年金用の仮想通貨を貸付
仮想通貨で年金積立ができる米国の個人年金制度(IRA)を提供する米Bitcoin IRAが、顧客が口座で保有する仮想通貨と現金から利子を得られるようにするため、Genesis Capitalとパートナーシップを締結した。
21日の発表によるとBitcoin IRAの顧客は、仮想通貨の貸付サービスを行うGenesis Capitalを介し、自身の資産を貸し出しできるようになる。本サービスは11月に開始する予定で、ローンチ時はビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、ライトコイン(LTC)、匿名仮想通貨Zcash(ZEC)が対象だ。
Bitcoin IRAは本サービスについて「貸付に対する利子は毎月支払われ、顧客の年金積立用口座に直接入金される」と説明している。
利率や上記以外の詳細はまだ発表されていないが、Bitcoin IRAの共同設立者でCOOを務めるChris Kline氏が本サービスについて、「顧客に支払われる利子で、取引手数料やカストディサービスの手数料の相殺ができる。無料で口座が作れて、手数料の帳消しが可能なサービスだ」と説明した。
2015年に設立されたBitcoin IRAでは、仮想通貨の購入もできる年金積立用の口座を開設することが可能だ。今まで4000超の顧客が契約し、2016年以降、3億5000万ドル(約380億円)を超える取引が行われてきたという。
最近Bitcoin IRAは、顧客主導型の仮想通貨年金サービスを提供するため、仮想通貨カストディサービス大手の米BitGoと提携した。この両社はカストディサービス企業Kingdom Trustの顧客を奪ったとして係争中だったが、先週、連邦裁判所が管轄権の欠如を理由に訴訟を却下している。
Digital Currency Groupに属するGenesis Capitalは、機関投資家向けの貸付サービスに重点を置き、第2四半期に新記録を打ち立てた。仮想通貨と現金で7億4600万ドル(約810万円)の貸付が行われ、サービス開始からの合計が23億ドル(約2500億円)に達したと発表している。