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日米は偽出来高が最少、大手仮想通貨取引所間での「ウォッシュトレード対策」進む

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

日米は偽出来高が最も少ない
仮想通貨取引分析を行うBITによると、今年1〜7月、上位40の取引所での水増し取引高が約36%減少していること判明。ただし、BTC取引高の約半分は今も偽装であるとも指摘している。

日米は偽出来高が最も少ない

仮想通貨取引を分析する「BTI(Blockchain Transparency Institute)」の調査によると、2019年上半期におけるトップ40の取引所でのウォッシュトレード(出来高水増し)は、今年初めと比較して約36%減少しているという。BITの独自検証プログラムによって明らかになった。

同調査によると、今年上半期で最もクリーンな(ウォッシュトレードの少ない)取引所は、Kraken、Poloniex、Coinbase、Upbitであったという。一方、OKExとBiboxは、実際の取引高でもトップ20には入るものの、取引高全体におけるウォッシュトレードの割合は75%となり、トップ40の取引所では最も偽装取引高が多いことがわかった。

BTIは、偽装取引高の減少に成功している取引所については、取引所間のデータ共有によるウォッシュトレード検出メカニズムの強化が背景にあると報告している。

また、偽装取引高が最も少ない国は、日本と米国であることが同調査で判明した。その要因としては、日米は他国と比較して法的基準および規制基準(NYビットライセンスや日本金融庁の監督)が厳格であることを指摘している。ただし、規制が厳しい韓国に置かれる取引所「Bithumb」では、ダッシュ(DASH)とモネロ(Monero)の90%以上が水増しであることを例に挙げ、必ずしも厳格な規制の枠組みが、取引高偽装の改善要因になるとは限らないとも説明している。

CMCのランキングシステムにも課題

BTIの同調査によると、最も偽装取引高の多い取引所は以下の5つとなり、それらにおける取引高に占めるウォッシュトレードの割合は96.9%から99.7%に及ぶという。さらに、CMC(コインマーケットキャップ)のトップ100取引所のうち73の取引所が、出来高の90%を超えるウォッシュトレードを行っていることも判明している。

出典:BTI MARKET SURVEILLANCE REPORT

BTIはこのような状況の背景には、CMCが基本的なチェックなしで取引高によって取引所をランク付けするためであると指摘している。

一方CMCは、対策を施すために、11月12日に新たな取引所測定基準を導入する予定をしている。

ビットコイン取引高の50%はいまだにウォッシュトレードか

BITによると、トップ40の取引所におけるビットコイン取引高は、いまだに約50%が偽装であるという。

なお、時価総額上位の銘柄におけるウォッシュトレードの割合は、イーサリアム(ETH)が約75%、ライトコイン(LTC)が74%、リップル(XRP)が55%となっており、BTIによると、それらにおけるウォッシュトレードのほとんどはOKEx、Bibox、およびHuobi Globalに起因するものであるとしている。

Maker DAO、BNB、LEOについては、取引高に占める水増しの割合は、それぞれ25%未満にとどまり、上位25銘柄の中で最もウォッシュトレードが行われていないトークンと評価された。

今年の3月に、ビットコインETF申請中の米Bitwise Asset MnagementがSECへ提出した報告書で、日平均のビットコイン取引高の95%が偽装であることが指摘され衝撃を与えたが、それと比較をすると少なくとも改善の方向に向かっていることがうかがえる。ETF承認のうえでの最も重要な課題と指摘される取引高偽装と相場操縦問題であるが、その対策には一層の取引所間での連携が必要になっていくだろう。

OKExの反論

水増しが最も多いと指摘された取引所OKExの運営責任者Andy Cheung氏は、SNS上で反論を述べ、BTI報告の欠陥を指摘している。

OKExのユーザー層には、個人トレーダーだけでなく、プロな取引企業やHFT企業もいる。一般的なリテール取引所とは性質が異なる。

BITのアプローチでは、どのようにデータに至ったから明白ではない。企業の透明性も欠如している。

参考:BTI調査

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