はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

大手仮想通貨取引所Coinbase、各国規制に応じてアルトコインの取り扱いを急拡大する方針を発表

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨取引所最大手のCoinbaseが9月24日に新規上場ポリシーを刷新
仮想通貨取引所最大手のCoinbaseが9月24日、新規上場ポリシーを刷新し、これまでの申請方法からオンラインの申請方式に切り替えることで、取扱通貨の種類を急速に拡大したい狙いだ。申請/上場手数料は有料化される見通しで、上場基準は現状非開示とのこと。
Coinbaseの取り扱い通貨が各国で変わるか
Coinbaseが各国の規制方針に応じて、今後ユーザーの居住国に応じて取り扱い通貨が変わる可能性がある。

仮想通貨取引所最大手のCoinbaseが9月24日、新規上場ポリシーを刷新しました。

これまでの「都度方式」からオンラインの申請および審査方式に切り替えることで、取扱通貨の種類を急速に拡大したい狙いがあると見られます。

現状Coinbaseは5種類の主要通貨しか取り扱っていないが、今後さらに多くの種類のアルトコインを取引していくと発表しました。

また仮想通貨の規制に対する世界各国の姿勢が違うことから、今後ユーザーの居住国に応じて取り扱い通貨が変わる可能性があります。

新たなCoinbase上場ポリシーの骨子と申請の流れ

「Coinbase電子資産・フレームワーク」と題された上場ポリシーは、「1. Coinbaseの使命と価値」「2. テクノロジー」「3. 法令遵守」「4. 市場供給」「5. 市場需要」「6. 仮想通貨エコノミー」の6章で構成され、それぞれがさらに上場申請者が事前に理解すべき節と具体的な項目により成り立っています。

このポリシーに同意した上で申請者は、

  • プロジェクト名
  • コイン・通貨名
  • プロジェクトにおけるあなたの役割
  • ホワイトペーパーURL
  • ERC20トークンであるか

といった項目などをオンライン申請で記入します。

これまでCoinbaseには上場申請に関する公式の仕組みが存在していませんでした。

そのため以前は、Coinbaseに個別の仮想通貨資産の上場を求めてロビー活動が行われることもしばしば見られました。

今回のCoinbaseのポリシー変更は、仮想通貨開発に携わる開発者や、コミュニティーからは概ね歓迎されるだろうというのが多くの見方です。

CoinbaseのCTであるBalaji Srinivasan氏も、

当社としても仮想通貨の開発者に懸命に働きかけを行っているところだ。

と述べています。

疑問と課題

その一方で、今回のポリシー変更にはまだ明確化されていない部分があります。

代表的なものが手数料(申請/上場)各国別法令や規制との整合です。

手数料について

Coinbaseは申請、上場手続きともに有料とする意向が伝えられています。

CTOのSrinivasan氏は具体的な額への言及を控えた一方で、極端に高く設定はしないとしています。

また、申請手数料はスパム的な申請を防ぐ意味合いが強いこと、また、上場手数料は精査コストであり、「新規情報を思いとどまらせるほどの負担にはしたくない」と話しました。

各国別法令や規制との整合

Coinbaseが仮に今回の上場ポリシーをグローバル展開する場合、各国や地域ごとの裁判管轄の法令や規制との整合が問題になってきます。

これまで新規上場に関し、そのような個別の国情対応をとる取引所はほとんどありませんでした。

具体的にCoinbaseが拠点を置くアメリカでは、仮想通貨が有価証券に該当するか否かの議論が政府内で継続して行われています。

Coinbaseの副社長であるDan Romero氏は引き続きアメリカの規制当局と連携して、法律を遵守していく姿勢を強調しました。

今回のCoinbaseのポリシー変更は非常に珍しいケースになるのではとの問いに対し、ワシントンDCに拠点を置くAnderson Kill弁護士は、

フォード(Ford)やアップル、グーグルでも、世界を相手に商品を売ろうとするときには世界のコンプライアンスに依拠するものだ。

と述べ、仮想通貨業界全般が各国の規制に対して認識が甘いと示唆しました。

また規制に準拠する今回のポリシー変更は評価されるべきものの、Coinbaseの業務が国別対応の為、さらに煩雑化することもまた避けられないと見られます。

これは業務処理とテクノロジーの両方の意味があります。

具体的には、現地法で仮想通貨取引が禁止されている顧客への対応をどう行うか、また、そのためのアクセス規制をどのように行うかということです。

Jenner & Block法律事務所のJustin Steffen弁護士は、先日公開されたニューヨークOAG(検事総長事務局)の報告書でVPNアクセスを規制する取引所が見られないことが問題視されたことを踏まえ、

ジオブロック(地域別アクセス規制)が1つの解決策になればいいが、精度が十分とはいえない。

とコメントしています。

また、Srinivasan氏は、

各国の規制を遵守するために当社としてあらゆる対策を講じるつもりだ。IPアドレスに加え、顧客の個人情報を補助的に用いるなどして、居住する国や地域に応じてアクセス制限を行うことも考えている。

と述べました。

未だ残る課題

他にも、今回のポリシー変更には、

  • Srinivasan氏が上場の具体的判断基準インサイダー取引防止策の開示に現時点では応じていないこと
  • そもそも仮想通貨コミュニティが今回のような有料の申請方式を実際に歓迎してくれるのか

といった疑問や課題があることは確かです。

しかしとりわけ後者に関して仮想通貨取引所Swatt Exchangeの創設者、Marshall Swatt氏は、

「手数料が固定でも市場に決定される場合でも、何にしても合理的に決まるのであれば好ましいことだ」

と、今回のCoinbaseの動きを歓迎する考えを示しています。

CoinPostの関連記事

金融機関の着眼点が「ビットコイン」に移りつつある|Coinbase副社長が見る現在の仮想通貨市場
Coinbaseと米規制機関の動き 現在の仮想通貨市場の動きを左右しているのは、規制の大きな枠組みとして世界の各国政府...
米仮想通貨取引所Coinbase:日本進出の舞台裏と展望を語る
今最も注目を集めるFintech界の著名人が集まり7月2日講演が行われ、今回はその中でもCoinbase社の登壇をまとめさせていただきました。講演では顧客を第一に考え、金融庁の方針を理解しそれに沿って安心し信頼できるプラットフォーム形成を行っていくと述べました。
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
11/05 水曜日
13:55
アーサー・ヘイズ、FRBの実質QEでビットコイン強気相場再開と予測
ビットメックス共同創業者アーサー・ヘイズ氏は、FRBが常設レポファシリティを通じた実質的な量的緩和(QE)により、ビットコイン強気相場が再開すると分析した。米国債発行増加でSRF残高が拡大しドル供給が増加すると予測。
13:30
米政府閉鎖を乗り切る仮想通貨市場、価格下落でも基盤強化に進展=グレースケール報告
グレースケールの10月レポートによると、米政府閉鎖やマクロリスク、史上最大の3兆円ロスカットなどにより仮想通貨価格は低迷したものの、規制明確化や機関投資家参入の進展、ステーブルコイン普及などで市場基盤は着実に強化されている。
13:15
ビットコイン採掘大手マラソンがAI事業強化へ、データセンターへの天然ガス供給で合意書 
仮想通貨マイニング大手マラソンがMPLXと天然ガス供給で合意書を締結した。テキサス州に新たなデータセンターを建設しビットコインからAI事業への多角化が加速する見込みだ。
11:15
仮想通貨取引所ジェミニが予測市場参入へ、カルシやポリマーケットと競合=報道
ウィンクルボス兄弟設立の仮想通貨取引所ジェミニが予測市場契約の提供準備を進めている。CFTCにデリバティブ取引所設立を申請中で、ポリマーケットやカルシとの競争が激化する見込みだ。
10:50
「プライバシー銘柄ジーキャッシュは暗号化されたビットコイン」、高騰背景をギャラクシーが分析
プライバシー仮想通貨Zcash(ZEC)が過去1年で10倍以上上昇している。ギャラクシーデジタルが背景を分析し、ビットコインの精神的後継者として注目されていると理由を指摘した。
10:35
FTXのサム前CEO巡る裁判、控訴審理に向けた聴聞会を開催 「公正な判決ではなかった」と主張
仮想通貨取引所FTXのサム・バンクマン=フリード前CEOを巡る裁判で、控訴裁判所で聴聞会が行われた。トランプ米大統領がCZ氏に恩赦を与えたこともあり、サム氏の裁判の注目度が高まっている。
10:25
NIPグループがビットコインマイニング拡大、月産160BTC見通し
Ninjasイン・パジャマス親会社のNIPグループがビットコインマイニング事業を拡大し、計算能力11.3EH/sを達成する。月間生産量は160ビットコインに増加し、世界約12位の上場マイナーとなる見込みだ。
09:30
ビットコイン10万ドル割れ、MEXC不安とBalancerハッキングが相場を圧迫|仮想NISHI
仮想通貨ビットコインは一時10万ドルを下回り、円ベースでは24時間で約140万円下落した。MEXCやBalancerにおける信認性不安や米IT銘柄が失速したことが下落を後押しした。
08:45
米財務省、北朝鮮サイバー犯罪と仮想通貨洗浄で8人と2団体を制裁指定
米財務省が北朝鮮によるサイバー犯罪とIT労働者詐欺から得た資金の洗浄に関与した8人と2団体を制裁指定した。過去3年間で北朝鮮関連サイバー犯罪者は主に仮想通貨で30億ドル以上を盗んでいる。
08:02
ビットコイン価格、10万ドル維持できなければ72000ドルまで下落の可能性=クリプトクアント分析
クリプトクアントの責任者はビットコインが10万ドルの水準を維持できなければ今後1~2カ月で72000ドルまで下落する可能性があると警告。10月の清算イベント後、現物需要が縮小していると分析している。
07:15
ビットマイン、1週間で400億円相当のETHを買い増し
トム・リー氏が率いるビットマインは、過去1週間で400億円相当の仮想通貨イーサリアムを買い増ししたことを発表。現金についても1週間で約598億円に増加したと説明した。
06:45
ソラナ保有企業フォワード・インダストリーズ、10億ドルの自社株買いプログラム承認
仮想通貨ソラナを財務資産とするフォワード・インダストリーズが10億ドル規模の自社株買いプログラムを承認した。2027年9月まで有効で、同社のSOL戦略への確信を示すものとしている。
05:55
米上場セカンス、保有ビットコインから970BTC売却で債務削減 
株価大幅安 米ナスダック上場のIoT半導体メーカーのセカンス・コミュニケーションズは4日、保有ビットコインから970BTCを売却し転換社債の50%を償還したと発表した。7月7日…
05:35
ビットコインが10万ドル割れ、2500億円以上のロスカット発生 6カ月ぶりの安値
ビットコインが11月5日に6カ月ぶりに10万ドルを下回り、一時99,954ドルまで下落した。過去24時間で16億ドル超相当のポジションが清算され、イーサリアムも年初来上昇分を帳消しにした。
11/04 火曜日
18:06
リミックスポイント、ビットコイン追加取得 新株予約権の残存分は消却
リミックスポイントは10月31日に約5億円分のビットコインを追加取得。累計1,411BTC・214億円規模に達し、第25回新株予約権を全て消却、希薄化型ファイナンスを終了した。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧