はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

国税、仮想通貨ビットコインなどで総額100億円の申告漏れを指摘

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨取引で100億円の申告漏れ
国税局がビットコインなど仮想通貨取引所の取引データを元に税務調査を行なった結果、個人・法人合わせて80件、総額100億円の申告漏れを指摘した。悪質性が認められた場合、最大40%の重加算税が課されるほか、「脱税容疑」で告発される可能性がある。

仮想通貨取引で100億円の申告漏れ

朝日新聞デジタルの報道で、東京国税局の調査部門は、仮想通貨(暗号資産)取引で総額100億円の申告漏れを指摘したことがわかった。

国税局は2018年、都内の仮想通貨取引所から顧客の取引データの任意提出を受け、多額の売却益を上げた可能性の高い個人や法人をリストアップ。独自の情報を元に税務調査を行なった結果、総額約100億円の申告漏れが発覚した。指摘した80件の内、個人と法人の内訳は、およそ50人と30社になるという。

所得隠しと判断されたものについては「重加算税」を課すほか、悪質なものに関しては「脱税容疑」で告発も検討している。

確定申告が遅れたり、税務調査によって税金逃れが判明した場合には最大年利14.6%の「延滞税」がかかるほか、悪質性が認められた場合、最大40%の「重加算税」が課されることになる。

整備が不十分

サラリーマンの場合、仮想通貨取引で得た利益が「年間20万円」を超えると確定申告が必要になる。

新しい資産クラスであり、まだ発展途上にある「仮想通貨の納税」に関する仕組みは十分に整っていない。リスクヘッジのために、複数の仮想通貨取引所を開設して資金を分散管理している個人投資家も多く、膨大な取引内容に関する煩雑な手続きが必要になることで、申告漏れの件数につながるなど問題視されている。

国税庁など監督官庁の対応窓口には限りがあるほか、専門知識を持った税理士の数も不足しており、飛躍的に高まる需要に対して、適切に対応できる人材不足を露呈している現状もある。

なお、2018年に確定申告(2017年1月-12月分)した人の中で、公的年⾦等以外の雑所得に係る収⼊⾦額が1億円以上ある人の内、仮想通貨取引による収⼊があると判別できたのは331人(速報値)となっている。

出典:内閣府資料

税改正に向けた活動も

仮想通貨にかかる税率に関しては、2017年4月に施行された改正資金決済法によって、仮想通貨が物ではなく一般的な貨幣と同じような財産的価値を持つ”通貨”として事実上認められたことで、消費税(8%)が非課税となった。

しかし、仮想通貨のトレードで得た利益は、「雑所得」に区分され総合課税の対象となるため、一律10%の住民税を合わせた累進課税が適用される。サラリーマンであれば会社の給与所得など、ほかの収入と合算した額に応じて累進課税で税率が決まり、所得額に応じて「15~55%(最高税率)」が課税対象となってしまう。

所得(1年間で得た給与収入+仮想通貨収入から給与所得控除を差し引いたもの)が高いほど、税負担が重くなる計算だ。

「国税庁:速算表」(https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/2260.htm)

仮想通貨の税金を巡っては、そもそも現在の課税方式が妥当なのか、日本の将来を担う成長産業の妨げになりかねないといった指摘もある。

「税制の中立性」とは、公平性や簡素性と並んで租税に求められて然るべきものであり、税制を構築するうえでの基本原則とされている。つまり、国の政策による経済活動への租税の介入を抑止するため、利用者の消費選好に歪みをもたらすことを防ぐためのものだ。

現状では、税制面で大幅に優遇されている株式投資やFX投資が奨励されていると捉えられかねず、「税制の中立性」が保たれているとは言い難い。

この点について国会で追及する藤巻議員は、仮想通貨の税制問題に関して、株だったら「青色申告」で3年間繰り越せるなどと言及しており、FXとか株式投資は分離課税で、なぜ仮想通貨だけ総合課税なのかという問題もあり、税の中立性や公平感の観点に欠けていると指摘。

特に以下の4点について強調している。

  • 最高税率55%の総合課税から、20%の分離課税へ
  • 損失の繰越控除を可能に
  • 仮想通貨間の売買を非課税に
  • 少額決済を非課税に

詳しくは、以下の記事で解説している。

CoinPostの関連記事

仮想通貨に関する「日本の課税制度」4つの問題点|ビットコイン高騰を受け、関心高まる
藤巻健史議員が発足した「仮想通貨の税制を変える会」の活動と現行の課税制度の問題点についてファイナンシャルフィールドが報じ、Yahoo! JAPANに掲載された。ビットコインなど仮想通貨市場の高騰や、JR東日本のSuicaの導入検討でも関心が高まっている。
『なぜ、仮想通貨の税制を改正すべきなのか』藤巻健史議員インタビュー(前編)
仮想通貨の税制改正問題など、国会の場で問題提起されている参議院議員の藤巻健史先生に、CoinPostで独占インタビューを実施。ビットコインなど現在の仮想通貨業界に関する見解を伺った。
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
11/25 火曜日
13:54
「プレミアムで取引されるデジタル資産トレジャリー企業は少数に」ビットワイズ見解
ビットワイズCIOがビットコインなどを保有するDAT企業の今後を分析した。プレミアムを維持できるのは一部のみで、多くはディスカウント価格で取引されると予想している。
12:13
中国、ビットコインマイニング世界3位に復活か シェアの14%を占める=ロイター
ロイター通信によると、中国のビットコインマイニングシェアが2021年の全面禁止後に約14%まで回復し、世界第3位に返り咲いた。新疆や四川で余剰電力を活用した地下採掘活動が活発化。
12:01
JPモルガン、仮想通貨企業CEOの口座閉鎖か 「チョークポイント2.0」と波紋を呼ぶ
ビットコイン決済アプリStrikeのCEOがJPモルガンの口座を閉鎖されたと訴えている。仮想通貨業界への銀行サービス拒否が続いている可能性が浮上し波紋を呼んでいる。
11:44
グレイスケール、XRP・ドージコインETFを上場開始 管理手数料は初期免除
グレイスケールがXRP・ドージコイン現物ETFを11月24日にNYSE Arcaで上場開始。管理手数料0.35%、初回3カ月間または10億ドル到達まで無料。米国初の純粋なドージコイン現物ETFとして、キャナリー・キャピタル、ビットワイズに続く市場参入。アルトコインETF市場が急拡大中。
11:35
米ビットコイン現物ETF、4週連続で資金が純流出
米上場の仮想通貨ビットコインの現物ETFは、先週の資金フローが約1,914億円の純流出だった。これで週次としては4週間連続で純流出となったが、ポジティブな見方も上がっている。
06:50
金融庁、仮想通貨交換業者の責任準備金積立を義務化へ
金融庁は仮想通貨交換業者に対し、不正流出などの事案に備えて責任準備金の積み立てを義務付けることがわかった。金商法適用の議論が進む中、投資家保護を強化する。
11/24 月曜日
17:50
ブラックロック、ビットコイン投資の本質は「デジタルゴールド」 機関投資家が重視する“真の価値”とは?
世界最大の資産運用会社ブラックロックのデジタル資産部門責任者が、機関投資家がビットコインに投資する理由を解説した。「デジタルゴールド」としての価値保存機能が重視される一方、決済手段としての利用は依然投機的との見方を示した。
11:47
ソラナのインフレ率を下げる改善提案 今後6年で2,230万SOLの発行量削減見込む
仮想通貨ソラナのコミュニティがインフレ減少率を引き上げる改善提案を公開した。目標インフレ率への到達が6年から3年に短縮する見込みだ。
10:25
「仮想通貨市場の弱体化、背景にマーケットメーカーの機能不全」トム・リーが指摘
ビットマイン会長が仮想通貨市場の下落が続いている要因を分析した。10月10日の清算イベントがマーケットメーカーを機能不全にしていると見解を示している。
11/23 日曜日
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、ヴィタリック紹介のイーサリアム新ツールやXRPのステーキング導入案など
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナなど主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
11:30
ビットコイン売られ過ぎでも反転せず、12月FOMCの据え置きが現実味を増す|bitbankアナリスト寄稿
今週のBTC対円相場は1400万円割れまで下落。ヌビディア好決算後も1400万円割れが続き、米雇用統計の強弱まちまちな内容が見通し悪化を助長。12月FOMCでの金利据え置き観測が強まる。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|金融庁の暗号資産規制方針に高い関心
今週は、金融庁の仮想通貨規制方針、ビットコイン採掘割合の95%到達、ビットコインとイーサリアムの市況分析に関する記事が関心を集めた。
11/22 土曜日
13:45
ANAPホールディングス、企業向けビットコイン戦略支援「ビットコイン道場」を開始
ANAPホールディングスが企業のビットコイン活用を支援する継続型プログラム「ANAPビットコイン道場」の提供を開始した。会計や税務などの実務を専門家が包括的にサポートし、参加企業がコミュニティ形式で課題解決に取り組む仕組みを提供する。
13:02
コンヴァノがビットコイン戦略から本業回帰、AI・ヘルスケア事業に注力へ
コンヴァノが仮想通貨ビットコインを最大約2万BTC取得する計画を取り下げ、成長中の事業へ軸足を移す。業績予想を上方修正しており本業成長を重視する戦略転換となる。
10:55
米当局がビットメイン製品を国家安全保障リスクで調査、トランプ関連企業も1万6000台使用
米国土安全保障省が中国メーカーのビットメインを調査し、機器がスパイ活動や電力網破壊に使用される可能性を指摘。トランプ大統領の息子たちの会社アメリカン・ビットコインも1万6000台を購入した。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧