
年末までに15~18万ドルと予想
スカイブリッジ・キャピタルのアンソニー・スカラムーチ創業者兼CEO、暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)が今後さらに上昇し、年末までに15万ドル(約2,200万円)から18万ドル(約2,600万円)になると強気予想した。8日に公開されたユーチューブ番組White Cryptoでの発言だ。
ビットコインの価格抑制要因としては、中東やウクライナの地政学的リスクや、景気後退への懸念、COVID-19パンデミックの経済的な余波などがあると指摘している。
それにも関わらず、特にETF(上場投資信託)を通じて旺盛にビットコインの購入が行われていると続けた。
関連:ビットコイン過去最高値更新 機関投資家の買いが相次ぐ中、アルトコインの買い戻し進む
ビットコインETFとは
ビットコインを投資対象に含んだ上場投資信託(Exchange Traded Fund)のこと。実際にビットコインを購入し、そのビットコインを基にした信託(ETF)を株式市場で取引するもの。投資家は直接ビットコインを購入することなく、その価値に投資することが可能になる。
機関投資家の間で、ビットコインの信頼性が高まっており、仮想通貨分野に参入する機関投資家の資金の約80%がビットコインに流入するだろうと意見している。
さらに、米国でステーブルコイン法案やデジタル資産市場明確化法案が成立すれば、規制明確化で機関投資家の間に仮想通貨を保有する安心感が高まり、大きな節目になるだろうと述べた。
また、従来型投資家の資産配分については、今後の5年間でポートフォリオの1%から5%程度を仮想通貨に割り当てるのではないかとしている。それ以上にはならないだろうとも話す。
スカラムーチ氏は20日に公開された別の動画で、ビットコインの現在の価格を1690年代のマンハッタンの土地の価格にたとえて、まだ安いとも意見している。
背景として、17世紀のマンハッタンは未開の土地だったが、後の時代に金融の中心地となった経緯があった。
関連:仮想通貨配分を4割まで推奨、米著名金融アドバイザー「従来60-40モデルは時代遅れ」と見解
米国上院は、6月19日にステーブルコイン規制法案(GENIUS法案)を可決。ドナルド・トランプ大統領は、下院もステーブルコイン法案を速やかに可決するよう求めている。
また、デジタル資産市場明確化法案(CLARITY法案)は6月10日に農業委員会と下院金融サービス委員会で賛成多数で承認された。次は下院本会議での審議が行われる。
この法案は、米証券取引委員会(SEC)と商品先物取引委員会(CFTC)の規制権限を明確に分担し、仮想通貨業界に包括的な規制枠組みを提供するものだ。
関連:米下院両委員会が重要な仮想通貨規制法案「CLARITY法」を可決、本会議へ
スカラムーチ氏は、仮想通貨業界の次のトレンドとして、現実資産(RWA)トークン化が進むとも予想した。
特に、何百年も取引されてきた資産である株式や債券のトークン化には需要があるだろうと述べる。安いコストで取引ができ、決済が速くなることにはインセンティブがあり、関連法案が可決されれば採用が進むと話した。
バイナンスリサーチが6月に発表した分析によると、RWAトークン市場の規模は2025年上半期に、年初の86億ドル(約1.2兆円)から230億ドル(約3.4兆円)超に増加した。
機関投資家などの非銀行主体が企業や個人に直接融資する「プライベート・クレジット」が約58%のシェアを占めて牽引している。
スカラムーチ氏は、自身がビットコインに続く最大のポジションを持っているのはソラナ(SOL)だとも話した。ガス料金が低いことや、その経済モデルが開発を促進するものであること、RWAトークン化において大きな役割を果たす可能性が高いことを理由に挙げている。
関連:日本の不動産投資企業ゲーツ、Oasysで110億円規模の不動産トークン化へ