- ビットコインの市場占有率が昨年9月ぶりの高水準に
- 仮想通貨ビットコインのドミナンス(市場占有率)が昨年9月以来、およそ7ヶ月ぶりとなる高水準に達したことが仮想通貨情報サイトCoinMarketCapで確認された。
ビットコインのドミナンスが7ヶ月ぶりの高水準に
仮想通貨市場は5月の第1週目をかけて主要通貨、特にビットコインの強さが際立った。
相場はアルトコインからビットコインに傾き、本稿執筆時点でビットコインのドミナンスは55.9%まで上昇しており、これは昨年9月以来、7ヶ月以上ぶりの高水準となっている。
ビットコインのドミナンスは4月上旬に一時的に昨年8月ぶりに50%を割るところまで接近したが、そこから価格は一気に急騰。1ヶ月でおよそ+40%も上昇した。また昨年8月にはビットコインETF認可への期待が高まり、ビットコインのドミナンスは50%を突破してそれ以来そのラインを維持している。そのためドミナンスはビットコインへの信頼を図る指標としてだけではなく、重要なラインでもあると言えるだろう。
このように資金がビットコインに集中する傾向は2017年の仮想通貨バブルでも度々見られており、「アルトドレイン」と呼ばれている。
ビットコインが最も代表的な基軸通貨である点などから、市場低迷時には金などと同じように「避難先」としてビットコインへと通貨を代える投資家が多い流れが見られている。他にもテザー(USDT)などのステーブルコインも、リスクオフ時に避難先としてみられやすい。
昨年9月にビットコインのドミナンスが56%付近の高水準に到達した際は、ネガティブファンダで仮想通貨市場全体が急落していた。
このまま上昇に至るポジティブサプライズがない限り、重要ラインとみられている6,000〜6,500ドルのライン突破は難しいとする見方をする専門家も多い。
しかしブロックチェーン調査企業DataLightから公開されたデータから明らかになった通り、日本は米国に次ぐ世界2位の規模を誇る仮想通貨マーケットを有している。
日本国内では、天皇陛下の即位に伴う元号改元やゴールデンウィークが重なったことで、約200年ぶりの超大型連休(10連休)が続いていた。国内取引所の大半がサービスの多くを休業していた影響も少なからず影響を及ぼしていた可能性は考えられる。
その間にも、Bakktがカストディ企業を買収したほか、機関投資家向けの取引所ErisXも現物取引を開始しており、ポジティブな動きも観測される。連休明けとなる今週の相場の動きに注視したいところだ。