英FCA(金融行動監視機構)が、正式に個人投資家に対するすべての仮想通貨デリバティブ商品の販売を禁止したことがわかった。禁止の方針を伝えてから1年以上が経過している中、公式文書で販売禁止を伝えた。
FCAは、仮想通貨の極端に高いボラティリティ(価格変動)を理由に、個人向けの商品としては適していないと指摘している。
具体的な禁止の理由としては、多発するハッキング事件や、一般投資家の理解度、仮想通貨の価値の根拠などが挙げられた。
FCAのSheldon Mills氏は、「今回の禁止措置は、一般投資家にとって、これらの投資商品の潜在的な問題を踏まえた上の対応で、投資家保護を最優先に考えた結果だ」と伝えた。
高リスクの金融商品取り締まりを強化していたFCAが、個人投資家向けの仮想通貨デリバティブの販売禁止を提案したのは、2019年7月3日。仮想通貨のバリュエーションに信頼できる基準がなく、システムの悪用や金融犯罪の横行を問題視しているとして、個人投資家にはリスクが高い商品であると指摘していた。
FCAは、リテール取引を禁止することで、年間5300万〜6800万ポンドの損失を防ぐことができるとの試算を発表している。