プロフィール画像にBAYC
テスラ創業者のイーロン・マスク氏は4日、自身のツイッターアカウントのプロフィール写真を人気NFT(非代替性トークン)コレクション「Bored Ape Yacht Club(BAYC)」の画像に変更した。
しかし、後にこの画像は自身が所有するNFTではなくコラージュであることが発覚したほか、その後同氏がNFTに批判的なコメントを投稿したため、関連する資産価格が上下に揺さぶられる事態となった。
@elonmusk as much I admire your work I’d like you to remove your pfp that I created for our Sotheby’s sale. Or you credit me 😂. Happy to send you the original file minted with the buyer approval 🫡 pic.twitter.com/e83ZyxWGH5
— Michael Bouhanna (@michaelbouhanna) May 4, 2022
BAYCエコシステム内でガバナンストークンとして使用されるApeCoin(APE)は、4日19時(日本時間)付近に1,850円前後から2,270円まで約20%上昇。大手NFTマーケットプレイスOpenseaでは、BAYCのフロアプライス(市場最安値)が110ETHから120ETH(約4,550万円)へ推移した。
関連:物議を醸す、イーロン・マスクの仮想通貨関連ツイートまとめ
マスク氏がプロフィールに使用した画像は、「サザビーズ」で昨年開催されたオークションで30億円で落札された「101 Bored Ape Yacht Club」という作品。しかし、マスク氏は本作品の正式なオーナーではなく、Google検索等でダウンロードした画像を流用したと見られている。
この騒動で、サザビーズのデジタルアート責任者はマスク氏に対してプロフィール画像を削除するよう要請した。
その後マスク氏は、NFTの画像が簡単に複製(コピー)できるのにもかかわらず高値で取引されていることを揶揄して、「理解できない、ファンジブル(代替可能)じゃないか」とツイートした。
I dunno … seems kinda fungible
— Elon Musk (@elonmusk) May 4, 2022
注目を集めるマスク氏の動向
マスク氏は過去にもNFTのブームについて否定的な態度を示してきた。昨年12月には、仮想通貨やNFTを含む次世代インターネットであるWeb3について、「リアリティーのないマーケティング上のバズワード」と批判。22年1月にツイッター社が、NFTアートをプロフィール画像に設定できる機能を提供すると、マスク氏は「くだらない機能と指摘した。
他方でマスク氏は、ビットコイン(BTC)やドージコイン(DOGE)についてもポジティブ、あるいはネガティブなツイートを複数回投稿しており、価格に大きな影響を及ぼすなどして暗号資産(仮想通貨)領域でも大きな注目を集めてきた。以前にはツイッターのサブスクリプションサービス「Twitter Blue」の支払い手段としてドージコインを認めるべきと投稿したこともある。
マスク氏が最高経営責任者(CEO)を務める米電気自動車大手テスラ社は21年2月、総額約1,700億円(15億ドル)のビットコインを会社の資産として初めて購入。21年にビットコインの売買から約31億円(2,700万ドル)の純益を得たほか、21年12月31日時点のビットコイン保有額は約2,300億円(19億9,000万ドル)と報告されていた。
関連:米テスラ、ビットコイン初購入から一年 保有状況・損益は?