- 日本オラクル|次世代クラウドのカンファレンス
- 日本オラクルは8月6日、7日の2日間、同社の最新クラウド・テクノロジーやサービスなどを紹介するカンファレンス「Modern Cloud Day Tokyo」を開催。ブロックチェーンで地域活性化するため、地域通貨を使ったユニークな取り組みなどが紹介された。
ブロックチェーンを使ったプロジェクト
データベース管理ソフト大手サービスなどを紹介するカンファレンス・「Modern Cloud Day Tokyo〜次世代クラウドが変える日本のビジネス」が開催された。
注目されている同社のクラウドサービス・「Oracle Cloud」と「Oracle Blockchain PLatform」をプロジェクトの基盤として採用した「ISOU PROJECT」の取り組みについて、プロジェクトの事務局を担う株式会社INDETAILの代表取締役社長・CEOの坪井大輔氏が、計画の詳細や同社の狙い、日本オラクルをパートナーとして採用した理由などを明らかにした。
ISOUプロジェクトでは、8月19日から30日まで北海道檜山郡厚沢部町でEVバスの配車・乗車体験やEVバス乗車時に利用するICカードを使った地域通貨の付与デモンストレーションなどの実証実験が予定されている。すでに住民への説明会なども行なわれている。
地域通貨は、円では買えないものに使う
このプロジェクトは、「地域通貨は、円では買えないものに使う」(坪井氏)との考えのもと、仮想通貨を地域の活性化に役立つものとして位置付けている。
厚沢部町でのヒアリングの結果、65歳以上の高齢者が45%を占める厚沢部町では、カーシェアは困難で、タクシーもバスも経営は成り立たない。また、町内の病院や商店には町民が訪れないなどの現実や課題も明らかになった。
「この地域では、住民が行動可能な移動手段が必須だ」と思い立ったプロジェクトが考えたのは、地元で太陽光などから調達した電気で移送サービスに使う電気自動車(EV)を走らせる。バス停は設置せず、電話かスマホで呼ぶのだが、そのEVの利用に必要なのが地域通貨だ。
「このプロジェクトに参加する町民には、移動したいという強い欲求がある」と坪井氏は話す。
移動するためにEVを利用する人は、円で支払うことはできず、地域通貨・ISOUコインが必要。仮に移住してきた人が、1万円払うから乗せてくれと言っても乗ることができないのだ。
ブロックチェーンで地域活性化
EVを利用するためのISOUコインを得るためには、町の中のスーパーや役場で行動したり活動したりすることが必要となる。「この仕組みが隣町の商店や病院に行っていた人たちに、町内で住民の活動を促すためにのトリガーとなり、ISOUコインというリワードを得ることになるのだ」と話す坪井氏の言葉に会場の聴衆は大きくうなづずいた。
坪井氏は、日本オラクルと一緒に仕事をすることになった理由について話した。
「サービスの素晴らしさはもちろんだが、オラクル社員の方々のイノベーションに対するテンションが高かったことが大きな理由だった。いっしょに事業創造をしていきたいという気持ちが伝わってきた」ブロックチェーンを利用した地域の活性化に地域通貨を役立ていくことを試みる、日本オラクルと、「ISOU PROJECT」の取り組みに注目したい。