はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

Cboeの仮想通貨ビットコイン先物が明日で終了、過去最高水準のCMEと明暗くっきり

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

Cboeビットコイン(BTC)先物が明日で終了
米シカゴ・オプション取引所は19日、BTC先物の提供を取りやめる。1年半での撤退を余儀なくされたが、ビットコイン高騰に伴い、大幅続伸するCMEのBTC先物と明暗が分かれた理由とは。

Cboeビットコイン(BTC)先物が明日で終了

米大手デリバティブ取引所である、シカゴ・オプション取引所(CBOE)は明日19日、「ビットコイン(BTC)」先物の提供を取りやめる。

Cboeは3月中旬、先物契約の更新をしない方針を表明していた。

2017年12月18日にサービス開始して以来、わずか1年半での撤退を余儀なくされたことになる。取引数の低下によるデリバティブ事業の見直しを原因として挙げた。

なお、ビットコイン先物のサービス提供停止によって、Cboeが並行して進めるプロジェクト「ビットコインETF」には直接的な影響はでないものと見られている。

一方で、先物商品のプロモーションにも注力する、同じ米国のシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)が取り扱う「ビットコイン(BTC)」先物は、競合が減ったことも追い風となり、右肩上がりの成長を見せるなど絶好調だ。

4月1日の取引数2162を基準に、高騰後の5日取引高を比較するとおよそ10倍の上昇を見せたことになる。CMEは、競合他社が居ない機会を利用して、デジタル・アセットの先物市場のシェアをさらに拡大する構えだ。

出典:TradeBlock

明暗を分けた2取引所の特徴

2社の明暗を分けたのは、以下のような理由が挙げられる。

第一に挙げられるのは、ビットコイン(BTC)先物への「参入障壁」だ。

CME取引所は、ビットコイン先物提供開始する以前から、豊富な金融商品の提供で資産運用されている中で、仮想通貨ビットコイン(BTC)をエクイティとして投入した。すでにCMEで各種資産を取引している多数のトレーダーは、ビットコイン先物を利用するために面倒なステップを踏む必要は無かった。

それに対し、競合のCboeは、Cboeボラティリティ指数(VX)先物の取引が行われるCcoe先物取引所(CFE)にビットコイン先物を追加した。 ビットコイン先物取引をするため、1つのアカウントに付き、数百ドルの追加コストが発生する計算になる。

第二の理由は、「値決めの算出方法」である。

CMEが、複数のスポット市場の合計価格に落ち着く「価格設定方法」を導入・提供しているのに対し、Cboeは、仮想通貨取引所ジェミニ(Gemini)の登録だけに依存しているため、リスク面からも投資家のニーズを集めていたものと考えられる。またCMEでは、ポジション制限が大きいため、1つのアカウントでより多くの契約を結ぶことが可能となっている。

先物取引は、ボラティリティ(価格変動)の高い仮想通貨取引のヘッジ手段の一環として重宝するとの評価がある一方で、奇しくも、ビットコイン(BTC)価格は、2017年12月中旬までに2万ドル(220万円)の最高値を付けた後に暴落、中長期的な下落トレンドに移行した。

今年5月には、ビットコイン先物と市場との相関性について財務総合政策研究所が、独自の研究レポートを財務省広報誌「ファイナンス」で発表。

ビットコイン(BTC)先物の導入背景については、

「ビットコイン先物は、価格の透明性や業者のリスク管理を向上させること等を企図しており、株式や国債など幅広いアセットクラスで先物市場があることに鑑み、暗号資産市場の成熟のため先物の導入が求められた」と分析した上で、ビットコインの価格推移を見れば分かる通り、価格のトレンドが下がり始めた時期と、ビットコイン先物導入時期は時期を同じくしていると言及。

出典:財務総研

しかし、ビットコイン現物の価格に加え、ビットコイン先物の価格および取引高のデータを用い、先物の導入と現物価格の関係について、初めての実証研究を行った結果、最新の研究レポート(Hattori and Ishida 2019)では、先物の導入とビットコイン価格の下落の間の相関関係を否定する分析結果を結論付けた。

関連記事:

財務省広報誌「ビットコイン先物が2017年仮想通貨バブル崩壊をもたらしたのか」
財務省は23日、財務総合政策研究所による研究レポートを公開した。不正・規制に係る学術研究のほか、ビットコイン先物と市場との相関性についても分析を進めた貴重な内容となる。

Bakkt提供予定のビットコイン先物の影響

着目すべきは、機関投資家向けの仮想通貨プラットフォームBakktは、7月22日からビットコイン先物取引のユーザー受け入れテストを開始することを発表したことだ。

ビットコイン(BTC)の先物決済は法定通貨(米ドル)になるが、Bakktの場合は「現物先渡し」先物を提供する方針であり、米CFTC(商品先物取引委員会)の認可待ちとなっている。つまり、実質的に「現物取引のBTC取引が可能になる。」というメリットがある。

Bakktは昨年8月、親会社であるICE(インターコンチネンタル・エクスチェンジ)が、マイクロソフトやスターバックスから出資を受ける形で発表され、話題になっていたビットコインETFを凌ぎ「2018年最大級のニュース」と呼ばれた経緯がある。

ICEのプラットフォームで米国規制下初の現物先渡し取引先物取引取引が行われることで、機関投資家の参入への期待感のほか、市場への影響にも期待感が高まっている。なお、日間の現物先渡し先物取引を提供するため、実質的な現物取引のBTC取引が可能になることで、これまで制限されていた大口の取引にも幅がもたらされることとなる。

12日には、ビットコイン先物を提供するCMEの2019年5月分の出来高と建玉が、取引開始以来の過去最高水準の約1.3兆円に達したことが判明した。 先物取引の需要は、4月比で+27%の続伸を見せるなど、ビットコイン(BTC)の高騰に伴い急増している。

CoinPostの関連記事

Bakktビットコイン先物、7月22日にUATを開始|仮想通貨市場の上昇要因に
機関投資家向けの仮想通貨プラットフォームBakktは7月22日からビットコイン先物取引のユーザー受け入れテストを開始することを発表した。発表を受けBTC価格は重要ラインを突破、現在も続伸している。
仮想通貨ビットコイン先物が人気続伸|月間出来高は過去最高の1.3兆円に到達
米CMEが提供するビットコイン先物における5月分の出来高が、過去最高水準の約1.3兆円に達したことが判明した。BTC先物取引に対する需要が直近2ヶ月で急増している要因についても解説。
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
09/18 木曜日
16:50
「社会のジレンマを突破する」日本初のステーブルコイン発行ライセンス取得、JPYC岡部典孝氏が語る|独占インタビュー
JPYC株式会社が日本初の日本円建てステーブルコイン発行ライセンスを金融庁から取得。代表の岡部典孝氏が語る100万円制限の実態、3年後10兆円の発行目標、プログラマブルマネーがもたらす金融革命とは。
13:40
ウォーレン米議員ら、トランプ政権の仮想通貨特命官に対する倫理調査を開始
エリザベス・ウォーレン米上院議員ら8名の民主党議員が、トランプ政権のAI・仮想通貨特別顧問デービッド・サックス氏の特別政府職員としての任期制限超過疑惑について倫理調査を開始した。130日の上限を超過している可能性を指摘し、詳細な勤務日数報告を要求している。
13:35
米SECが承認、BTCやXRP投資のマルチ仮想通貨投資信託のETF転換
米SECがグレースケールのマルチ仮想通貨ETPを承認し、ビットコインやイーサリアムなど5銘柄への一般投資家アクセス投資が可能になった。新たな包括的上場基準も同時に導入されている。
13:02
ポリマーケットでの裁定取引で年間60億円の利益発生か 研究者ら分析
分散型予測市場ポリマーケットでミスプライシングを利用した裁定取引により年間60億円の利益が発生しているとの論文が発表された。研究者による分析を解説する。
12:04
FRB利下げ決定も仮想通貨の市場反応は限定的、BNB前週比9.2%高で1000ドルの大台迫る
FOMCでは米FRBが0.25%利下げを決定したが、暗号資産(仮想通貨)への影響は限定的だった。主要アルトコインでは、BNBが前週比9.2%高の1,000ドル目前に。背景としては、バイナンスの規制環境の進展の兆しとMegadropなどの需要が挙げられる。パウエル議長は年内2回の追加利下げを予想するも慎重姿勢を維持。
11:03
業界の行方を決める「天王山」に臨む──ビットバンク廣末氏が描く未来戦略
ビットバンク廣末紀之CEOが語る、預かり資産1兆円規模への成長と今後の展望。金商法への移行と分離課税実現に向けた2025年後半は業界の「天王山」。
11:00
ビットコイン・トレジャリー企業の勢い減速か、4社に1社が純資産割れで取引=K33報告
K33リサーチなどが報告したところによると、ビットコイン・トレジャリー企業の4分の1が純資産価値を下回る時価総額で取引されており、業界の統合が進む可能性が指摘された。
10:02
ヴィタリック、イーサリアムの開発計画をプレゼン
ヴィタリック・ブテリン氏は、仮想通貨イーサリアムの開発計画についてプレゼンを行った。大阪で開催されているイーサリアムのカンファレンスEDCONに登壇した。
09:40
フォワード・インダストリーズ、最大5900億円規模の資金調達でソラナ戦略を推進
米上場企業フォワード・インダストリーズが最大40億ドル規模のATM増資で仮想通貨ソラナトレジャリー戦略を推進する。DeFi Development Corpもソラナ買い増しを発表した。
08:45
トランプ・ジュニア出資のサムザップ、750万ドージコインを初購入
米ナスダック上場のサムザップメディアが750万ドージコインを200万ドルで公開市場から初回取得したと発表した。
07:20
米SEC、仮想通貨ETF上場手続きを大幅簡素化へ
米証券取引委員会が、ナスダック、Cboe BZX、NYSEアルカの3大取引所による包括的上場基準を承認。今後、仮想通貨を含むコモディティベース株式の上場プロセスが大幅に簡素化される見通しである。
07:10
SBI新生銀行、トークン化預金「DCJPY」の導入を検討へ
SBI新生銀行は、円建てトークン化預金DCJPYの導入を検討すると発表。JPモルガンらが参加するプラットフォームを活用し、トークン化預金での多様な外貨の取り扱いも検討する。
06:50
仮想通貨取引所Bullish、NY州からビットライセンス取得 米国展開へ
機関投資家向け仮想通貨取引所ブリッシュが17日にニューヨーク州金融サービス局からビットライセンスと送金業ライセンスを取得したと発表した。
06:25
マネーグラム、ステーブルコイン送金サービス開始 
国際送金大手のマネーグラムが9月17日にクロスミントと提携しステーブルコインを活用した新たな送金サービスを南米コロンビアで開始すると発表した。
06:02
カルシ、予測市場エコシステムハブ開始 ソラナとベースと提携
予測市場プラットフォーム大手Kalshiが17日、ソラナとベースとの提携によるエコシステム支援ネットワーク「カルシエコ」の開始を発表した。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧