はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

オンラインゲームに活路見出すライトニングネットワーク、ビットコイン決済普及の突破口なるか

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ゲーム分野で活用進むライトニングネットワーク

暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)の送金速度の向上や少額決済対応を実現する、セカンドレイヤーソリューション、ライトニングネットワークのオンラインゲーム分野での活用が進んでいる模様だ。

ライトニングネットワークはビットコインのスケーリング問題を解消するために開発された「レイヤー2」プロトコル。仮想通貨のマイクロペイメント(少額決済)に特化している。

ライトニングネットワークの運用ノード数は20年8月から約480%増加して、先月時点では9167を記録した。またライトニングネットワークではノード運用者のみがチャンネル毎の本当の取引量を見ることができないため、実際の取引量は不透明な点が多いが、ネットワーク上でロックされたビットコイン額は21年2月時点では1,095BTC(約70億円)だった。

大手仮想通貨取引所OKExが発表したライトニングネットワークの現状調査レポートでは、インターネットがビデオゲームを大きく変革したように、ライトニングネットワークが、数十億ドル規模と言われるオンラインゲームやeスポーツ市場に、同等の変革をもたらそうとしていると指摘した。

特筆すべきは、ライトニングネットワークを利用することにより、ゲームアプリ内で通用するトークンを、高い流動性を持ち、実社会で取引されるビットコインに置き換えることを可能にしたことだ。ライトニングネットワークのゲーム開発を行う「Satoshi’s Games」の最高運営責任者、Carlos Borlado氏は、一見些細なことのように思われるこの変化こそ、パラダイムシフトを意味すると述べた。

ライトニングネットワークを利用した決済をサポートするゲームは増加している。

例えば、THNDR社が開発する「Bitcoin Bounce」は無料でプレイできる、シンプルなスクロールアクションゲームだが、ゲーマーは、毎日、最低10サトシ(ビットコインの最小単位、1BTC=1億サトシ)から最高1万サトシが当たる抽選に応募できるチケットが得られる。このような極端な少額決済が、わずかな手数料で瞬時に行えるのも、ライトニングネットワークを利用しているためだ。

Bitcoin Bounceは、今年1月の時点で10万ダウンロードを達成したという。THNDR社のJack Everitt氏は、ビットコインに馴染みのないゲーマーでも、ゲームを通じてビットコインを獲得することができるため、「ビットコイン普及の波はライトニングネットワークを通じて起きるだろう」と主張した。

ビットコインで報酬が支払われるeスポーツ

オンラインで対戦するeスポーツの世界でも、ライトニングネットワークが組み込まれたゲームが登場し、プレイヤーへのポイントの支払いに、ゲーム内のトークンではなく、ビットコインが提供され始めている。

実際にゲームからビットコインの引き出しを可能にしているのが、ZEBEDEE社が開発した「Infuse」だ。Infuseはライトニングネットワークを利用して、プレイヤーへの支払いを瞬時に行う決済用プラグイン。

ZEBEDEE社は、一からゲームを構築するのではなく、同時プレイヤー数100万人超を擁するオンラインゲーム「Counter-Strike: Global Offensive」にライトニングネットワークを導入した形をとっている。ユーザーはInfuseアプリをダウンロード後、Steamアカウントに接続。Infuseサーバーを選択することで、賞金にビットコインの支払いを受けることが可能になる。Infuseとライトニングゲームに特化したウォレットを使用する。

また、Infuseプラグインは、他のゲームにも導入できるため、ZEBEDEE社は人気ゲームのBattlefieldやCall of Duty、Dota 2、Minecraft、Rust、Team Fortress 2など、追加して欲しいタイトルのユーザー投票を行なっている。

また、ライトニングネットワークを搭載したeスポーツトーナメント、MintGoxもライトニングネットワークの普及に貢献している模様だ。MintGoxは、ZEBEDEEをはじめ、Mandel Studios、Donner Labsが参加しており、毎月開催されるイベント。もちろん賞金の支払いはビットコインで昨年12月のトーナメント賞金は0.1BTCだったという。初回は100人の視聴者、1000件に満たなかったトランザクションも、今では、6000人の視聴者と1万5000件のトランザクションがあるまで成長している。

ライトニングゲームの課題

一方、ビットコインを報酬として支払うことに関しては、課題もあるという。アプリ販売のApp StoreやGoogle Playのルールにより、現金やギフトカードのように、リアルな社会で通用する賞金については、制限が課せられる。また、ゲームで不正行為が発生する可能性も高くなることが懸念される。

しかし、ゲーム業界で分散型の少額決済システムの強力なユースケースが確立され始めていることは、ビットコインが普及するための一助となると考えられる。

Borlado氏は「2021年は、ビットコインゲームとライトニングがここ数年よりもはるかに注目を集めることになる」と希望をのぞかせた。

ゲーム以外の進展

オンラインゲーム以外でも、ライトニングネットワークの利用の輪が広がっている。2026年までに100兆円を超える規模になると予測されている世界の送金市場におけるユースケースだ。

米シカゴに拠点を置く、ライトニングネットワークのスタートアップ、Zapの決済アプリ「Strike」は、米ドルのみの対応から、ユーロ、英ポンド、スイスフランに対するサポートを開始した。さらに仮想通貨取引所Bittrex Globalとの提携で、オーストラリアドルとカナダドルへも対応する予定だという。

Strikeユーザーは、法定通貨で送金や支払いを行うが、ライトニングネットワーク技術で銀行口座から即時に引き落とされ、ビットコインに変換される。着金側も対応した法定通貨で受け取れるため、ユーザーがビットコインの使用を意識することはほとんどないという。

Strikeが対応する通貨を増やしていくにつれ、ライトニングネットワークの普及がグローバルレベルで促進されると考えられる。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
08/19 火曜日
05:50
ビットマイン、ストラテジーに次ぐ最大の仮想通貨保有企業に
ナスダック上場のビットマインが66億ドル相当のイーサリアム保有を発表し、マイケル・セイラー氏のストラテジーに次ぐ世界第2位のデジタル資産保有(DAT)企業となった。
05:30
米上場BTCS、世界初のイーサリアム配当を発表
ナスダック上場のブロックチェーン企業BTCSが18日、世界初のイーサリアム配当「ビビデンド(Bividend,)」を発表。1株当たり0.05ドルのETH配当と0.35ドルのロイヤルティ支払いで計0.4ドル相当を株主に提供。
08/18 月曜日
17:00
Tezos ecosystem at WebX 2025:RWA最新動向から日本限定グッズ、体験型コンテンツまで一挙公開
テゾス(Tezos)は、ハードフォークなしでアップグレードできる独自の仕組みを持つブロックチェーンプラットフォームです。2014年にArthur Breitman氏とKathl…
15:50
NewLo、リワードプログラム上のポイントを暗号資産に交換できる新機能をリリース
Web3マーケティング企業のNewLoは8月18日、「NewLo Quest」でポイントを暗号資産ETHに交換できる機能を開始。企業向けサービスも展開し、既存ポイントプログラムのブロックチェーン拡張を支援。
14:27
スイス大手スーパー「SPAR」、全国100店舗で仮想通貨決済開始 
スイスの大手スーパーマーケットチェーン「SPAR」が全国100店舗で仮想通貨決済を開始した。Binance PayとDFX.swissとの提携により、100種類以上の仮想通貨とステーブルコインでの支払いが可能になる。
13:30
加藤財務大臣・金融担当大臣の「基調講演」が決定|WebX2025
加藤財務大臣・金融担当大臣が登壇決定 国内最大手のWeb3メディア「CoinPost」の運営会社、株式会社CoinPost(本社:東京千代田区、代表取締役CEO:各務貴仁)が企…
12:28
イーサリアム RWAトークン化のリスクとは?有識者が指摘する課題と対策
ニューヨーク大学教授が、仮想通貨イーサリアムにおける資産トークン化が普及する上での課題を指摘した。大規模採用前に解決すべき問題を提示している。
12:11
メタプラネット、137億円でビットコインを追加購入 
メタプラネットは137億円で仮想通貨ビットコイン 775BTCを追加購入し、累計18,888BTCを保有。通算取得額は2,840億円超に到達し、戦略的なBTC投資を継続している。
11:59
ビットコインETF好調も個人投資家は利益確定売り先行、ジャクソンホール会議控える中
仮想通貨市場ではビットコインETFやイーサリアムETFに過去最高水準の資金流入が続く中、BTC価格は調整中。ジャクソンホール会議でパウエルFRB議長の利下げ示唆に期待が高まる一方、機関投資家の買いと個人の利益確定売りが交錯している。
09:56
タイ政府、外国人観光客に仮想通貨決済システム「TouristDigiPay」を提供開始
タイ政府が外国人観光客向けに仮想通貨をバーツに交換して決済できる新システムを導入する。マネロン対策などで安全性を確保しつつ、観光業活性化を目指す。
08/17 日曜日
19:37
金融庁、日本円建てステーブルコイン「JPYC」承認へ=日本経済新聞
金融庁が国内初の円建てステーブルコイン「JPYC」を承認へ。今秋にも発行開始予定で、3年間で1兆円分の発行を目標とする。JPYC代表の岡部氏は「ステーブルコインは巨大な国債消化装置」とコメントし、日本国債市場への影響を予測。国際送金やDeFi活用に期待が集まる
14:00
今週の主要材料まとめ、ビットコイン6年以内1000万ドル到達の可能性やリップル訴訟終了発表など
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナといった主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
12:00
ステーキング 主要取引所の仮想通貨別・年率報酬を徹底比較
【2025年7月最新】国内主要取引所のステーキング対応銘柄と年率を一覧比較。イーサリアムやソラナなど人気コインの高利率サービスを紹介し、各取引所のメリット・デメリットや税金のポイントも解説します。
11:30
ビットコイン1750万円台で方向感欠く、ジャクソンホール会議が転換点に|bitbankアナリスト寄稿
ビットコイン(BTC)対円相場が1750万円周辺で方向感を欠く展開。米CPI下振れで利下げ期待が高まるも、PPI上振れで大幅利下げ観測が後退。来週のジャクソンホール会議とパウエルFRB議長発言が相場の鍵を握る。テクニカルサポートも豊富な現在の市況を詳しく分析。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|メタプラネットの大幅増益に高い関心
今週は、メタプラネットの決算発表、バリュークリエーションのビットコイン全売却、スコット・ベッセント米財務長官のビットコイン準備金に関する投稿のニュースが最も関心を集めた。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧