庁、暗号資産を2分類する新規制案などで意見募集
金融庁が暗号資産規制の新枠組みを提案。資金調達型と非資金調達型の2類型に分け、それぞれ異なる規制を適用する方針。ビットコインなどの非資金調達型と、ユーティリティトークンなどの資金調達型で情報開示等の要件が異なる。利用者保護とイノベーション促進のバランスを重視。
13:00
リップルとSEC、和解に向け法的手続き一時停止を共同申請
リップルとSECが4月10日に第2巡回控訴裁判所へ法的手続き一時停止を共同申請。原則的合意に達し和解へ前進。リップルは同時期に12億5000万ドルでHidden Road買収を発表し、仮想通貨業界初のグローバルプライムブローカーとなった。
11:30
Glassnodeが読み解く仮想通貨市場の構造変化 ビットコインとイーサリアムに広がる格差
Glassnode最新レポート:トランプ大統領の「解放の日」関税発表による金融市場動揺で仮想通貨全体に圧力。オンチェーンデータが示す資本流入減少とBTC/ETH間の歴史的乖離などを分析。
11:20
米トランプ大統領、DeFiの税務報告義務を廃止する法案に署名
米トランプ大統領がIRSによるDeFiブローカー規則を廃止する法案に署名。過度な規制とプライバシー侵害の懸念を払拭したことになる。業界団体は『DeFiの技術的現実を考慮した法整備』の必要性を唱えている。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧