- 11月30日の早朝、仮想通貨全体の価格が大きく下落
- 先物取引市場の大口売りから、ビットコインFXでロング(上昇する相場に投資)にポジションを置く人が強制的にロスカットされ、それが連鎖した形で大きな下落を生みだしたと考えられます。
- FX取引は注意が必要
- 日本ではデリバティブ市場が大きく盛り上がりを見せていますが、一回の失敗で大金を強制的に失う可能性があることを頭に入れて臨むことが大切となります。
ビットコインが100万円というJPY建てで記念すべき価格を突破し、USD建てでも1万USDを突破したことから、BTCの価格は数日間仮想通貨の時価総額1位という多くの資本が入っている通貨とは思えない上昇を記録しました。
ビットコインは継続して伸び続けるだろうと多くの人が思っていた矢先、日本時間早朝に大きな下落を記録しました。
130万円付近を天井に112万円までじわじわと価格を下げ、一気に80万円まで下落していることがわかります。
価格下落の原因は?
原因はデリバティブ市場(ここでは先物取引市場を指す)の大口売りから、ロング(上昇する相場に投資)にポジションを置く人が強制的にロスカットされ、それが連鎖した形で大きな下落を生みだした相場の可能性が大きいと考えます。
強制ロスカットとは?
強制ロスカットは自動的にポジションを決済する仕組みとなります。
取引市場でポジションを決済するという言葉は、利益や損失分を確定させることを指し、この決済が自動的に行われてしまう仕組みを指します。
証拠金を取引所に置き、レバレッジ(倍率)を掛けて取引を行うと、相場が大きく上向いた時には倍率に比例した利益を得ることができますが、逆に相場に急激な変動があった場合、予想以上に大きな損失を被る場合があります。
一定割合以上の損失が発生した場合、トレーダーの意志とは無関係に強制的に決済(損失を確定)して、損失を証拠金で留めるシステムが存在し、これを強制ロスカットと言います。
日本がBTCの価格に大きく関係する
これは本日11月30日15時時点でのビットコイン取引高を通貨ごとや取引所で比較したものです。
世界のビットコイン取引の約60%が日本円で行われており、その内bitFlyerFXが80%も占めていることがわかります。
このbitFlyerFXは、bitFlyerが提供するデリバティブ取引所で、ここで行われている取引高が世界的に多いため、このBTC価格は先物価格だけで止まらず、現物の価格、つまりは結果的にBTC自体の価格を左右することになります。
このbitFlyerFXでは、当時BTCの価格高騰に影響してロングポジション過多の状態が続いており、ここでの売りからロスカット連鎖が全体の価格暴落に大きく影響したものと予想されています。
これは余談ですが、この画像はビットコインキャッシュが暴騰し価格が大きく高騰、高値を維持した時の世界の取引量です。
世界が大きくビットコインキャッシュ取引に移った中、日本ではBTCが圧倒的に先行していることがわかります。
これは日本の取引所が世界とは違い代理販売形式を行なっていることで、ビットコインキャッシュの取引高が集計されていないという可能性もありますが、圧倒的にBTCの取引高が世界で多いことを考えても、日本人がFXに熱中している状況が現れている統計ではないでしょうか?
瞬間的な大暴落FlashCrash
このようなロスカットが続き現象は仮想通貨のようなボラリティの高い相場だけでなく、株式市場やFX市場などでも見られることがあります。
下記の動画はフラッシュクラッシュと言われる瞬間的な下落を記録した動画です。
記事で記載されるようなフラッシュクラッシュは、多くの原因があり根本的な原因を特定するのは難しいと言われていますが、このような状況が置きた時のロスカット連鎖による下落幅の増加は間違い無いと言えるでしょう。
フラッシュクラッシュの瞬間は1:00~からです。
FX取引は注意が必要
日本ではデリバティブ市場が大きく盛り上がりを見せています。
大きく儲けることができるため、話題性もあり、次なる投資者を招く結果となります。
しかし、仮想通貨はボラティリティ(価格変動率)が高く、リスクのある相場です。
このことを前提に、レバレッジなどをかけた取引を行う場合は一回の失敗で大金を強制的に失う可能性があることを頭に入れて臨むことが大切となります。
日本は世界の中で仮想通貨に対する法規制が緩いことで注目を集めています。
このような法規制の緩さは、新たな市場である仮想通貨市場を育て、日本市場を世界のトップへと押し上げることにつながりますが、その反面投資家をリスクから保護するという面で問題視されています。
仮想通貨市場は今後大きく伸びることが多くの分析家から予測されています。
自分の取引方法や、取引や通貨に関する知識次第で大きなリスクを抱えるということを理解し、情報収集を欠かさず行い、一つの意見に流されない姿勢が重要となるでしょう。