- 取引データの提供を取引所に要求
- ウォール・ストリートジャーナルによると、米国CFTC(Commodity Futures Trading Commission)は価格操作が仮想通貨市場を歪めてる可能性を指摘しており、CMEのビットコイン先物の価格のインデックスとなる4つの取引所Coinbase、Kraken、itBit、Bitstampの取引データを提示することを各取引所に要求しました。
- CFTCとCMEには取引の監視が求められる
- 今後、CMEとCFTCには、個人トレーダーが先物価格を歪めていないかを判断するために取引を監視することが求められます。
- CMEグループとは
- CMEとはシカゴ・マーカンタイル取引所(Chicago Mercantile Exchange)です。CMEグループは、CME、CBOT(シカゴ商品取引所)、NYMEX(ニューヨーク・マーカンタイル取引所)、COMEX(ニューヨーク商品取引所)の4つの主要取引所で構成されています。CMEグループは先物取引の発展に大きく貢献しています。
ウォール・ストリートジャーナルによると、米国CFTC(Commodity Futures Trading Commission)は価格操作が仮想通貨市場を歪めてる可能性を指摘しており、4つの仮想通貨取引所に取引データを提供することを要求しました。
取引データの提供を取引所に要求
2017年の12月にCMEグループがビットコインの先物取引を開始したことを受けて、規制当局は調査を開始しました。
ビットコイン先物の最終的な価格は4つの仮想通貨取引所Coinbase(コインベース)、Kraken(クラーケン)、itBit(イットビット)、Bitstamp(ビットスタンプ)の価格に 基づいています。
これらのマーケットでの価格操作は政府の監視下にあるビットコイン先物の価格を歪め得ると指摘されています。
ウォール・・ストリートジャーナルによると、価格操作の手段には様々なものがあります。
その一つが”spoofing”と呼ばれるもので、約定する意思がないのに見せ玉として注文し、もし望んでいた価格に動けばその時すぐに見せ玉の注文をキャンセルするという方法です。
ビットコインの先物を1月に開始したCMEは上記4つの取引所に初めて先物取引が開始された1月の取引データを提供するように要求しました。
いくつかの取引所はこれを拒否し、CMEの要求は侵害的なものだと主張しました。
CMEはこの要求の対象を1日の取引データから数時間の取引データにと要求の幅を狭くし、そこで初めて仮想通貨取引所は部分的なデータの提供に応じました。
なかなか進展しない状況に対し、ビットコイン先物の導入したCFTCは苛立ちをみせ、取引所にデータの提出命令を下しました。
しかし、ここで新たに問題視されたのが、なぜCMEはビットコイン先物の取引データを提供するという取り決めをこれらの仮想通貨取引所と結んでいなかったのかということです。
しっかりと取り決めが行われていれば、容易にデータを提供させることができました。
データというのは取引の時間、出合注文、未済注文、発注規模、取引者の特定などが含まれています。
CMEはロンドンに拠点を置く第三者企業を通じてビットコイン先物価格を計算しようと試みましたが、取引所は、自身の仮想通貨取引プラットフォームをもつ英国企業にデータを提供することを嫌がりました。
また、ウォール・ストリートジャーナルによると、CFTCは米国司法省と協力して、他の通貨の価格操作の調査を行なっているとのことです。
CFTCとCMEには取引の監視が求められる
今後、CMEとCFTCには、個人トレーダーが先物価格を歪めていないかを判断するために取引を監視することが求められます。
そして、取引所にはこれらの調査に協力することが要求されているとCMEの報道官Laurie Bischel氏は述べています。
Bitstamp(ビットスタンプ)とCoinbase(コインベース)は今回の調査に対してはコメントしていません。
Kraken、(クラーケン)のチーフ・エグゼクティブのJesse Powell氏は金曜日、CFTCの”新たに公表された監視”によって仮想通貨取引所にインデックスに参加する意味に疑問を抱かせることになるだろうと述べています。
また、同氏はビットコイン市場の価格操作に対する懸念は誇張されており、市場の価格操作する人にとっては少しの利益のために大きなリスクを背負わなければならないと指摘しています。
itBit(イットビット)のCEOであるCharles Cascarilla氏は、より厳格な監視が必要だと述べています。