
長期的視点で捉える必要性を強調
著名暗号資産(仮想通貨)アナリストのアーサー・ヘイズ氏は、13日に公開されたカイル・チェイス氏のユーチューブ番組に出演し、ビットコイン(BTC)含め市場の見通しを語った。
チェイス氏は、株式市場やゴールド(金)が史上最高値を更新する一方で、ビットコインやアルトコインの市場は横ばいであり出遅れているように見える。いつになったら、より多くの資金が流入するのか?と問いかけた。
これに応じてヘイズ氏は、「その質問の前提は少し間違っている」として、次のようにコメントしている。
ビットコインは、通貨の切り下げを考慮すると、これまでで最高のパフォーマンスを上げている資産だ。確かにS&P500はドル建てで上昇しているが、ゴールド価格を物差しに測ると、2008年のゴールド価格を回復していない。
その一方で、同じ期間ビットコインをゴールド価格で測ると驚異的なパフォーマンスを上げていると続けた。
6か月など短い時間軸で考えるならビットコインはなかなか上昇しないように見えても、2年、3年、5年、10年前に買った人にとっては、ドルの切り下げや他のすべての法定通貨の切り下げなどを考慮しても、他の資産より高いパフォーマンスを上げている状況だと指摘している。
ビットコインが毎日史上最高値を更新しないことに不満を抱くのではなく、長期的視点で捉える必要性を示唆した格好だ。
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ヘイズ氏は、今後も各国政府が金融緩和を行い、それを背景にしてビットコインが上昇していくと予想している。
ドナルド・トランプ大統領の圧力により、FRBはいずれ利下げサイクルに入っていくと推測した。
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また、現在は多極的な世界秩序の移行の只中にあることや、AI(人工知能)とロボット工学によるデフレ効果が考えられることを指摘し、こうした大きな変化が起こった時には、政府は人々が安心できるように紙幣を印刷するとの見解を示した。
こうした要因を考えると、年末までの間に印刷される紙幣の量については強気な見通しを持っていると続けている。
通常、ビットコインには4年サイクルがあると考えられているが、ヘイズ氏はこれを信じないとも主張。むしろ金融緩和を背景にして、ビットコインが15万ドル、17万5千ドル、20万ドルと上昇し続ける可能性があるとした。
ヘイズ氏は、ステーブルコインについての強気見通しも改めて披露している。中南米やアジアの発展途上国では、自国通貨のインフレを背景にして、より安定した資産として米ドルへの需要があるが、地元当局が外国銀行によるドル提供を妨げている状況だと話す。
そうした国でも、フェイスブックやワッツアップ、Xなどテクノロジー大手企業が、スーパーアプリを通じて銀行サービスを提供することを許可されるだろうと予想した。
これによりアプリ内で米ドル建てステーブルコインが利用されることなどが後押しとなって、ステーブルコインには合計約34兆ドル(約5,000兆円)という資金が流れる可能性があるとしている。これにより上昇が期待される銘柄としてはハイパーリキッド(HYPE)などを挙げた。
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