- ビットコインマイニングの収益低下
- ビットコインのマイニングは今現在、2017年に比べて全体での売り上げは増しているにも関わらず、その収益性を低下させている。仮想通貨市場全体での価格下落や、ハッシュレートの大幅な上昇が原因とされている。
- 直近のハッシュレートの停滞
- こうした状況の中、9月の終わりにかけて、ハッシュレートの上昇に歯止めがかかってきている。10月8日にはさらに、9月25日のハッシュレートの最高値から、およそ15%も低下を見せている。
ビットコインマイニングの収益低下
ビットコインのマイニングは今現在、2017年に比べて全体での売り上げは増しているにも関わらず、その収益性を低下させている。
ハッシュレートの天文学的増加に伴い、マイナーはより多くの電力コストを強いられることになり、損益分岐点が高くなってきているのが現状だ。
Diarによれば、2018年のビットコインのマイニング全体での売り上げは2017年1年間の売り上げを超えており、2018年第3四半期の数字も加えると、今年は昨年の売り上げを14億ドル(約1583億円)上回ることになる。
今年の初めから9月にかけて、マイナーの利益はほぼ0に等しいといっても過言ではない状況だった。
2018年以降のビットコイン価格は60%以上も低下しており、その流動性も低くなっている。
こうした状況を見れば、マイニングの収益性が低下していると言うのもさほど驚く話ではないだろう。
第二の要因
他にも、マイニング収益の低下の一因として大きいものに、ハッシュレートの天井知らずの上昇が挙げられる。
今年の9月半ば、Ethereum World Newsが報じたところによれば、この時点でのビットコインのハッシュレートは、今年3月の倍増している。
FundstratのグローバルアドバイザーであるSam Doctor氏は、この報道の際、ビットコインのマイニングコストは7300ドル(約82万円)と推定していた。
同氏によれば、この数値は、今年5月以降1300ドル(約15万円)も増加した結果だという。
直近のハッシュレートの停滞
しかしこうした状況の中、9月の終わりにかけて、ハッシュレートの上昇に歯止めがかかってきている。
小規模なマイナーが撤退したことなどがその要因と考えられているが、10月8日にはさらに9月25日のハッシュレートの最高値から、およそ15%も低下を見せている。
クラウドマイニングのHashFlareはすでにビットコインマイニングからの撤退を発表しており、この決定によりサービスの収益は低下しており、Genesis Miningも同様に小規模なビットコインマイニングを終了している。
しかし、Genesis MiningではHashFlareとは異なり、顧客に対しプレミアムパッケージへのアップグレードを勧めているようだ。
こうした小規模な事業者が撤退している一方で、Bitmainはビットコインマイニングの独占を目指し続けており、いまだに1月あたり54,000BTCがマイニングで得られる状況とされている。
いずれにせよ、小規模なマイナーが多数撤退したことにより、大規模な事業者にとってはさらなる拡大の余地ができたことになるのは間違いないだろう。