- ビットコインの価格が上がり、需要が増えていくにつれて、ビットコインマイニングにかかる電力消費量も上昇
- ビットコインマイニングは、すでに世界中の159ヶ国のそれぞれの消費電力量よりも多くの電力を消費していて、2018年の10月には、イギリスの総電力消費量をも凌駕するのではないかと予想されています。
ビットコインマイニングの電力消費問題
ビットコインがメインストリームに向けて大きく躍進している中、高騰しているのはビットコインの取引価格だけではないようです。
最新の研究によると、この人気の仮想通貨はヨーロッパの20以上の各国々の消費電力よりも多くの電力を消費していると発表しました。
イギリスのエネルギー価格比較プラットフォームである Power Compare によると、取引記録をブロックチェーン上に組み込んでいくのに必要な計算プロセスであるビットコインマイニングに消費される電力の総量が、159ヶ国のそれぞれの消費電力よりも多いことを公表しました。
その159ヶ国には、アイルランドやクロアチア、セルビア、スロバキア、アイスランドも含まれています。
注目すべきは、アフリカ大陸において、南アフリカ、エジプト、アルジェリアの3ヶ国しか、ビットコインマイニングの電力消費量を上回っている国々がないことです。
そして、Power Compare は、この消費電力が増え続けると、エクアドル、プエルトリコ、北朝鮮の消費電力を追い抜くのも時間の問題であると言及しています。
下記が、より詳細な図となっています。
Power Compare はさらに、ビットコインの年間消費電力量は 29.05 TWh であると予想しており、この電力は 世界中で必要とされている電力の 0.13% に相当すると述べました。
ビットコインマイナー達が一つの自治国を設立したとすると、世界で61番目に消費電力の多い国家となるのです。
この消費電力問題を考慮すると、どうしてビットコインマイニングコミュニティが SegWit2x の採用についてあれほど必死であったかが理解できるのではないでしょうか。
Power Compareによると、ビットコインマイニングはこの消費において直近の30日間だけでも、30%近く上昇していると言及しています。
さらに研究内では、ビットコインの消費電力がこのペースで増え続けると、世界中でのマイニングに使用される電力は2018年の10月にはイギリスの全電力消費量を凌駕するのではないかとも予想されています。
この消費電力の総額は、金額にするとどのくらいになるのでしょうか。
研究者達は、この消費電力の年間総額は 15億米ドルに相当するのではないかと予想しています。
しかし、この予想は、マイニングが主に電気価格の安い地域で行われていることを考慮して算出されているので、実際はこの予想価格よりも高くなる可能性もあるのです。
Bitcoin mining consumes more electricity than 20+ European countries
thenextweb, Nov 23, 2017 by MIX
参考記事はこちらから
CoinPostの考察
この様なマイニング消費量の問題は、初期の頃から議論され続けています。
電気大量利用と環境問題には、深い関係があり、問題とされる化石エネルギー(石油、石炭、天然ガス)を利用したエネルギーに世界が依存していることから、自然の生態系の崩壊等世界各地でさまざまな環境問題の引き金となっています。
更に、この様な化石エネルギーは有限であるため、今後電力消費に対する各国の対応が厳しくなることは必然であるとされています。
大量に電力を消費するProof of Workアルゴリズムを利用したマイニング方式から変更する通貨も多くありますが、世界でもっとも多く取引されるビットコインと2番手であるビットコインキャッシュがこのマイニングの方式を取っており、今各国で自国の利益という観点からある程度規制を受けていないマイニング事業にも、問題とされる時期が近づいているのではないでしょうか?
このようにビットコインマイニングに利用するマシンの高性能化に伴い、直近の30日間で30%近く上昇していることを加味すると、ビットコイン問題の根幹にあるスケーラビリティ解決が先延ばしになっている現状、このマイニングの問題提起が各国や主要世界機関からされた場合、ビットコインなどのマイニング方式を有する通貨への影響が懸念されます。