暗号資産カストディを正式発表
英スタンダードチャータード銀行のイノベーション・ベンチャー部門であるSC Venturesと、大手資産運用会社のノーザントラストは、機関投資家向けの暗号資産(仮想通貨)カストディソリューションを提供することを発表した。
サービス名はZodia Custodyで、金融行動監視機構(FCA)の認可等を経てロンドンにて2021年よりサービスを開始するとしている。
カストディサービスとは、暗号資産の保管代行サービスを指し、自分で暗号資産を管理する際に発生する秘密鍵紛失やセルフGOX(誤ったアドレスに送金)など、大金を運用する機関投資家にとって許容できないリスクを回避する手段として主に利用される。近年、機関投資家の暗号資産(仮想通貨)への参入と共にその需要は高まりを見せている。
カストディサービスでサポートする資産は規制に準拠することになるものの、ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、XRP、ライトコイン(LTC)、ビットコインキャッシュ(BCH)の5つとされている。
サービスを発表するプレスリリースは、スタンダード・チャータード銀が機関投資家向けに暗号資産(仮想通貨)取引サービスの提供を検討しているとの報道が報じられたのち、正式に出された。ノーザントラストが提携するとの情報はこの報道時点では未出だった。
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ノーザントラストは、米国で設立され、世界に23拠点を持つ資産運用会社。ホームページによると、2020年6月時点での資産運用残高は136兆円に上るとしている。
金融機関としてのノウハウを活かす
ZodiaCEOのMaxime De Guillebon氏は、プレスリリースで「真にカストディというものを把握している暗号資産カストディアン(カストディ業者)に対する需要」に答えるためZodiaが設立されたと説明した。
私たちは、規制を受けた金融機関のリスクマネジメントとコンプライアンス、ガバナンス、セキュリティ手法を、鍵を管理する技術や暗号資産の先端イノベーションと組み合わせます。
また、ノーザントラストのPete Cherecwich氏は、「この存在感を増しつつある革新的な金融商品への関心がますます高まる中で、Zodiaの頑健な能力が、機関投資家の資産オーナーやファミリーオフィス、アセットマネージャーが幅広い仮想通貨へ投資することを可能にする。」としている。
参考:Businesswire