ランキングをマーケティングに活用
世界最大手仮想通貨デリバティブ取引所BitMEXのトレーダー収益ランキング「Leaderboard」で、累積利益にTOP10入りしている2アカウントが、投資会社のものであることがわかった。あえて実名を出すことで、マーケティングに活用しているのだという。
企業の名前は、2017年に設立されたAlameda Research。1億ドル(約110億円)のデジタル資産を運用し、1日で6億ドルから15億ドル規模の高頻度取引を行う企業だ。1日当たり10億ドルの取引で、世界の取引高の約5%を占めるため、仮想通貨市場でかなり高い出来高を有している投資企業といえる。今年は、仮想通貨デリバティブ取引所FTXの解説も行なっている。
ハッキングなどのリスクを恐れ、匿名で取引を行うトレーダーが多い仮想通貨市場で、2019年に実名を出すことを決断した。当時は店頭のトレーディングデスクを開設した時で、自社の名前が広まることを期待したという。
取引開始からのBitMEXの累積利益で、トップ10位以内にAlameda Researchのアカウントが2つランクインしている。この内容は公開されているため、投資家に限らず誰でも閲覧でき、企業側からすれば実績を数値化することが可能だ。同企業は、自社のトレード実績をあえて可視化することで、リーダーズボードでマーケティングを行なっていたのだという。
実名を出した効果もあって、トレーディングデスクの顧客獲得数は予想を上回り、今では1日数億ドルの取引が行われているようだ。同社CEOのSam Bankman-Fried氏は、Leaderboardに実名を掲載した効果はあったと感じているという。
米ブロックチェーン企業ConsenSysでグローバル金融部門のトップを務めるLex Sokolin氏も、「Leaderboardは実績の証拠として、企業のマーケティングとして活用できる」と説明している。
参考資料 : Bloomberg