中国大手銀行がOTC口座凍結について回答
中国で仮想通貨OTCトレーダーの銀行口座が凍結される事例が発生している件について、大手銀行やAlipayが合法的な口座は凍結しないと回答したことが分かった。
中国政府はマネーロンダリングや不正防止の取り組みを強化しており、警察は仮想通貨を用いた大規模な資金洗浄事件をいくつか摘発した。
この流れの一環で、警察は資金洗浄に使われた人民元を追跡、資金が流れた銀行口座を停止していた。
関連:中国で仮想通貨トレーダーの銀行口座凍結事例 資金洗浄捜査が影響か
広東省の警察は、店頭取引(OTC)による仮想通貨の買い手と売り手の銀行口座を凍結、現地メディアによると6月4日以降、約4000の銀行口座が凍結された。
警察当局は、テザー(USDT)が違法行為で頻繁に使用されていると主張。当局は、仮想通貨を追跡するために、ブロックチェーンやオンチェーン分析について学習中だという。
しかし、マネーロンダリングに使われた資金が流れ込んだことは、口座持ち主が違法行為に関わったことを意味するわけではない。口座の凍結措置されたアカウントは多くが事件に一方的に巻き込まれたもので、ユーザーの間に動揺が広がっていた。
取材
これらの影響を調査した現地メディア「チャイナタイムズ」の記者が、銀行やAllipayに取材を行ったところ、中国商人銀行、中国銀行、中国農業銀行、中国建設銀行、中国工商銀行といった大手銀行は、すべて次のように回答したという。
操作・経路が合法であり、仮想通貨ソースも合法で、Webページが銀行カードサービスをサポートしており、マネーロンダリングや詐欺その他の違法性がない場合、銀行はユーザーの資金を積極的に凍結することはない。
また記者はAlipayの担当者からも同様の回答を得た。
Alipayの決済ページが表示されており、合法な操作である限り、資金やアカウント凍結などの問題は発生しない。
とはいえ関連業界では、ユーザーには相変わらず「住宅ローンや自動車ローン、賃金など、重要な用途を持つ銀行カードは仮想通貨購入に使用しない」ことが推奨されている。
仮想通貨は合法的な財産と認められている
2017年9月に中国人民銀行が仮想通貨取引所を閉鎖して以来、中国の人々はピアツーピアOTC取引を使用して仮想通貨と人民元を交換している状況である。
中でも米ドルとペッグされたステーブルコインであるテザー(USDT)の取引は活発である。中国では個人の外貨両替額に年間5万ドルの上限が設定されており、この規制を回避するためにテザーが利用されているともいわれる。
中国での仮想通貨取引は、このようにグレーゾーンであるが保有自体は認められている。
上海の裁判所で、ビットコインは法律で保護された資産であるとされた。またイーサリアムについても、深センの裁判所で、ETHは経済的価値のある法的財産であるとの裁定がなされている。
また、5月末には全国人民代表大会で「民法典」が可決。財産の相続についても規定されたが、中国人民大学のリーシン・ヤン教授によると、仮想通貨の相続も民法で保護されることになるという。