初のCEO就任か
リブラ協会は6日、HSBCで最高法務責任者(CLO)を務めるStuart Leveyを最高経営責任者(CEO)に指名したことを発表した。
同協会でCEOが指名されるのは初とみられる。銀行、規制政策、国家安全保障問題に加え、公共部門と民間部門における豊富なキャリアを持つ同氏は、元大統領のブッシュ・オバマ政権下で財務省のテロ・金融情報局の初代次官を務めた経験を持つ。今後、現職のHSBCの要職から降り、夏にはリブラ協会に参加する見込みだ。
協会の説明によると、Levey氏はプロジェクトの全体的な戦略を推進、イノベーションと規制のすり合わせを行っていくことが求められる。
今回の発表にあたり、Levey氏は以下のようにコメントした。
テクノロジーは、不法な金融活動を見つけ、抑止するためのしっかりとした管理のもとで、私たちに個人や企業のお金のやり取りを簡単にし、金融システムの傍流に取り残された、世界中の10億以上の人々に力を与える機会をもたらす。
米著名VC、Andreessen Horowitzの共同出資者で協会のメンバーでもあるKatie Haunは、「(Levey氏の政府、民間双方での)ユニークな経験が銀行、金融、規制、国家の安全保障についての知識を協会にもたらしてくれるだろう」とコメントを寄せている。
スイス・ジュネーブに本拠を置き、世界中の多様な企業と非営利組織で構成されリブラ協会は今年4月、リブラ発行に向けた新たな計画を公表した。重要なマイルストーンとして、FINMAの決済システムにおけるライセンスのプロセスを正式に開始している。
リブラは、各国の金融当局の風当たりの強さから方針転換を図っており、従来より各国の規制状況に寄り添った計画となっている。民間・行政両方で豊富な経験を持つレビー氏を採用することで、規制当局と足並みをそろえていくという協会の姿勢が改めて示された。
参考:libra