はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

ビットコインは底打ちなのか?BTC価格・投資家感情の関連性とその分析結果

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨市場の分析手法の一つとして感情分析が注目される
スティーブンズ工業技術大学教授のチームの研究で、「より肯定的なソーシャルメディア上のコメントが投稿されている期間は、実際に、ビットコインの価格上昇に大きく影響している」といった内容が、経営情報システムジャーナル誌(Journal of Management Information Systems)に発表されています。
ツイッター投稿が分析対象に
ブロックチェーンと仮想通貨メディアのCoin Insiderに定期的に分析を発表している、Remy Stephens氏は、彼の選んだ135名のツイッター投稿の感情分析に基づき、現在のビットコインは、未だ、底値に達しているとは思えないと述べています。 

市場分析

底値で買って、天井で売る」は、投資で成功するためのゴールデンルールですが、実際に見極めるのは大変難しいというのが、大多数の投資家の実感ではないでしょうか。

特に、仮想通貨市場は、株式市場などに比べ、底値と天井の幅も大きく、変動の周期も短いので、成功すればそのリターンはとても大きなものになる魅力がある一方、相場の分析手法も開発途上の感が否めず、何を投資の指標にしたらいいのか、投資家にとっては悩ましい問題でもあります。

そのような中で、仮想通貨市場の分析手法の一つとして、関心を集めているのが、感情分析です。

注目を集め始める「感情分析」

アメリカのStevens Institute of Technology (スティーブンズ工業技術大学)ビジネススクールのFeng Mai教授は、他の三大学とチームを組み、330万のツイートと、34万4000に上る記事を分析し、ソーシャルメディアがどのようにビットコインの価値に与えるか、初めて統計的な検証を行いました。

研究チームは、世界でも人気の高い、公開されたビットコインフォーラム、Bitcointalkへの過去2年間にわたる投稿記事と、ビットコインに関する340万件を超えるツイートを含む、2ヶ月分のツイッターデータを、Pythonスクリプトを使用して、肯定的、否定的、その他に分けて収集し、分析しました。

VCEM という統計手法を用い、ビットコイン価格とそれに関する「おしゃべり」を比較し、さらに、より広範囲の経済効果を反映するため、S&P500株価指数、金の価格、恐怖指数などの指標の日々の価格の上下を考慮に入れました。

このチームが導き出した結論は、「より肯定的なソーシャルメディア上のコメントが投稿されている期間は、実際に、ビットコインの価格上昇に大きく影響している」というもので、経営情報システムジャーナル誌(Journal of Management Information Systems)に発表されています。

さらに、研究チームは、ツイッターの投稿者を、その投稿頻度によって、二つのグループに分け、頻繁に投稿を行なっているグループとそうでないグループのどちらが、ビットコイン価格に影響を与えるか検証したところ、大変興味深い結果が現れました。

頻繁に投稿しているグループに比べ、「声なき大多数」とも呼べる稀にしか投稿しないグループからのコメントが肯定的であった場合、ビットコインの価格を、他方の場合より、10倍以上動かしたという結果が出たのです。

これは、多くの投資家が、ツイッターの有名人のコメントには何かしらの意図が隠されているかもしれないことを、ある意味、警戒していることの表れかもしれません。

Feng Mai教授は、「長期間、まれに投稿するツイッターの有名人のコメントをフォローすることで、Bitcoinの価格予想をより正確に行うことができると言えるので、投資家や投資を考えている人々には、役に立つのではないでしょうか。」とコメントしています。

BTCはまだ底値ではない?

一方で、インフルエンサーと呼ばれる人々や著名な投資家、テクニカルアナリストのツイートの感情分析を行い、仮想通貨投資指標を発信しているデータジャーナリストもいます。 

ブロックチェーンと仮想通貨メディアのCoin Insiderに定期的に分析を発表している、Remy Stephens氏は、彼の選んだ135名のツイッター投稿の感情分析に基づき、現在のビットコインは、未だ、底値に達しているとは思えないと述べています。 

Stephens氏は、感情分析の手法は、底値の予測としては有効ではないものの、確認手段であると主張し、前出のFeng Mai教授チームが引き出した「ソーシャルメデイア上の感情はビットコイン価格の動きにリンクしている」という結論、は、彼のデータと照らし合わせても、正確だと言えると述べています。

Stephens氏によると、4月にビットコイン価格が好転した際には、全般において、圧倒的に肯定的な感情が見られたのに対し、現在は、そのような状態は見られないとしています。

また、ツイートの数も、市場の状態を表す指標で、市場が盛況な時は、その投稿数は多くなり、逆の場合は、数は減ることが判明してる中で、ここ数ヶ月で見ると、今は最もツイート数の低い期間であると述べています。

ビットコイン価格が反転するためには、今週よりも、もっと多くの確信(=肯定的なツイッターコメント)を見ることが必要だと、Stephens氏は分析しています。

ツイッター投稿が分析対象に

今では、感情分析の手法は、投資の分野に限らず、企業の事業展開戦略などにも積極的に取り入れる動きも見られ、ツイッターの投稿は多くの局面で分析対象になっているようです。

そのため、キーワードを入力することで、結果が可視化される分析用のツールなどは、一般公開されているものもあります。

また、Fear & Greed Indexと呼ばれる感情分析サイトなどもあり、一般の投資家が投資判断の一つとして、取り入れることも可能になってきています。

「投資は自己判断で」と繰り返し言われていますが、判断を助けるツールも増えているようです。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/09 火曜日
08:15
PLUMEとJUPITERがコインベースに新規上場、機関投資家向けアクセスも提供
米コインベースが12月9日にプルームとジュピターの現物取引を開始する。RWAトークン化のプルームとソラナ系DEXアグリゲーターのジュピターが新規上場し、機関投資家向けアクセスも利用可能になる。
07:55
SECがOndoへの捜査を訴追なしで終了、トークン化証券のハードルをクリア
トークン化プラットフォームのオンド・ファイナンスが、バイデン政権下で開始されたSECの捜査が訴追なしで終了したと発表した。トークン化証券が米国資本市場の中核となる時期が到来したと同社は期待。
07:15
仮想通貨投資商品、先週は1110億円超の資金が純流入
仮想通貨投資企業CoinSharesは、デジタル資産投資商品全体の先週の資金フローは約1,116億円の純流入だったと報告。ビットコイン、XRP、チェーンリンクの投資商品の需要が高かった。
07:02
ビットコイン担保をデリバティブ市場で使用、米CFTCがトークン化パイロットプログラムを開始
米CFTCがビットコイン、イーサリアム、USDCなどのデジタル資産をデリバティブ市場で担保として使用するパイロットプログラムを開始した。トークン化担保に関する新たなガイダンスも発行している。
06:25
ストラテジーが約1500億円でビットコイン押し目買い、7月以来の規模に
マイケル・セイラー率いるストラテジーが先週約10億ドルで10624BTCを追加購入した。7月以来の大口購入となった。
06:02
リップルの780億円資金調達、異例の年10%リターン保証で株式売却 投資家ヘッジに応じて=報道
ブルームバーグによると、リップルが11月に実施した5億ドルの株式売却で、投資家に3〜4年後に最低10%の年間リターン保証で未上場株式を売却する権利を提供していた。企業価値は400億ドルと評価されている。
05:35
ブラックロックもステーキング商品提供へ、イーサリアム現物ETFで
世界最大の資産運用会社ブラックロックがステーキング機能を備えたイーサリアムETFの登録届出書をSECに提出した。グレースケールやフィデリティなど他の発行体も仮想通貨ETFにステーキング機能を追加している。
12/08 月曜日
16:57
マクロン仏大統領、米仮想通貨規制緩和に警鐘 「金融不安定化のリスク」と指摘
フランスのマクロン大統領が米国のステーブルコイン規制緩和について警告を発し、金融不安定化のリスクを指摘。欧州中央銀行に金融政策の見直しを求め、欧州の金融主権維持を主張。ステーブルコイン市場は3000億ドル超に急拡大。
16:42
決済データDePINのSyFu、Finverseと提携しアジア5カ国のオープンバンキング展開へ
決済データ活用プロジェクトSyFuが、オープンバンキングプラットフォームFinverseと提携。香港、シンガポールなどアジア5カ国の約40金融機関と接続し、日常の支払いデータをトークンやNFTに変換できる仕組みを構築。欧州とアジアで世界規模のネットワークを確立。
14:58
トランプ大統領支援者所有の米Monet Bank、仮想通貨サービス事業に参入
トランプ大統領支援者アンディ・ビール氏所有のモネ銀行が仮想通貨特化型金融サービスに参入する。トランプ政権下での規制緩和により、エレボール銀行やN3XTなど仮想通貨対応銀行が相次いで誕生する中、資産60億ドルの小規模地域銀行がデジタル資産の保管・融資を提供開始する。
14:23
トランプ政権の国家安全保障戦略、仮想通貨に言及せず AI・量子技術を優先
トランプ政権が発表した最新の国家安全保障戦略で仮想通貨への言及がゼロ。AI・量子技術を重視する一方、「仮想通貨大統領」を公言してきた経緯との整合性をめぐり議論が起きている。
11:44
FOMC控え不安定な展開続くビットコイン、前週末は大口の協調売りか
暗号資産(仮想通貨)市場ではビットコインが一時9万ドル割れで3.4億ドル規模の大量清算発生。クジラによる協調売りの可能性が浮上し、週末の薄い板で2000ドルの乱高下が見られた。一方でマイナー降伏を示すハッシュリボン反転で底打ちサインも。FOMC利下げ観測と円キャリー巻き戻しが市場を揺さぶる。
11:30
ソラナDEX「ジュピター」の再担保に関する議論 「伝染リスクゼロ」主張を疑問視
仮想通貨ソラナ基盤のジュピターが「伝染リスクゼロ」と主張したことについて、競合Kaminoなどが再担保の実施を指摘し批判した。ソラナ財団プレジデントは両者に協力を呼びかけている。
09:11
フランスの大手銀行BPCE、仮想通貨4銘柄の取引サービス開始
フランスの大手銀行BPCEが約200万人の顧客向けに仮想通貨取引サービスを開始する。ビットコインなど4銘柄が銀行アプリで売買可能になる。
08:54
韓国、取引所に無過失損害賠償責任を導入へ アップビットのハッキング事件を受け
韓国金融当局が仮想通貨取引所に無過失損害賠償責任を導入へ。アップビットの445億ウォン不正アクセス事件を受け、2段階立法で規制強化。課徴金も売上高3%まで引き上げの方針。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧