- 現金とビットコインの共通点
- セントルイス連邦準備銀行によれば現金とビットコインは似通った点があるとのことで、現金とビットコインはあらゆる点で異なるという一般の認識とは異なった見解を示しました。
- 自由な金融取引手段という観点での現金とビットコイン
- 現金もビットコインも、第三者を介さないユーザー間の直接取引ができるという点では共通しており、各国政府が目指すキャッシュレス社会はこの流れに逆行するものであるとの見方があります。
現金とビットコインは似通っている
多くの人にとって、ビットコインは通貨として使われるための特性を欠いたものであると考えられてきました。
しかしセントルイス連邦準備銀行によれば、必ずしもそうではないとのことです。
驚くべきことに同銀行は、見方によればビットコインと現金にそこまでの差はないと認めています。
これは決して今後の強気相場を示唆するものではありませんが、非常に関心をそそる内容であることは間違いありません。
一般に言えばビットコインはあらゆる点において現金とは全く異なるものです。
現金と違って中央銀行によって発行されるわけでもなく、政府によって管理されてもいません。
言うなれば、ビットコインは過去に人々が想像していたのとは違う形での自由な金融取引をもたらそうとするものです。
しかし、その意味では現金とビットコインはいくつか共通の特徴持っているのです。
現金は最も便利な支払い手段とは言えないものの、ビットコインと同様に自由な金融取引を人々にもたらしています。
ほとんどの人にとっては、強いて挙げるとしてもこの点が現金とビットコインの唯一の共通点だと思えるでしょう。
しかし、セントルイス連邦準備銀行は、二つの共通点はそれだけではないといいます。
同銀行は最近のブログの投稿において、いかにビットコインと現金が似通ったものであるかを解説しています。
まず共通点の一つとして発行上限が決められていることが挙げられます。
たしかに、ビットコインを語るにおいては発行上限の項目は明らかに必要ですが、現金においては必ずしもそうではないと考える人が多いでしょう。
中央銀行は、必要があればいつでも現金の供給量を増大させる傾向にあるからです。
しかし、銀行の準備預金と通貨の総発行量よりも多くの現金は存在し得ないため、実際のところ、現金の供給量は意図的に抑えられています。
自由な金融取引手段という観点での現金とビットコイン
仲介者がいないという点でもビットコインと現金は似ています。
現金は支払いや取引を完了させるにあたり仲介者を必要としません。
それどころかまさにP2P(ピアツーピア、ブロクチェーン技術にも採用されるインターネット上の基本概念の一つで、仲介者を必要としないユーザー間の直接取引の形式)で、モノやサービス、その他様々なものの支払いに現金は使われています。
そしてビットコインも同様の機能を持っているとセントルイス連邦準備銀行は述べます。
ビットコインは匿名性とプライバシーの問題において細かな法的問題を抱えてはいるものの、P2Pシステムでの支払い機能に関しては、同銀行はおおよそ真理を語っています。
ビットコインと現金が似通っているということを念頭に置いた上で、多くの政府が現金社会に対して否定的なことを考慮すれば、ビットコインに対しても同様に否定的であるというのも理解できる話です。
現在では様々な国が現金の必要ないキャッシュレス社会の実現を目指しています。
この動きは主に、銀行をはじめとするサードパーティへの人々の依存を高めようとする狙いから行われているように見えます。
各所の規制がビットコインを認めると仮定すると、ビットコインはこういった社会にこそ割り込んでくる余地があるのです。
セントルイス連邦準備銀行はビットコインを強く支持しているわけではありませんが、同時にビットコインを見放すこともありません。
しかし、一般の銀行がこういった開放的な姿勢でアプローチしていることなど滅多に見かけません。
今回のようなテーマにおいては、仮想通貨に対して前向きな関心を寄せることは非常に良いことです。
一般においてビットコインのイメージがかなり悪いことを考えれば、今回のような仮想通貨の地位を確かにしうる比較論はそうそう蔑ろにされることはないでしょう。
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JP BUNTINX | APRIL 28, 2018
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