- Bitfinexらは財務書類を提出不要
- テザー裁判の最新動向で、重要な二つの進展が見られた。ニューヨーク裁判所の判事が、Bitfinexらが財務書類を提出する必要がないとの判断を改めて下したほか、「テザー社がBitfinexに資金を貸すことを禁止する」とした要求を承認した。
Bitfinexらは財務書類を提出不要
テザー裁判の最新動向で、重要な二つの進展が見られた。
ニューヨーク裁判所の判事は、Bitfinexらが8.5億ドル隠蔽疑惑に関する財務書類を提出する必要がないとの判断を改めて下したことがわかった。
判事は、司法当局NYAGが捜査に必要として提出を求めていた申立てを却下。「司法当局の改めた書類提示の要求は、前回の控訴裁判所の臨時判断とは不一致であるため、却下する。」と述べた。
一方、財務書類提示とは別の申立てとなる「テザー社がBitfinexに資金を貸すことを禁止する」とした要求を承認。この申立てに対して、Bitfinexらは先日の書類では反対の意を示さなかったことがわかった。
この判断に伴い、テザー社の資金貸し出しにかかる制限は、控訴裁判所の最終判断まで有効となる。この条件で、テザーのUSDT発行や、Bitfinexの運営にどのような影響が及ぶかは現時点では判明できない。
経緯のおさらい
- 4/25:NYAGがBitfinexに対し、USDT準備金の不正利用として、NY州における営業の停止を求める
- Bitfinexは、この指摘を全面否定
- 5/3:NYAGがBitfinexに対し、財務書類の開示要求
- 最高裁がテザー社とBitfinexに対し一時的な準備金の移動禁止を発令
- 5/16:証拠不十分として、最高裁がその禁止を一部解除; Bitfinexが告訴の取り消しを求める
- 5/18:Bitfinexがアクセス不可能となった資金を補うため、LEOトークンのセールを行い、約1100億円を調達成功
- 6/2:Bitfinexがテザー社に対し、1億ドルを返済した
- 7/8:NYAGは、Bitfinexとテザーが2015年よりNY住民に提供をしていたとして、最高裁にその管轄権を主張する摘要書(Memorandum of Law)を提出
- 7/22:BitfinexがNYAGの主張(摘要書)に対するリスポンス(書面上の返答)を行う
- 7/29:最高裁が、Bitfinexの告訴取り消しの動議を審議する聴取を実施
- 8/20:裁判所がNYAGの管轄権を認める。資金の不正利用疑惑に関する書類開示が必要に
- 8/20:Bitfinex側が、米ニューヨーク最高裁(=第一審裁判所)の撤回を求め上訴(書類提出)
- 9/24:Bitfinex側が上訴。書類を引き渡す必要がないと判断
- 10/3:NYAGは再び、資金不正利用に関連する有効な書類を作成うよう申し立てる
- 10/8:Bitfinex社らは、USDTの発行で仮想通貨の相場を操縦していたとして集団訴訟を起こされる
- 10/9:新たなレターを提出、NYAGが要求する書類作成を拒否
- 10/11:裁判所は、Bitfinexらが財務書類を提出不要と判断
参考:NY廷