- Zcashが米取引所Geminiに上場
- ビットライセンスを有する取引所GeminiがZcashの上場を発表。Zcashは匿名性の通貨であることから、マネロンなどの観点で規制団体からの許可が難しいと考えられていましたが、ニューヨーク州金融サービス局によるビットライセンスが付与された取引所への上場許可は大きな反響を呼んでいる。
- Zcashとは
- Zcashはゼロ知識証明を利用し、第3者に知られることなく送金することができる通貨。匿名性は他の匿名通貨よりも高いとされ、日本ではアンチマネーロンダリングの観点で問題視する声も聞かれる。
Geminiは『世界で初めてのライセンス制度の元運営するZcashを取り扱う取引所』となりました。
GeminiにZcashが上場
ウィンクルボス兄弟が創業者であり、ニュヨークに拠点を置く取引所GeminiはZcashの取り扱いを発表しました。
Geminiでは、Zcashの取引ペアとしてZEC/USD、ZEC/BTC、ZEC/ETHを予定しています。
ZcashはGeminiの取引所では3番目の取り扱い仮想通貨となり、最近でUSDペアだけでなく、BTC/ETH取引ペアも追加しています。
キャメロン・ウィンクルボス氏は、『ビットコインとゼットキャッシュはそれぞれ違う役割の元競い合う2つ革命的なテクノロジーである。』と加え、ビットコインはデジタルゴールドに、ゼッドキャッシュはデジタル通貨になると発言しました。
今回のニュースの注目点
仮想通貨が大きな取引所に上場するニュースは注目されますが、今回GeminiがZcashを発表したことは、それらのニュースとは大きく意味がことなります。
Geminiがビットライセンスを有している点
Zcashの特徴として、匿名性を掲げる通貨となりますが、これらの特性からマネーロンダリングに利用されることなどが政府や規制機関から不安視されていました。
今回取り扱いを発表したGeminiは、bitFlyerも有する米国の仮想通貨関連の企業の認可「ビットライセンス」の元運営する公認取引所となる。
ビットライセンスはニューヨーク州金融サービス局(NYDFS)によって許可されており、今回の注目点は、その様なNYDFSの管理下の状況で匿名通貨であるZcashが許可された事となります。
Geminiは、Zcashの取引をサポートするまで、NYDFSによる長く広範囲に及ぶ承認のプロセスが行われたと言及しています。
しかし匿名通貨という特性上の問題か、今回の上場時ではZcashの取引所への入金時ではシールドとアンシールド(シールドは匿名アドレス・アンシールドは透明性を持つ)の両方が利用可能だが、出金時では透明性を持つアンシールドアドレスのみが利用可能となる予定だ。
これはマネーロンダリングに関する法令を遵守するために行われる施策と考えられる。
CMEへのデータ提供
ビットコイン先物を取り扱うCboeの先物はGeminiがオークションで決定するビットコイン価格に基づいて現金決済されている。
イーサリアム先物も今多くの話題を呼んでいるが、Cboeはアルトコインに関する派生商品の取り扱いは否定してなく、GeminiがZcashを取り扱った事で、Zcashの先物取引の実現を促す形となる可能性が報道されている。
ビットコインキャッシュとライトコイン
Gemini側はアナウンスを行なっていないものの、NYDFSは今回Geminiにビットコインキャッシュとライトコインの取り扱いを同様に許可した模様だ。
これらの通貨はZcashとは違い、ライセンス制度の元運営する取引所にすでに上場しているため状況はことなるが、先物取引などの観点も含め今後の注目点となる可能性が浮上しました。
ニュースによるZcashの価格へのインパクト
今回のニュースを受け、Zcashの価格が大きな高騰を記録しました。
Zcashは22時半時点から246USD(2万6950円)から高値345USD(3万7795円)まで高騰し、一時的に約40%の高騰を記録、15日3時半時点では325ドル付近で推移しています。