- 大手取引所BitMEX 本格的KYC開始か
- 大手仮想通貨デリバティブ取引所BitMEXが顧客認証(KYC)のプロセスを世界的に導入する可能性が浮上した。税金などの関係から、KYC導入による出来高や資金引き出しの影響も警戒される。
大手取引所BitMEX 本格的KYC開始か
最大100倍レバレッジを提供する大手仮想通貨デリバティブ取引所BitMEXが、顧客認証(KYC)のプロセスを世界的に導入する可能性が浮上した。BitMEXユーザーの一人がユーザー認証登録に係る画面に関するスクリーンショットを投稿した。
今回、英国地域に該当するユーザーに対して、新たにKYCプロセスを求める画面が表示され、パスポート・IDカード・運転免許書等を求める項目が確認された。日本では現時点でKYCが必要なく、パスポートなどを紐づけることなく取引が可能な状況にある。
As expected looks like #bitmex could be gearing up to roll out #KYC across the exchange
— Cryptoboy™️ (@Crypto_Boy1) October 8, 2019
Be interesting to see this roll out something I have expected to happen this year now for some time
Credit to @cyrii_MM for the picture https://t.co/r3QlXURfV6 pic.twitter.com/HYAMfVaGTg
BitMEXはこれまでにも本格的なKYCを導入する発表を行なっており、米CFTCなどもBitMEXの運営体制への調査を開始したことで厳格な管理・報告体制に移行するとの見方が強まっていた。
当時、KYC厳格化の可能性を報じたニュースを受け、BitMEXから資金が大量流出、出来高が顕著に減少した。TokenAnalystが公開しているデータによると、7月の純資金引き出し額が5.25億ドル(約558億円)に上り、過去最大の引き出し量を記録していた。
BitMEXはセーシェル共和国の地域で事業登録を行なっているが、実サービスの提供は日本を含めたグローバル地域に該当し、米国や欧州、アジアに多くの顧客を抱えている。
8月19日には、香港、セシェール共和国、バミューダ島でのアクセスを閉鎖しサービスの提供を終了するなど、各国の規制当局などからの要請も行われている可能性も指摘される。
現時点で英国地域に限定した新たな動きではあるが、各国へのKYC準拠が一般化した場合、世界で最も出来高の多いBitMEXの出来高や顧客動向にどのような変化が見られるか、市場における重要トピックとなりそうだ。