はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

米仮想通貨投資運用ファンドへ年金基金など機関投資家が出資|44億円相当の資金調達に成功

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

米国の公務員年金基金が仮想通貨ファンドに出資
米国バージニア州フェアファックス郡の年金基金2つが仮想通貨に特化した米投資運用企業のモルガン・クリーク・デジタル社のブロックチェーン・ファンドに出資していたことが判明した。年金基金や大学基金など多くの機関投資家が仮想通貨投資ファンドに出資した形となっている。

仮想通貨投資ファンドに米年金基金が出資

仮想通貨に特化した米投資運用企業のモルガン・クリーク・デジタル社が設置した4000万ドル(44億円相当)の資金を調達した独自のブロックチェーン・ファンドに2つの年金基金が出資していたことが判明した。

アメリカに拠点を置くモルガン・クリーク・デジタル社は15億ドル(約1656億円)の運用資産を誇るモーガン・キャピタル・マネジメント社の仮想通貨に特化した子会社で、主に「デジタル・アセット」やトークンベースのプロジェクトに出資している。

今回、同社が40億円相当の資金を調達して立ち上げた「Morgan Creek Blockchain Opportunities Fund」(ブロックチェーン・オポチュニティ・ファンド)の出資元にはバージニア州のフェアファックス郡の年金基金2つ「Police Officer’s Retirement System」(警察官年金システム)と「Employee’s Retirement System」(従業員年金システム)が含まれていることが明らかとなった。

直近の財務諸表によると、同警察官年金システムは14.5億ドル(1602億円相当)、同従業員年金システムは42.5億ドル(4694億円相当)の資産をそれぞれ保有している。地理的には同じ管轄であるが、2つの年金は全く違うシステムで、それぞれ別個の投資委員会が設置されている。

このように、年金基金が仮想通貨関連の投資ファンドに出資するケースは極めてまれで、モルガン・クリーク・デジタル社のCEOであるAnthony Pompliano氏は

知っている限りでは、公的年金から資金を調達した企業は他にないと思う。

Coindeskに語っていた。

今回のモーガン・クリークの投資ファンドには年金基金の他にも、大学基金、病院システム、保険会社、私立財団など、機関投資家からの投資が多くみられた

仮想通貨特有のボラティリティが懸念点とされるかもしれないが、同ブロックチェーン・オポチュニティ・ファンドの投資はビットコインやイーサリアムの仮想通貨も部分的には保有する予定だが、投資の大半は仮想通貨関連企業やトークンプロジェクトであるとPompliano氏は説明しているため、変動率は避けられる見込みだ。

同ファンドの出資企業の中にはCoinbaseやBakktといった大手仮想通貨取引所などが含まれている。

年金基金が抱える問題と仮想通貨業界

近年、年金基金の財政問題が世界的危機を招くとも言われており、多くが資産ポートフォリオにおける債権比率を上げてきたため、大きな収益が見込めない状況にある。

2016年にシティバンクが行なった報告によると、経済大国上位20が抱える年金基金の給付債務に対して総額78兆ドル(8619兆円相当)もの資金不足が見られる。

これは、当20カ国の国債合計額の約1.8倍にもなる。また、Consultancy.UK社の調査によると、過去5年において、アメリカでは運用資産総額が6.7%増加し、新たに設立された基金28団体の内13団体がアメリカであるなど、他国を圧倒する動きが見られている。

しかし、実際にはアメリカの個人年金の状況は厳しい。給付義務額の82%しか調達できておらず、3兆ドル(330兆円相当)の資金不足が見られる。

このような年金産業のおける状況で、仮想通貨ファンドへの投資を踏み切ったバージニア州フェアファックス郡の最高投資責任者であるKatherine Molnar氏は

ブロックチェーン技術は多様な分野で独特で素晴らしい応用力を持っている。

私たちはリターンからみても魅力的であるため、このチャンスを逃さず投資していくことが重要。

とクリプト産業に投資した理由を述べた。

また、モーガン・クリーク・デジタル社のPompliano氏は以下のように年金基金のクリプト産業投資におけるポテンシャルを語っている。

年金基金は株式や債券といった従来の金融商品以外の商品も取り入れ、ポートフォリオを多様化することでリスクの軽減を求めている

追記内容は以下の通り。

また、上述のPompliano氏は今回の出資の件についてさらなるコメントや詳細をツイッター上で明らかにした。

機関投資家が多くいるファンドを目指した。

誰も「初」にはなりたくなかったが、彼ら(年金基金の最高投資責任者)は機に乗じた。

ニュースは年金基金の報道に目がいっているが、病院や大学基金、保険会社や私立財団も含まれているのも重要点だ。

と述べたPompliano氏は、機関投資家を狙ってファンドの資金調達を行なっていたことを明らかにし、ファンドは既に14の団体の資本を運用していると明かした。

仮想通貨投資ファンドが年金基金や大学基金など、多額の資金を運用する機関投資家から少しずつ可能性を見出されていることは前向きな動きだと言えるだろう。

▶️本日の速報をチェック

CoinPostの関連記事

仮想通貨投資ファンド「モルガン・クリーク・デジタル」CEOが検証:仮想通貨事業と銀行業の摩擦
銀行不信者として知られる仮想通貨ヘッジファンドのCEOは、仮想通貨ビジネスに関する銀行利用時に遭遇した”最悪な体験談”を募集。口座の強制解約問題など、溝があることを明らかにした。
「次の10年でビットコイン価格は20倍以上」|モルガン・クリークCEO発言
モルガン・クリークCEOのMark Yusko氏は、先週のCNBCの番組「Fast Money」でのゲスト出演の際に、ビットコイン価格について「長期的には20倍以上」とポジティブな見解を示した。また、ビットコインの性質についても持論を展開し、今後の可能性を強調した。
CoinPostのLINE@

スマートフォンへの「プッシュ通知」で、相場に影響を及ぼす重要ニュースをいち早く知らせてくれる「LINE@」の登録はこちら。大好評につき、登録者12,000名突破。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/18 木曜日
16:43
トランプ大統領、次期FRB議長に「大幅利下げ支持」と宣言 
トランプ米大統領が次期FRB議長について「大幅な金利引き下げを支持する人物」と表明。金利1%以下を主張し、FRBの独立性を巡り議論を呼んでいる。QT終了や史上最大の税還付シーズンと相まって、仮想通貨市場への影響が注目される。
15:08
ハイパーリキッド、約1557億円相当のトークンをバーン認定へ 供給量13%削減目指す
分散型デリバティブ取引所ハイパーリキッドが約1,557億円相当のHYPEトークンをバーン認定する提案を発表。承認されれば流通供給量の13%が永久除外される。取引手数料の99%を自動買い戻しに充てるアシスタンスファンドのトークンが対象で、秘密鍵のないアドレスに保管され引き出し不可能。バリデーター投票は12月24日締切。
13:45
ソラナ、テストネットで耐量子署名を導入 量子コンピュータ対策で業界をリードか
ソラナ財団は量子コンピュータの脅威に備え、テストネットに耐量子署名を導入した。Project Elevenとの提携により実証実験に成功し、実用的な量子耐性が確認された。
13:15
仮想通貨詐欺対策強化 米上院議員、セーフクリプト法案を提出
米上院議員がビットコインなど仮想通貨関連の詐欺に対策する法案を提出した。米財務省や規制当局が連携するタスクフォース設置を目指している。
12:35
バイナンス、7つの個人・団体をブラックリスト入り
バイナンスが7つの個人・団体をブラックリスト指定。詐欺行為の通報者に最大500万ドルの報奨金。内部情報漏洩事件を受け、上場プロセスの透明性を強化。
11:55
ビットコイン一時9万ドル回復も急反落、市場の脆弱性露呈と日銀会合への警戒感が台頭
ビットコインがFRBハト派発言で9万ドルまで急騰後、88,500ドル付近に反落した。過去2日間でBTC・ETHのETFから10億ドル超の純流出を記録し、市場構造の脆弱性が露呈。日銀利上げ観測と米CPI発表を控え、短期的な下押し圧力が継続する見通し。
11:25
米SECが「仮想通貨証券」の保管規則を明確化、ブローカーディーラー向けに指針を提示
米SECが仮想通貨証券の保管に関する見解を発表しブローカーディーラーが物理的保管とみなされる条件を明確化した。分散型台帳技術の評価や秘密鍵の保護、緊急時の対応計画などが求められている。
10:53
イーロン資産が93兆円突破、トム・リー「CEO個人価値のトークン化」構想とは?
イーロン・マスク氏の資産が史上初の6000億ドル(約93兆円)を突破。スペースX急騰が背景に。一方、トム・リー氏が提唱する「CEO個人価値のトークン化」構想が注目を集めている。企業価値から経営者の影響力を分離して投資できる革新的手法とは。
10:45
ブータン、ビットコインを特別行政区「GMC」に拠出へ
ブータンの特別行政区GMCは、ブータンが国としてGMCの長期的な発展を支援するために最大1340億円相当の仮想通貨ビットコインの拠出を誓約したと発表。今後の計画について説明した。
10:30
「ビットコインは脆弱な構造の中で推移」グラスノードの最新レポート
グラスノードの最新レポートによると、仮想通貨ビットコインは需要衰退で脆弱な構造の中取引されている。今後は10万ドル回復が上昇の鍵だと分析している。
10:10
ビットコイン乱高下、日銀政策決定会合を控え警戒感高まる|仮想NISHI
仮想通貨ビットコインは直近24時間で約80万円の乱高下となった。米株式市場の取引開始前、FRBのウォーラー理事が今後も利下げを継続すべきとの見解を示したことを受け、リスク資産全般が買われ、一時は9万ドルを突破した。
09:45
カリフォルニア州知事がトランプ大統領の仮想通貨関連恩赦を批判、CZ氏ら含む
米カリフォルニア州のニューサム知事がトランプ大統領による仮想通貨関連の恩赦決定を批判している。バイナンス創設者CZ氏やシルクロード創設者ロス・ウルブリヒト氏、ビットメックス共同創設者らへの恩赦が対象となっている。
08:35
米コインベースが株式・予測市場など新サービス展開、総合取引所へ移行
米コインベースが単なる仮想通貨取引を超えた大規模拡張を発表した。株式取引、予測市場、ソラナDEX統合、カスタムステーブルコインなど複数の新機能を導入し多様な資産を扱う総合プラットフォームを目指す。
07:50
米連邦準備制度理事会、仮想通貨関連銀行への制限的規制指針を撤回
米連邦準備制度理事会が2023年の仮想通貨関連銀行規制指針を撤回し、新たな政策声明を発表した。監督対象銀行が革新的活動に従事する道を開くが、リスク評価に基づく裁量権は維持。
07:30
XRPの実用性を拡充へ SBI Ripple AsiaとDopplerが提携
SBI Ripple AsiaとDoppler Financeがパートナーシップを締結。XRPL上で、仮想通貨XRPベースの利回りインフラやRWAのトークン化に関する協業を模索すると説明している。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧