はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

イーサリアムの「ペクトラ」アップグレードにセキュリティリスク発覚、Wintermuteが警告

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

悪意あるコントラクトが委任先に

暗号資産(仮想通貨)取引企業Wintermuteは31日、イーサリアム(ETH)の最近のアップグレード「ペクトラ」に含まれていたEIP-7702がリスクを生み出していると警告した。

現在のところ、被害はまだ報告されていないものの、ユーザーはEIP-7702を利用してデリゲーション(委任)を行う際に注意する必要がある。

具体的には、EIP-7702によるデリゲーションの80%以上が、悪意のあるコントラクトに割り当てられていた格好だ。

出典:Wintermute

Wintermuteは、このコントラクトには、無防備なウォレットから資金を吸い上げる自動「スイーパー」攻撃が備えられていると分析している。

EIP-7702は、イーサリアムにアカウント抽象化を導入し、外部所有アカウント(EOA)が一時的に、スマートコントラクトウォレットのように動作することを可能とするものだ。

これにより、複数のアクションをバッチ処理(一つのトランザクションにまとめて実行)したり、ガス料金(取引手数料)を第三者が支払ったり、ソーシャル認証を使用するなど、様々なことが可能となった。

しかし、WintermuteはこのEIP-7702が「利便性をもたらす一方で、リスクも生み出している」と指摘している。

EIP-7702は、取引時のみ一時的にウォレット権限を第三者に委任することを可能にする。Wintermuteによると、現在の委任先の80%以上が、同じ基本コードを使った複数の悪意あるコントラクトによって承認されていた。

このコントラクトは、秘密鍵が漏洩したウォレットに入ってきた資金を、自動的に攻撃者のウォレットへと送金してしまうものだ。

セキュリティ企業SlowMistも、EIP-7702による「デリゲーション(委任)」を行う際には、コントラクトコードの可視化などにより委任先の信頼性を確認することや、別途秘密鍵が漏洩しないよう注意することが必要だと呼びかけている。

関連:1億8400万件のログイン情報が流出、マルウェアで収集か=報道

Wintermuteは、今回の悪意あるコントラクトをDuneのダッシュボードで「CrimeEnjoyor」とラベル付けし、そのコードを公開。また、メタマスクやユニスワップなど正当なプロジェクトにもラベル付けして、ユーザーが注意できるようにした。

31日、WintermuteのリサーチャーによるXアカウントemparedadoは、「CrimeEnjoyor」による被害はまだ発生していないと報告して、次のように述べている。

大規模な活動にもかかわらず、イーサリアム上の「CrimeEnjoyors」は今のところ全く利益を上げていない。

彼らは約2.88ETHを費やして79,000アドレスを承認した。そのうち52,000アドレスは、0x89383882fc2d0cd4d7952a3267a3b6dae967e704という一つのアドレスに委任されている。

しかし、彼らのソースコードを復元すると、各コントラクトの承認後にイーサリアムの送金先として指定されているアドレスを特定できた。上記のケースでは、0x6f6Bd3907428ae93BC58Aca9Ec25AE3a80110428 というアドレスだが、現在までにこのアドレスのETH入出金はゼロだ。

関連:米シャープリンク、1400億円調達でイーサリアム大量購入へ

厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
06/04 水曜日
14:00
8月22日開催、招待制イベント「WebX大阪」の詳細発表
8月22日、大阪万博テーマウィークで次世代フィンテック技術とネットワーキングの場を提供する「WebX FinTech EXPO」が開催決定した。SBIグループと最大手暗号資産(仮想通貨)メディアCoinPostが企画運営を担当し、金融業界リーダーを中心に約1000名が招待制で参加する。
13:40
410億円相当のイーサリアム、Galaxy Digital経由の大口取引が明らかに
Galaxy DigitalのOTCウォレットが108,278ETHの大口取引を実行。機関投資家による戦略的なイーサリアム取得が市場に与える影響が注目される。
13:10
1600億円相当の『ビットコインファースト計画』、欧州上場Vanadi Coffee
スペインのVanadi Coffeeが1600億円相当のビットコイン投資でマイクロストラテジー戦略に追随。6月株主総会で承認を求める予定だ。
11:45
「米軍の一部がビットコイン法案を支持」ルミス上院議員 国防強化の重要性を強調
米国のルミス上院議員が、米軍将官の一部も仮想通貨ビットコインを備蓄することを支持していると表明した。背景には防衛力強化がある。ルミス氏は少額決済の免税も提案した。
11:30
政府のビットコイン支払い受入れ法案、カリフォルニア下院で可決 上院審議へ
カリフォルニア州議会下院が州政府のビットコイン・デジタル通貨支払い受け入れを可能にする法案を68対0で可決。
11:02
シンガポール、未認可の仮想通貨企業の国外サービス提供を禁止へ
シンガポール金融管理局は、仮想通貨サービス企業の事業ライセンスに関するガイダンスを発表。特に、シンガポールの国外にサービスを提供している仮想通貨企業に対する措置が注目を集めている。
10:10
韓国でイ・ジェミョン新大統領が誕生 ステーブルコインや仮想通貨ETFを公約に
韓国でイ・ジェミョン氏が大統領に就任した。選挙キャンペーン中にウォン建てステーブルコインの解禁や、仮想通貨現物ETFの合法化などを公約として掲げていた。
09:40
ビットコイン価格に底堅さ、半導体関連事業と米経済が下支え|仮想NISHI
仮想通貨ビットコインは5月末の下落から回復しつつあり、エヌビディアの好調な半導体事業がマイナーの資金難緩和と市場の下支えに期待されている。
07:30
上場企業のビットコイン保有急増も、価格下落で清算の懸念=スタンダード・チャータード分析
60社超の上場企業が合計67万BTCを保有する中、スタンダード・チャータード銀行のアナリストは価格下落時の強制売却リスクを警告。平均購入価格から22%下落が危険水域と分析。
07:05
金持ち父さん著者キヨサキ、株式市場などの暴落を予測
『金持ち父さん貧乏父さん』の著者ロバート・キヨサキ氏は、株などの市場が2025年の夏にかけて暴落する可能性があると警告。金、銀、仮想通貨ビットコインには数十億ドル規模の資金が流入すると予測している。
06:45
トランプメディア、ビットコイン現物ETF申請
NYSE取引所がTruth Social Bitcoin ETFの上場・取引に関する規則変更案をSECに提出。トランプ・メディア・アンド・テクノロジー・グループの金融戦略の一環として2025年後半の発売を目指す。
06:16
6月の仮想通貨市場、トランプ関税と予算法案で大幅変動の可能性=K33分析
K33リサーチがトランプ大統領の関税政策と「大きく美しい法案」を巡る動向が6月の仮想通貨市場に大きな変動をもたらすと警告。チキン呼ばわりやマスク氏の批判も市場に影響を与える見通し。
05:50
ミームコイン発行の「Pump.fun」、約1500億円規模のトークン販売計画=報道
仮想通貨ソラナ基盤のミームコイン発行プラットフォーム「Pump.fun」が40億ドル評価で10億ドル規模のトークンセール実施を計画していることが報じられた。
05:40
TRUMPミームコインの仮想通貨ウォレット開発か トランプ一家は関与を否定
トランプ大統領が独自の仮想通貨ウォレットを開発中とみられ、Magic EdenがパートナーシップでTRUMPミームコインと連携。一方でトランプ・オーガニゼーションは関与を否定している。
06/03 火曜日
16:59
リップル社、RLUSDステーブルコインがドバイ当局から承認取得
リップル社のステーブルコイン「RLUSD」がドバイ金融サービス庁の認定暗号トークンとして承認。中東での普及や企業向け決済需要の高まりに注目。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧