G20、リブラ規制で合意
米首都で開かれていた、G20の財務省中央銀行総裁会議が閉幕。 フェイスブック社主導のリブラなど「グローバル・ステーブルコイン」には厳格な規制を設け、それがもたらし得る国際的なリスクに対応することができるまでは、発行を許可するべきではないと同意した。
またG20諸国は、IMF(国際通貨基金)に、「グローバル・ステーブルコイン」の影響を精査するための支援を要請した。特に、「通貨主権」の問題を含む経済的影響の測定を重視している。
要請したメンバーには、アメリカ合衆国、アルゼンチン、イギリス、イタリア、インド、インドネシア、欧州連合、オーストラリア、カナダ、韓国、サウジアラビア、中国、ドイツ、トルコ、日本、ブラジル、フランス、南アフリカ共和国、メキシコ、ロシアが含まれている。
ステーブルコインのリスク
ステーブルコインの、金融システムを革新する潜在力を認めつつも、同時に深刻な公共政策や規制面でのリスクを生じさせることを懸念する格好だ。 特にマネーロンダリングや非合法の金融、また消費者や投資家の保護に関連する危険性を、プロジェクトの運用開始前に適切に評価し、対処する必要があると指摘した。
総裁会議に出席した麻生太郎財務相は、「便利にできるという技術的な話とそれが信用できるものになるのかは別の話。」とコメントした。
また日本銀行の黒田晴彦総裁は、G20が金融安定委員会(FSB)や金融活動作業部会(FATF)などの標準設定機関から受け取る提案に基づいてグローバル・ステーブルコインを規制する方法について議論を開始すると言及した。
様々なリスクについての対処がなされるまでステーブルコインは発行すべきではありません。
新興国の一部は、巨大な顧客基盤に支えられたステーブルコインが世界中で広く使用されるようになった時の影響について懸念を抱いています。しかし、これは新興国だけの問題ではありません。金融政策と金融システムの安定性により広範な影響を与える可能性があります。
と黒田総裁は説明した。
FSBとFATFは、ステーブルコインに関する調査結果を来年G20に報告する予定だ。
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特にリブラに対する逆風は続いている。ドイツのオラフ・ショルツ財務相は、リブラに対して一層批判的になり、新しい世界通貨の創造は阻止すべきだと指摘。
また、ドイツ、フランス、イタリアは、「リブラ」の発行・普及をブロックするために協力すると発表した。
関連して、G7は最新の報告書でも、仮想通貨はボラティリティが高く、ガバナンスや規制などの課題があるため、決済手段というよりも投機的に使われてきたと言及した。
ステーブルコインについては、決済や価値貯蔵の手段として「より使いやすくなる可能性がある」が、明確な規制や監視体制が確立されるまでは運用開始をさせるべきではない」としている。