はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

米パウエル連銀議長、リアルタイム高速決済システムの開発を本格検討「利用する技術は近いうちに決定」

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

FRB、高速決済システムの構築を本格的に検討
パウエル連邦準備制度議長が、米国会上院に宛てた書簡で、「FRBが高速決済システムの構築を本格的に検討している」と伝えた。

FRB、高速決済システムの構築を本格的に検討

米FRB議長Jerome Powell氏は米国会上院に宛てた書簡で、「FRBが高速決済システムの構築を本格的に検討している」との旨を伝えた。FRBは米主要金融機関(民間企業)が提供している決済ネットワークより優れたものを開発する意向を示した。

Powell氏は7月26日、企業と消費者がより迅速に決済を行えるリアルタイムの決済システムを開発する可能性を示唆した。「FRBは1万以上の銀行(米国内外)と繋がっているため、システムを改善する責任は我々FRBにある。」と述べている。

*追加内容: Powell氏は本日の記者会見で、リアルタイム決済について、「公衆はFRBが独自のシステムを持つことを望んでいる」としており、このように具体的に話した。

連銀は他国に比べて決済システムがかなり遅れている。数年に渡って、連銀と加盟銀行で一致したのは、365日・24時間・7日で作動するリアルタイム決済システムだ。

よって、他の銀行と並行して金融業務を運営することはできる。

実際どのような技術を利用するかは決定していないが、「近いうちに」決定し、発表を行う。

現在FRBが利用している決済サービスは「Automated Clearinghouse (ACH) payment」という非リアルタイムのシステムだ。通常、営業時間において1日3回のみの清算が行われ、米国特有の給料システムにもコスト面などで影響が出ているとの指摘が行われている。(多くの米企業従業員は、2週間おきに給料が振り込まれる。)

議長が新たな決済システムを検討する意志を表明したのは、今回が初めてではない。少なからず、2015年から当時の議長からすでにこのような改善計画を明かし、2020年をめどに実装を目論んだが、先月Powell氏は計画通りには実現できないと報告した。

またFRBのこの動きに対して、大手銀などでは、決済領域における競争状態になると見ており、リアルタイム決済の普及の妨げになり、「利益の減少と顧客の離脱」を懸念しているという。実際、大手銀らはすでに「Clearing House Payments Co.」に巨額な資金を投入しているため、FRBが検討する独自のシステムがライバルになりかねないことを案じている。しかし、追記内容にも記載したように、FRBは他の銀行との平行した金融業務の可能性を示唆した。

FRB独自のシステムを支持するのは多くの民主党議員であり、特にウォール街金融機関を問題視する2020年大統領選候補者Elizabeth Warren氏や、昨日の仮想通貨規制関連の公聴会で「有益な規制」を唱えたChris Van Hollen議員もその陣営にいる。

特筆すべきは、Powell氏による書簡ではどのようなテクノロジーを利用しシステムを構築するかは言及されていない。つまり、ブロックチェーンを利用するかどうかもわかっていない。

先日の上院公聴会にて、Powell氏はビットコインが持つ機能=「決済手段」を否定し、ゴールドのような「価値貯蔵手段(ストア・オブ・バリュー)」であるとその類似点を指摘した。なお、ビットコイン等仮想通貨が普及することにより、世界・米国の準備通貨である米ドルの立ち位置が危うくなると、危惧の念も示した。

ウォール街金融においては、米最大手JPモルガンが自社ネットワークに特化した米ステーブルコイン「JPMコイン」のテストをクライアント銀行間で行なっている。そして、No.2のバンカメはブロックチェーンの特許数を最も取得している中、先日ではリップル社の技術を引用したことが判明したため、様々な推測が浮上している。

現段階で言えることは、リアルタイム決済による公益よりも両政党による政治的理念の相違から生まれた大手銀行とFRBの利害関係問題だ。実際、FRBが今後どのような技術を利用するかは、金融業だけでなく、仮想通貨業界からも注目と関心が集まるだろう。

参考資料:politico

CoinPostの注目記事

「仮想通貨の誕生で米通貨システムが変容」米国セントルイス連銀総裁が否定的な見解示す
米セントルイス連邦準備銀行の総裁James Bullard氏が、仮想通貨の乱立によって米通貨システムに変化が生じていると言及。
ビットコイン市場に相次ぐ追い風 大口の「ガチホBTC」も直近で急増|仮想通貨市況
ビットコイン市場に複数のプラス要因が相次いだ。現在の市場の状況と増加傾向にあるビットコインの関連指標を解説した。
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
10/16 木曜日
16:52
Paxos、PYUSD300兆ドル誤発行で緊急対応 セキュリティ被害はなし
PayPalステーブルコインPYUSDの発行元Paxosが300兆ドルを誤発行後、約20分で全量焼却した。内部技術エラーが原因で、セキュリティ侵害や顧客資金への影響はないと発表。
15:58
エリック・トランプが不動産トークン化プロジェクトを発表 1000ドルから取得可能に
エリック・トランプ氏が不動産のトークン化プロジェクトを発表した。WLFIとUSD1を活用し、少額から不動産の部分所有が可能に。従来の高額投資や低い流動性といった課題を解決し、不動産投資の民主化を目指す。
12:25
ビットコイン市場はリセット局面 市場回復の鍵は?=Glassnode週間レポート
Glassnodeが仮想通貨ビットコイン市場の最新レポートを発表。米国の関税懸念で190億ドル規模のレバレッジ解消後、ETFや先物など市場動向と今後を分析している。
12:13
様子見基調のビットコイン、市場は緊迫化する米中貿易摩擦の行方を注視
ビットコインは111,500ドルで推移。トランプ関税ショックで100億ドル超のレバレッジが解消され、デリバティブ市場がリセット。重要な価格レンジ内で市場の方向性が注目される局面に。米中貿易摩擦の行方が焦点。
10:39
CMEグループ、SOLおよびXRP先物オプションの取引開始を発表 機関投資家向けヘッジ手段が拡大
世界最大級のデリバティブ取引所を運営するCMEグループは14日、ソラナとXRP先物オプションの初取引を発表した。XRP先物オプションの初取引は10月12日にWintermuteとSuperstateの間で、ソラナ先物オプションの初取引は13日にCumberland DRWとGalaxyの間で執行された。
10:20
ソニー銀行、米国で国家銀行免許を申請
ソニー銀行は、米国で国家銀行免許を取得するために申請書を提出。子会社が仮想通貨を含む事業を計画しており、米ドルステーブルコインの発行、カストディサービス、デジタル資産運用サービスなどを行うという。
09:45
BNBチェーン、中国招商銀行の5,700億円規模MMFをトークン化
BNBチェーンが中国招商銀行CMBによる38億ドル規模のマネーマーケットファンドをオンチェーン化する。CMBMINTとCMBIMINTトークンでDeFi運用も可能になる。
09:36
「仮想通貨市場へのトランプ関税ショックの影響は一時的」Bitwise
Bitwiseの最高投資責任者は、米中対立激化への懸念から起きたビットコインなどの仮想通貨市場の急落は一時的なもので、大きな影響はないとの見方を示した。3つの判断基準を説明している。
10/15 水曜日
18:50
モブキャストHD、ソラナ投資に5億円を投じる計画
モブキャストHDは暗号資産事業への本格参入を決定し、ソラナ(SOL)購入に向け5億円を投資する計画を発表。ステーキング収益も視野に入れる。
18:30
リップル、南アフリカでカストディ事業強化 金融大手アブサバンクと提携
リップルは南アフリカのアブサ銀行と提携し、アフリカで初の大手カストディパートナーを獲得。デジタル資産の安全な保管と事業拡大を進めます。
17:55
イーサリアムFusakaアップグレード、テストネットSepoliaで有効化 12月メインネット実装へ 
イーサリアムの次期アップグレード「Fusaka」が10月14日、テストネットSepoliaで稼働開始した。PeerDAS技術により処理負担を大幅軽減し、取引速度を最大12,000件/秒まで向上。12月のメインネット実装に向けて段階的にテスト展開中。年内2度目の大型アップグレードでスケーラビリティをさらに強化へ。
17:28
コインチェックグループ、機関投資家向け事業を強化
Coincheck Groupが仏Aploの買収を完了し、国内では事業法人向けクリプト・トレジャリー支援を開始。海外と国内の両面で機関投資家向け事業を拡大する。
17:19
コインベース、インド大手の仮想通貨取引所CoinDCXへ投資 評価額3700億円相当
米暗号資産取引所大手コインベース・グローバルが、インドの暗号資産取引所CoinDCXに追加出資。投資後の企業価値は24.5億ドルと評価される。この出資はCoinDCXが今年7月にハッキング被害に遭った数カ月後。コインベースはインドと中東地域での事業拡大を目指す。
15:00
ブラックロックCEO、資産トークン化を次の成長戦略に 620兆円市場狙う
ブラックロックのラリー・フィンクCEOが、不動産から株式・債券まであらゆる資産のトークン化を次なる成長戦略と位置づけた。世界のデジタルウォレットに保管された約620兆円の資金に着目し、ETFのトークン化を視野に入れている。
14:15
ソルメイトが75億円相当ソラナを購入、キャシー・ウッドのアークが主要株主に
ナスダック上場のソルメイト・インフラストラクチャーがソラナ財団から75億円相当のSOLを15%割引で購入。米大手ヘッジファンドアーク・インベストが11.5%の同社株を保有している。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧