- ビットコインは長期的なトレンド転換の局面に
- 4時間足レベルのMACDダイバージェンスを一旦解消し再び続伸したビットコインは、日足レベルの逆行を起こしつつ、長期〜超長期のトレンド転換局面に突入している。
前回記事において、上昇トレンドが継続する場合、直近最高値は63万3000円、調整水準価格は55万3000円付近とお伝えしていたが、実際の値動きは63万2000円(天)—56万0000円(調整底)を付けた後、再び上昇を継続している。詳細は前回記事を参考にされたい。
今回記事も長期的な分析を行うため、例のごとくマルチタイムフレーム(MTF)分析である。
MTF分析の注意点に関しては、2019年4月7日付(前々回)の記事を参考にしていただきたい。直近最高値を更新しているビットコインの現在置かれた状況を詳しく見ていこう。
現在の値動きと価格水準
MACD観測
4時間足レベルでは、前回の56万付近までの調整による下落で約20日間に渡るダイバージェンスが解消され、短期的には順行状態にあるものの、最高値を更新したことにより、日足レベルの逆行状態は解消できない状態である。
また、3日足以上の時間足では画像の通り順行が継続しているため、日足レベルでのダイバージェンス解消により、大きな押し目を作り、上位足のMACDが引きずられなければ、長期〜超長期的に上昇トレンドが継続する可能性は残されていると言える。
ただし、3日足レベルの200単純移動平均線(以下、SMA)と300SMAが接触している状態であるため、日足レベル以下のトレンドが3日足以上のトレンド初動形成に大きな影響を及ぼす可能性を孕んでいるため、下位足の動向によって長期的なトレンドが決定する重要局面であるという捉え方もできよう。
OBV観測
依然として過去記事で触れてきた4時間足OBVサポートラインからは乖離している状態である。ただし、3日足レベルでは2017年12月6日および2018年3月2日から続くレジスタンスラインを突破しているため、やはり長期的なトレンド形成において重要な局面であると結論づけて問題ないであろう。
今後のシナリオ
4時間足レベルの上昇トレンドが継続する場合
やはり最直近の上値ターゲットは、2018年2月や2018年6月にサポートとして長い間機能していた64万5000円である。4時間足レベルでも記事執筆時点で3度の挑戦を行なっている。64万円を上抜けたとしても、64万〜69万円までは過去にかなり意識されたレートとなるため、上昇にはかなり苦戦を強いられるはずである。
4時間足〜日足レベルのダイバージェンスはまだ解消されていないことから、日足レベルの調整も常に想定しておきたい。調整が入る場合は2017年9月の高値であり、日足の300SMA付近の価格水準である56万6000円付近までは見積もっておきたい。
3日足以上の時間足MACDを引きずらず、他指標でも上昇トレンドを示唆する場合は、上述した通り長期〜超長期レベルのトレンド転換に繋がるであろう。
レンジ入り、ないしは4時間足レベルの下降トレンド初動になる場合
こちらの場合も、一旦の下落のターゲットは日足上昇トレンドの調整価格水準となりうる56万6000円付近になる。ここからの値動き次第では64万0000円〜56万6000円付近を天底にするレンジ相場に派生したり、4時間足レベルでの下降トレンドの初動に発展したりし得る。
どちらの場合にせよ、上位足MACDと下位足MACDが0ライン付近で一旦揉むことが考えられる。
総括
長期的なトレンドの過渡期であるため、大きな値動きも考慮したトレードを読者の皆さんには心がけていただきたい。
自身の時間足に合ったトレードを十分に心がけ、適切な資金管理下でのストップ設定のもと、今後の値動きに注目されたい。
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