- ブロックチェーン・仮想通貨業界の著名人にインタビュー
- LiteCoin創設者のCharlie Lee氏、Lisk財団のCEO、Max Kordek氏、大手仮想通貨データサイトCryptoCompareのCEO、Charlie Hayter氏、仮想通貨FactomのCEO、Paul Snow氏にインタビューをさせていただきました。
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- 仮想通貨はバブルなのか?
- バブル疑惑の絶えないビットコイン。仮想通貨(ブロックチェーン)のスペシャリストはどう考えているのかい、見解を伺いました。
- ビットコインのドミナンスは続くのか
- イーサリアムを始め、数々のアルトコインが成長途上にある中、ビットコインのドミナンス(支配力)は徐々に減少しています。今後の予想を語っていただきました。
世間では、ビットコイン価格は「バブルではないか?」という意見が絶えません。
現在でもこの話題は、さまざまな場所で多くの人々に議論されています。
注目されている話題について、仮想通貨(ブロックチェーン)のスペシャリストにCoinPostでインタビューを実施しました。
今回インタビューにご協力いただいたのは、以下の4名です。
- LiteCoin財団、ディレクター:Charlie Lee氏
- CryptoCompareのCEO:Charlie Hayter氏
- 仮想通貨LiskのCEO:Max Kordek氏
- 仮想通貨FactomのCEO:Paul Snow氏
インタビュー協力者
Charlie Lee:LiteCoin財団、ディレクター
Charlie Lee – LiteCoin、Foudation Director
主要仮想通貨の1つであるライトコインの開発者。
MIT卒業後、Googleでエンジニアとして働きながらライトコインを開発。
その後Coinbaseで働き、現在はライトコイン財団のディレクターとしてライトコインの普及に携わっている。
Max Kordek:Lisk財団、CEO
Lisk財団、CEO兼Lightcurve、CEO
大学で電子工学を学び中退。その後、オープンソース仮想通貨プロジェクトであるCriptiに携わる。
2016年にCriptiから派生するような形でLiskを立ち上げ1万4千BTCをICOで集める。
現在は、Lisk財団の会長とlightcurveのディレクターを務める。
Charles Hayter:CryptoCompare、CEO
大手海外仮想通貨データサイトCryptocompareのCEO
英国ロンドン出身。株アナリストとしてキャリアを重ねながら2014年に離職。
共同設立者のVlad Cealicu氏と共にサイト開発に取り組み、2015年に仮想通貨および取引所の比較サイト、CryptoCompareを立ち上げることに成功。
『仮想通貨に関する信頼できる情報を提供する事』をテーマに、サイト展開と仮想通貨の普及に専念している。
Paul Snow:Factom、CEO
仮想通貨企業のFactomのCEO
Texas A&M大学で情報工学の修士号を取得後、 数々の会社を立ち上げる。
2014年にFactomを始めCEOに着任。現在はテキサスブロックチェーン協会の会長も歴任。
インタビューは5月に開催された、仮想通貨業界最大級のイベント、コンセンサス中に行ったものです。
インタビュー内容
Lisk:Max Kordek氏
それは、違います。
過去にも、「インターネットはバブルだ」と言われていた時代もありましたが、現在では莫大な価値を見出しています。
バブルは一定の時間軸で起こるものです、長期間で価値を見出すことができれば全く問題ありません。
ビットコインも約100万円の価値を維持(5月中旬)していますし、ブロックチェーンの技術も本物です。
将来性は、十分にあると言えるでしょう。
2017年12月の時点では確かにバブルだったかもしれませんが、将来は、”誰もが認める大きな業界”に成長しているはずです。
少なくとも、現時点でバブルであろうと、そうでなかろうと関係ないと考えています。
CryptoCompare:Charles Hayter氏
仮想通貨は、新たな資産クラスと認識されています。
新たな資産クラスが誕生すると、プレイヤーが必要以上に調子に乗ってしまうケースも少なくありません。
それは過去の歴史にもあったことで、”チューリップバブル”のように多くの人を巻き込んでしまう場合があります。
仮想通貨は、いつでもどこでも価値を交換することを可能にします。
国境をも超え、グローバル化を進めるものです。国、企業、個人、匿名性、セキュリティーが混ざり合い、仮想通貨が生まれたのです。
Factom:Paul Snow氏
確かに仮想通貨は、「バブル」だと言われるのも無理ないですね。
ブロックチェーンや仮想通貨は革命的な技術で、金融、決済、ビジネスプロセスなど様々な部類に影響を及ぼします。
これを良しとしない人や、まだ信用しきれないという人からの抵抗もあるでしょう。
ですが、初期のインターネットを思い出してください。
90年代の頃に、現在のネット社会を誰が想像出来たでしょうか。
インターネットの将来性は以前からありましたが、当時は不安要素も抵抗もありました。
しかし今はGoogle, Amazonなど数々の大企業ができ、人々の生活に貢献しています。
ブロックチェーンも同じです。
今後、インターネットと同様にブロックチェーンや仮想通貨を活用し、大企業が5-6社できるでしょう。
歴史は、繰り返されるのです。
LiteCoin:Charlie Lee氏
私は、ビットコインは今後も優勢を保つと思います。
ビットコインは、仮想通貨のデジタル時代の『ゴールドスタンダード』ですし、ビットコインが消えることはないでしょう。
最も分散型であり、信頼やセキュリティーも高く、匿名性も十分にあるからです。
Lisk:Max Kordek氏
確かにビットコインがトップを維持し続けるのは、そう容易ではないと思います。
いつまでドミナンスを保つかはわかりませんが、数多くのプロジェクトがその座を狙っているからです。
(時価総額2位)のイーサリアムも例外ではありません。
今後1〜2年で起こるかはわかりませんが、可能性はあります。
ビットコインの開発者も努力していますが、ドミナンス(BTCの支配力)も徐々に下がっているのも事実です。
CryptoCompare:Charles Hayter氏
ビットコインは、強力な通貨でコミュニティーも大きいです。
確かにイーサリアムのようなコインが、時価総額でビットコインを追い越すと予想する人もいるでしょう。
エコシステムや他の要素を考えると、確かに可能性はあります。
しかし、CryptoCompareとしてはそういった予想をするのではなく、現状を分析し、ユーザーに配信するのが我々の役目だと思っているので、公式なコメントをするつもりはありません。
Factom:Paul Snow氏
ビットコインの最大の競争相手は、やはりイーサリアムですかね。
ビットコインキャッシュがいつかビットコインを追い抜く、という声も耳にします。
業界自体が非常にダイナミックなので、ビットコインが追い抜かれる可能性は十分あり得るでしょう。
五分五分、といったところでしょうか。
ただ、ビットコインはアメリカの法定通貨(ドル)のように、仮想通貨における基軸通貨となっているのが現状です。
その証拠として、全ての取引所でビットコインを参照した価格表示が行われており、(この状況が続く限り)あと10〜20年はドミナンスを保てるのではないかと思います。
しかし私は、どの仮想通貨がトップにあるかは、それほど重要ではないと思っていて、それよりも「仮想通貨やブロックチェーン技術が、どのように社会を良くしていくか」の方が重要だと考えています。
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