はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

どうなる?31日の米公聴会 仮想通貨規制に関する証言要旨が一部公開

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

米上院の公聴会でサークル社CEOが証言
日本時間7月31日に開催される米上院の公聴会。冒頭証言の要旨が公開され、仮想通貨規制に関わる議論内容が一部判明した。

米国における仮想通貨規制が前進するきっかけとなるか 米上院公聴会

仮想通貨規制に関して、米上院が日本時間7月31日に開く公聴会での冒頭証言の要旨が公開された。業界において注目される公聴会でどのような議論が行われるのか、一部の内容が見えてきた。

上院銀行委員会の公聴会で証言するのは、仮想通貨大手サークル社CEOのJeremy Allaire氏、米議会調査部の国際貿易と金融の専門家 Rebecca M. Nelson氏、およびカリフォルニア大学アーバイン校法大学院教授 Mehrsa Baradaran氏の三者となる。

7月16(上院)、17日(下院)の二日間にわたり開催されたフェイスブックのリブラに対する公聴会に引き続き、仮想通貨とブロックチェーンがどのように規制されていくか、アメリカの立法の場である連邦議会という大舞台で議論されることになる。

仮想通貨業界にとって歴史的とも言えるこの公聴会に先立ち、主催する米上院銀行委員会は、三者の冒頭証言の要旨を公表した。

仮想通貨業界からは、米ブロックチェーン協会を代表して、仮想通貨取引所Poloniexの運営やステーブルコインUSDCの発行に携わるサークル社の共同創設者/CEOのJeremy Allaire氏が証言を行う。

20世紀の金融規制では仮想通貨を適切に管理できない

インターネット技術の普及に貢献したAllaire氏は、長年、仮想通貨とブロックチェーンに対する既存の規制の変更を提唱してきた人物だ。

今回の証言の内容でも、20世紀の金融資産を対象に設計された既存の規制では、21世紀の革新技術に支えられた仮想通貨を適切に管理することはできないという認識を表明している。

ニューヨーク州のビットライセンスをはじめ、金融取引業規制機構(FINRA)の認可など既存の米国法規制の枠内で、サークル社を運営してきたAllaire氏は、デジタル資産とブロックチェーン技術を取り巻く規制や政策の問題に深く精通しているが、法を遵守する米国市民・企業であることが、世界規模の技術の開発において不利になることがあってはならないと述べている。そして、そのためには、デジタル資産に関する一貫した、かつ世界的に調整された国家政策が必要とされていると主張した。

また、急速な革新が進むこの分野の新しい資産クラスに対しては、政府は柔軟なアプローチを取ることが必須だと付け加えているが、最終的には、次のような提言を行っている。

「議会は、デジタル資産を新しい資産クラスとして定義および確立し、デジタル資産に対する適切な規則および免除を策定する国内政策を採用すべきだ。そのためには、おそらく、既存の商品、証券、銀行取引法等を変更する法律が必要となるだろう。」

Allaire氏は、不透明かつ厳しい制限を課す既存の米国の規制環境により、サークル社を含む多くの仮想通貨企業は国外に拠点を移すことを余儀無くされていると述べ、米国が「この重要な新技術の世界的リーダーとなることが叶わず、デジタル資産がもたらす経済変革の恩恵を十分に享受できないことを危惧している」と警告している。

マネーロンダリング懸念について

また、仮想通貨を使用する際の問題点として、政府や規制当局が懸念するマネーロンダリングに関しては、既存の金融システムでは99%が検知されていないという、前欧州警察組織長官の報告を引用し、現行のシステムの不備を指摘する。

そして、その解決策として、ブロックチェーン技術を活用した新しい身元確認プロトコルにより、KYC / AMLルールの遵守を確実にすることができるようになると、仮想通貨の特性からもたらされる有用性を主張している。

既存仮想通貨とリブラの違い

サークル社が参加するコンソーシアム CENTREが発行管理するステーブルコイン、USDCとリブラとの違いについても言及し、USDCの信頼性と優位性を説明している。

一方、米議会調査部のNelson氏の証言要旨では、仮想通貨の国際的展望と政策策定の課題について触れ、その中で、市場と仮想通貨を規制のために政府が採用しているアプローチ、および各国間での規制の調和の必要性についての説明が中心となっている。

また、一部の政府や大企業が提案している新しいデジタル通貨の潜在的な影響についての分析も行う中で、リブラと他の仮想通貨の対比し説明している。 その中で、伝統的な銀行システムにアクセスできない発展途上国の消費者にとっては有意義なものになる可能性はあるとしながらも、ユーザーのプライバシーや、リブラの準備金の仕組み、多くの国をまたいだ規制の枠組みが複雑化することに対する懸念などを具体的にあげている。

Baradaran氏の証言は、法律家という立場から、現行の米国の連邦準備制度において、取り残された銀行システムへアクセスできない市民層に焦点を当てている。その中で、 同氏は、仮想通貨が目指す「すべての人が利用できる公的支払いシステム」はすでに、連邦準備制度で確立されているが、営利目的の銀行システムの中に不平等を生み出す問題があり、それは民主的な手段で解決されるべきであり、仮想通貨がその問題を解決するための最善策であることに対しては懐疑的な姿勢を明らかにしている。

明日の公聴会では、三者それぞれの立場からの証言がなされるが、議会がどのような反応をし、どのような応酬がなされるか、注目されるところだ。

参考資料:banking.senate.gov

CoinPostの関連記事

巨額の資金調達を受けた米サークル社が描く「仮想通貨経済圏」実現への道筋
ゴールドマンサックスから出資を受けるCircle社は、「法定通貨に連動したステーブルコインが証券などの金融契約を促進させ、Circle USDコイン がトークン化のための重要部分を占める」と言及した。
仮想通貨リブラに対する公聴会、開発の中止を求めた米下院金融サービス委員会でも開催決定へ『緊迫したやり取りの行く末はいかに』
フェイスブックが開発中の仮想通貨リブラに対して、そのプライバシーやセキュリティに関する説明を同社に求める公聴会を、米下院金融サービス委員会が招集したことが明らかに。
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/24 水曜日
17:57
2025年の調整局面 過去サイクルの「仮想通貨の冬」との違いは?
2025年後半、仮想通貨市場は調整局面を迎えている。しかし過去2度の「冬」とは決定的に異なることがある。トランプ政権の支援、ETF普及、規制整備が同時進行。従来の4年サイクルが崩れる可能性も。2026年の市場展望を専門家の見解とともに解説する。
16:51
ガーナで仮想通貨取引が合法化、2024年取引高は4700億円規模
アフリカのガーナ議会が仮想資産サービスプロバイダー法案を可決し、約300万人が利用する仮想通貨取引を正式に合法化。中央銀行がライセンス発行・監督を担当し、2024年の取引高は4,700億円規模。個人の取引を保護しつつ、事業者には厳格な規制を適用する新たな枠組みを解説。
14:17
ビットコインとイーサリアムに資金集中 仮想通貨市場は年末調整局面へ=Wintermute分析
大手マーケットメーカーWintermuteの分析によると、仮想通貨市場ではビットコインとイーサリアムへの資金集中が加速。機関投資家は夏以降一貫して買い圧力を維持し、個人投資家もアルトコインから主要通貨へローテーションを開始している。
13:25
取引所クリプトドットコム、スポーツ予測市場でトレーダー募集 利益相反の懸念も
仮想通貨取引所クリプトドットコムがスポーツ予測市場のトレーダーを募集している。流動性提供を担当する職務内容だが、利益相反に当たるとの議論も浮上している。
10:20
ブラックロック、ビットコインETFを「今年の3つの投資テーマ」に選出
最大手資産運用会社ブラックロックが、仮想通貨ビットコイン現物ETF「IBIT」を2025年の上位3つの投資テーマに選出した。米国債などと並ぶ投資先として位置づけている。
09:46
コインベースがベース経由でSOL入出金に対応
コインベース取引所が23日、ベースネットワーク経由でのSOL入出金機能を開始。チェーンリンクとの協力により、外部ブリッジを使わずソラナとベース間の直接送金が可能に。ただし日本を含む一部地域では利用制限あり。
09:45
IMF「エルサルバドルのBTCプロジェクトに関する議論は継続中」
IMFは、エルサルバドルに関する職員の報告を公開。報告は40カ月間の中期融資制度のレビューに関する内容で、同国の仮想通貨ビットコインのプロジェクトにも言及している。
08:30
米Amplify ETFs、ステーブルコインとトークン化特化の新ETFを上場
米Amplify ETFsがステーブルコイン技術とトークン化技術に投資する2つの新ETFを発表した。ステーブルコイン市場は2030年に3兆7000億ドル、トークン化資産は3兆6000億ドルへの成長が見込まれている。
07:20
ロシア中銀、適格投資家以外の仮想通貨購入の認可を政府に提案
ロシア中銀は、仮想通貨規制のコンセプトを考案して政府に対して法改正の提案を行ったと発表。提案の内容や今後の計画を説明している。
06:55
ソラナ特化型ウペクシ社、シェルフ登録で柔軟な資金調達体制を構築
米上場のソラナ特化型企業ウペクシが米SECにシェルフ登録届出書を提出し、未使用のエクイティラインを解約する計画を発表した。資本調達の効率性向上とコスト削減を目指す動きとなる。
06:20
ビットコイン、金・銀と乖離し上昇に遅れ 大口売り圧力が要因に
仮想通貨ビットコインは金や銀と異なり最高値から30%下落したまま推移。8月以降ナスダックとの相関が乖離し、大口プレイヤーからの売り圧力が上昇を阻んでいると分析された。
05:35
米アリゾナ州、仮想通貨免税法案を提出
米国アリゾナ州で仮想通貨を州税から免除する法案が提出された。連邦レベルでは200ドル未満のステーブルコイン取引を非課税とする超党派法案の草案が発表された。
12/23 火曜日
18:30
CircleのStableFXとは?外国為替をステーブルコインで効率化する戦略を読み解く
1日1,400兆円超のFX市場に、Circle社がステーブルコインで挑む。StableFXの仕組み・強み・日本円ステーブルコインJPYC採択の背景まで、戦略を読み解きます。
18:16
ビットコイン、インフレ調整後の購買力ベースでは10万ドル突破せず=Galaxy分析
ギャラクシー・デジタルの研究者がインフレ調整後、ビットコインは「真の10万ドル」に未達と指摘。しかし日本の投資家は円安効果により米国投資家を大きく上回る実質リターンを獲得。円キャリートレードの典型例を分析。
18:00
edgeX(エッジエックス)とは?エアドロップ情報・使い方を解説
edgeX(エッジエックス)は累計取引高5,900億ドル超の永久先物DEX。独自トークンの発行やエアドロップも予定されています。本記事では特徴や使い方、流動性提供の方法、手数料・リスクまでわかりやすく解説します。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧