はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

経済学者がビットコイン価格の現状を読み解く|ファンダメンタルズ分析から見る仮想通貨シナリオ

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

Krüger氏が現状を分析
専門家の中でも今後の価格推移に関して意見が2分する現在の仮想通貨市場を、経済学者のAlex Krüger氏がファンダメンタルズ要因を元に分析を行なった。好材料と悪材料を列挙し、今後の仮想通貨シナリオを分析した。

Krüger氏の現状分析

仮想通貨市場は、11月中旬から大きく下落し、今月12月中旬には3200ドル(約35.5万円)付近という極めて低い価格帯にまで到達。しかし、その後は市場も盛り返し、1日に2桁代の値上がりを記録するなど、急激な上昇を見せてる場面も連日続いた。

コミュニティ内では、この市場における強気相場の兆候として捉え、今後の強気相場に繋がっていくのではないかという考えも出てきている。しかし、この上昇は、価格の伸び、インジゲーターのどちらを取っても未だトレンド転換と呼ぶには時期尚早であると慎重な姿勢をとる専門家も多くいる事は間違いないだろう。

専門家の中でも今後の価格推移に関して意見が2分する現在の仮想通貨市場だが、経済学者のAlex Krüger氏(以下、Krüger氏)は、仮想通貨市場に好材料は出てきているものの、本格的な強気相場の到来はまだ先であるとの見解を、好材料と悪材料を列挙した上で分析し、自身のTwitter(@Crypto_Macro)共有した。

彼は、ここ数日間で起きた仮想通貨価格の上昇を、取引参加者が既に大きな損失を被っている状態でおきた事から”Zombie Rally(ゾンビによる上昇)”であると記述し、市場参加者が一時的に過剰に(売られ過ぎた)ビットコインを求めた結果に過ぎないと示唆している。

Krüger氏は、分析を行う前に一連のツイートの中にて、以下のような強気材料と弱気材料を列挙した。(一部抜粋)

Krüger氏が考える主な強気材料

Fidelityが1月に仮想通貨カストディに参入する点

1月24日にBakktが裏付けられた先物取引を開始を予定している点(日時はずれる可能性も)

過去に類を見ないほどの過剰売り後の小幅上昇(現在)

Krüger氏が考える主な弱気材料

2月27日にビットコインETFが却下される可能性

SATF(適格投資家向けトークン販売)で予想される狼狽売り

SECがICOプロジェクトに対し、資金の返却の要請を始めた点

今後の仮想通貨市場のシナリオ

このような強気、弱気な材料を列挙した後、彼は、今後の展開を以下のように予想した。

私が現時点で最も有力であると考えるシナリオは、2月27日のビットコインETFが拒否された段階、または、そのすぐ後に、底値を付けるというものだ。

仮想通貨ETFの承認は、近づいていることは確かであると言えるが、私は、2月時点(最注目ETF最終判断日)では不許可とされるのではないかと考えている。よって、本格的な強気相場の到来は2020年のマイニング報酬半減期の後になるのではないか。

マイニング半減期とは、マイニングにおける報酬が半分になってしまうタイミングを指し、市場供給量(新規発行通貨)が減少することで、売り圧力の低減や需要(買い)の恩恵を受けやすい状況が期待されるファンダメンタルズ要因。

ちなみに、現在は1ブロックのBTCマイニング報酬は12.5BTCで、次回半減期を経て6.25BTCに減少する。

予定日時はブロック進行状況によって左右されるが、現状での予想日時は2020年5月26日。

このように、彼は、ビットコインETFが2月時点では不許可となると考えているのだ。そして、そのETFが拒否された時、または、その直後こそが底値となり、強気相場の本格的な到来の開始地点になると分析している。

ビットコインETFが不許可となるというのは、あくまでもKrüger氏の主張であり、実際に認可されるか否かは、実際に最終判断日になるまで定かではない。

状況的に、発表されている事実部分を列挙すると、以下の3点が最新の状況だ。

しかし、例え2月時点でビットコインETFが不認可とされても、仮想通貨ETFの実現に向けて、規制や保険、カストディなどの整備が着実に進んできていることに間違いはない。そして、仮想通貨市場には既にFidelityなどの既存大手金融機関も参入してきており、Bakktなどの注目プロジェクトも数多く台頭してきている。

仮想通貨取引所Coinbaseの代表を務めるAsiff Hirji氏も「仮想通貨におけるイノベーションは、日に日にその数を増加させてきている」と語り、仮想通貨業界の熱の高まりを示唆している。このように、短期的に仮想通貨が再度強気相場に突入する可能性は低いとされる一方で、業界は着々と成熟してきており、いずれは、また強気相場が台頭すると考えられている。

▶️本日の速報をチェック

CoinPostの関連記事

仮想通貨ブローカーのCEO、多くの米金融アドバイザーが仮想通貨を自分のポートフォリオに|直近の規制関連にも注目
豪州に拠点を置く仮想通貨仲介業者「CALEB BROWN」の創設者兼CEOのPrash氏は、多くの金融アドバイザーが同社のサービスを利用し、数十万ドル(数千万円)にも及ぶ仮想通貨を購入していることを明らかにした。なお、同氏は規制の重要性や、VanEck版ビットコインETF、仮想通貨取引所Bakktについても言及。
ビットコイン先物取引予定のBakktの進捗、来年年始にCFTC委員の判断投票を予定か|WSJ報道
仮想通貨業界において重要視されているBakktのビットコイン先物取引に関する最新状況や、2019年1月初旬にCFTCが投票を行うかもしれないと大手メディアのWSJが進捗を報じた。
CoinPostのLINE@

スマートフォンへの「プッシュ通知」で、相場に影響を及ぼす重要ニュースをいち早く知らせてくれる「LINE@」の登録はこちら。大好評につき、登録者8,000名突破。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
09/16 火曜日
19:12
Pudgy Penguins CEO、ミームコイン関連イベントでPENGUの日本戦略発表
暗号資産取引所MEXCのベンチャー部門であるMEXC Venturesは7日、「From Doge to Pengu: The Evolution of Memes」を開催した…
18:00
Superteam Japan代表が語るソラナエコシステムの日本展開戦略|独占インタビュー
ソラナエコシステムの日本展開を牽引するSuperteam Japanが、設立から1年3か月で世界トップクラスの実績を達成。コミュニティGDPで世界1位、ビジネスコンペ「Brea…
17:00
米SECアトキンス委員長、仮想通貨企業に訴訟前に「違反通知」を追加へ=報道
米SECアトキンス委員長が仮想通貨企業などへの執行措置前に警告段階を設ける方針を表明した。ゲンスラー前委員長の方針から転換し、トークンの多くは証券ではないとも改めて述べる。
15:20
Pudgy Penguins、日本で大型イベント開催|MEXC Venturesとの連携で世界展開を加速
人気NFTプロジェクトPudgy Penguins、東京でWebX2025イベント開催。MEXC Venturesと連携し、日本展開でグローバル戦略を加速。2027年IPO実現目指す。
14:50
MiCAの監督格差問題 仏・墺・伊が共同でEUの規制強化を要請
フランス、オーストリア、イタリアの規制当局がMiCA施行後の各国による監督格差を問題視し、EUの仮想通貨規制の強化を求める共同声明を発表した。EUパスポート制度の課題と3カ国の規制当局による4つの改善提案を解説する。
11:36
FOMC控え様子見基調の仮想通貨相場、デリバティブ市場は強気傾向
明日のFOMC会合を控え、市場の95.9%が25bp利下げを織り込む中、ビットコインは115,206ドルで小幅上昇。デリバティブ市場ではコール優勢の展開が続き、ETF流入も好調。利下げサイクル開始への期待が暗号資産(仮想通貨)市場の追い風となるか注目が集まる。
10:56
ロビンフッドが非上場企業投資ファンド「RVI」を計画 個人投資家の参加機会拡大へ
仮想通貨・株式取引のロビンフッドが米国で未上場企業への投資機会を個人投資家に提供するファンドの設立を計画している。SECに登録届出書を提出し、NYSE上場を目指している。
10:30
クレディセゾンのベンチャー部門、70億円超のWeb3ファンドをローンチ
クレディセゾンのベンチャー部門は、ブロックチェーンのスタートアップ対象のファンドOnigiri Capitalのローンチを発表した。トークン化RWAのソリューションを開発する企業に投資する。
10:12
コインベース支援のL2「Base」、独自トークンの発行検討を開始
仮想通貨取引所コインベース支援のL2「Base」は、ネットワークトークンの発行検討を開始。これまではガス代にイーサリアムを使用し、独自トークンの発行予定はないとしてきた。
09/15 月曜日
17:40
Web3インフラの進化はグローバル取引を変える|WebX2025
大型Web3カンファレンス「WebX」で「グローバル取引の絶対基盤: 世界を繋ぐインフラ戦略」をテーマとしたパネルセッションが開催され、Web3インフラの重要性と発展に向けた課題、そして10年後のグローバル取引の展望について活発な議論が交わされた。
15:00
人工知能と人間の創造性、消費者アプリの活用事例|WebX2025トークセッション
WebX2025で専門家が人工知能エージェントの可能性について徹底議論。創造性や、人間の仕事を消滅させる可能性、安全性や開発上の課題などを多角的に話し合った。
12:25
イーサリアム財団がプライバシー強化ロードマップ発表 3つの重点分野で取り組みへ
イーサリアム財団が包括的プライバシー構築のロードマップを発表。仮想通貨イーサリアムのネットワークが世界的な決済レイヤーになることを前提に3つの重点分野に取り組む。
10:00
アジア仮想通貨規制の現状と課題:香港・台湾の最新動向と地域連携の必要性|WebX2025
大型Web3カンファレンス「WebX」で、「アジアにおける規制フレームワークと今後の見通し」をテーマとしたパネルセッションが開催された。このセッションでは、香港と台湾の最新の規制動向から、仮想通貨規制におけるアジア諸国の国際協力まで、活発な議論が展開された。
09:55
「ビットコインは毎日最高値更新する必要はない」アーサー・ヘイズが語るBTC長期投資の真価
仮想通貨アナリストのアーサー・ヘイズ氏が、各国の金融緩和政策を背景にビットコインの長期的上昇を予想した。4年サイクルよりもマクロ見通しが要因になるとしている。
09/14 日曜日
16:00
DeFiが抱える最大の課題は? トークン化時代見据えソラナ財団らが議論|WebX2025
WebX2025でソラナ財団やBNBチェーンからDeFiの専門家が集いパネルセッションを行った。現在の課題やトークン化などの潮流、今後の各プロジェクトの展望を議論した。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧