- Facebook CEO, 「革新なくして金融のグローバルリーダーに居続ける事は出来ない」
- 米政府公聴会で、リブラを念頭に「仮想通貨は百害あって一利なし」と断じた米議員に対し、FacebookのザッカーバーグCEOは「革新無くして金融のグロバルリーダーの継続はあり得ない」と見解を述べた。
仮想通貨により米ドル覇権の地位を失う
23日朝に開催された米政府公聴会で、仮想通貨に対して否定的なBrad Sherman議員と肯定的なBlaine Luetkemeyer議員がそれぞれFacebook社CEOのMark Zuckerberg氏に対して意見陳述を行なった。
5月に仮想通貨を禁止する法案を提出するなど仮想通貨への批判の急先鋒で知られるBrad Sherman議員は、改めて「仮想通貨が世界の準備金としての役割を持つ米ドルの地位を脅し、米経済と国益を損なう」として厳しい批判を繰り広げた。
Sherman議員は、「仮想通貨が失敗すれば、多額の損失を被る人が出る。一方で成功しても世界の準備金としての役割をもつ米ドルがその地位を失いかねない」と述べ、仮想通貨は”百害あって一利なし”と手厳しい意見を展開した。
Sherman議員は、
米ドルの地位による米国への資金流入が、平均的アメリカ人に1000ドル(約10万9千円)の金利コスト削減を生み出している。また連邦準備理事会(FRB)は、1000億ドル(1兆900億円)の収益を財務省にもたらし、我々議会の資金源になっている。
と述べ、米ドルの覇権が米国にいかに恩恵をもたらしているかを強調した。
一方で、米ドルが世界基軸通貨である事により抑制できている脱税、麻薬取引、テロ資金供与やトルコやベネズエラなどのドル資金凍結による経済制裁が、仮想通貨の普及により崩れることを危惧していると述べた。
革新なくリーダーでは居続けられない
続いて意見陳述をしたBlaine Luetkemeyer議員は、5月に米下院で結成されたFintech Task Force所属の仮想通貨推進派で知られる。
Luetkemeyer議員は, Zuckerberg氏にSherman議員が主張するようにLibraの普及により米ドルが世界の準備金としての地位を失うかと質問し、次のように答えた。
リブラはアメリカの国際金融のリーダーシップを拡大する役割を持つと考えている。現時点でリーダーだったとしても、革新を起こさなければリーダーで居続ける事が出来ない。
公聴会では両議員による意見の応酬はないものの、被告のZuckerberg氏を糾弾する検察官役のSherman議員の主張に対してZuckerberg氏の弁護人役のLuetkemeyer議員から促されたZuckerberg氏が説得力のある弁論を述べる、裁判さながらの展開となった。
参考 Youtube