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ビットコインやイーサリアムなど仮想通貨暴落、600億円相当の大規模ロスカット

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マクロ経済と金融市場

前週末2日の米NY株式市場は、ダウ平均株価は前日比610.7ドル(1.51%)安の39,737ドル、ナスダック指数は417.9ポイント(2.4%)安の16,776で取引を終えた。

前週末に発表された7月の米雇用統計で市場予想を下回る結果になったことを受け、リセッション(景気後退)への警戒感が強まっていることが背景にある。ウォーレン・バフェット氏が率いるバークシャー・ハサウェイが第2四半期中にアップル株を売却したことも報じられ、

東京株式市場では、日経平均株価(前引け)は、前週末比1930円(4.63%)安の34,247円と前週末に引き続き大幅続落した。一時33,300円台まで下落したが、その後反発している。

日銀は7月31日の金融政策決定会合で、政策金利を0.25%程度に引き上げる追加利上げの発表と、量的金融引き締めの実施を決定した。

インフレ(物価高)の上振れリスクを念頭に金融正常化を進めた格好であるが、これに伴い円高が急速に進んだ結果、高騰していた日本株式市場もパニック売りの様相を呈している。

外国為替市場における日本円の急騰は、ゼロ金利を前提にこれまで選好されてきた円のキャリートレードを大規模な巻き戻しを誘発したとの見方がある。

円のキャリートレードをとは、投資家が日本円の低金利を利用して円で資金を借り入れ、その資金を高金利の通貨や資産に投資する取引のこと。円高によって借り入れた円の返済コストが上昇し、リスク回避のためにキャリートレードを解消する動機が強まったか。

仮想通貨市況

暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコイン(BTC)は前日比7%安の1BTC=54,180ドルと暴落した。

BTC/USD日足

急落に伴い、先物市場では、4.13億ドル(600億円)相当の大規模ロスカットが発生した。

CoinGlass

前週金曜日の米雇用統計が市場想定を下回り、景気後退懸念が再燃したことでリスク回避姿勢が一段と強まった。ハイテク株やS&P500指数の大幅な下落など、金融市場全体の低迷によって暗号資産(仮想通貨)相場環境が急悪化している。

10x Researchのアナリストは3日、「米国経済はFRB(米連邦準備制度)が当初考えていたよりも弱いことが明らかになった」と指摘。ハードランディングのリスクに警鐘を鳴らした。

エヌビディアなどAI(人工知能)関連銘柄が高騰し、過去最高値を連日更新するなど、株価がバブルの様相を呈していたとの見方もある。10x Researchは、主要指標であるISM製造業指数が示す基盤経済の弱体化との乖離が拡大しているとし、「米国株指数などの影響の大きなISM指数急落が、リスク資産全体に波及した」と述べた。

ジェネシス弁済売り

大手暗号資産(仮想通貨)取引所FTX破綻の影響で23年1月に破産申請した仮想通貨融資企業ジェネシス・グローバル・キャピタルによる債権者への弁済が始まったことも市場心理の悪化に拍車をかけた。ジェネシスは債権者に対し、仮想通貨と法定通貨の両方で約40億ドルの即時分配を開始しており、一定の売り圧力を生み出した。

アーカム・インテリジェンスのオンチェーンデータによると、ジェネシスは計15億ドルを送金しており、16,600 BTC(11億ドル相当)と166,300 ETH(5億2,110万ドル相当)が含まれている。

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暗号資産(仮想通貨)支援政策を示唆する“トランプ・トレード”の思惑後退もネガティブに働いている。バイデン氏の撤退およびハリス副大統領の支持率急伸により、米国大統領選で当選が確実視されていたトランプ氏の風向きが変化した。

分散型予測プラットフォーム「ポリマーケット」にベットされた賭け金は、ハリス氏勝利の可能性が30%から45%まで上昇している。

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中東情勢の緊張感が高まる中、地政学リスクの悪化も懸念材料だ。

米国とイスラエル当局は、イスラム組織ハマスの最高幹部が殺害された報復として、イランが早ければ本日にもイスラエルを攻撃する可能性があると予想している。

国際通貨基金(IMF)が今年4月に公開した経済見通しによれば、「中東の紛争が激化した場合、原油価格の急騰や海運コストの上昇を引き起こし、世界のインフレ率を0.7%ポイント程度上昇させるリスクがある」としている。

アルトコイン相場

時価総額上位の主要アルトコインでは、イーサリアム(ETH)が前日比20%以上暴落した。

ブロックチェーン分析プラットフォーム「Arkham」のデータによると、Jump Tradingの仮想通貨部門であるJump Cryptoは過去数日、ステーキングを解除した数億ドル相当のイーサリアム(ETH)を仮想通貨取引所に送金するなど、保有分の売却を示唆している。

米国商品先物取引委員会(CFTC)の調査を受け、保有する仮想通貨を清算しているのではないかとの憶測が広がっている。

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