韓国、未登録取引所は刑事罰対象に
韓国の国会議会問題修正小委員会は21日、特別金融取引情報法の改正案を可決した。中小規模の取引所にも公平な運営体制を整える代わりに、未登録取引所への罰則を強化する。改正案は国会に提出される予定だ。
この改正によると、仮想通貨取引所は大韓民国金融委員会(日本金融庁に相当)に登録しない場合、最高5年の懲役または最高5,000万ウォン(約460万円)の罰金が科せられることになる。
仮想通貨取引所は、実名のバーチャル銀行口座(取引所が開設した銀行口座の中に作られる、それぞれの顧客のアカウント)が義務付けられる(KYC規制)。
野党議員は以前より、実名のバーチャル口座を持たない取引所が閉鎖を余儀なくされることで、韓国国内の仮想通貨業界がさらに縮小してしまうのではないかという懸念を表明していたが、今回の改正案では、取引所の実名バーチャル銀行口座取得が容易になる。
2018年初頭より、韓国の金融サービス委員会は匿名のバーチャル口座を禁止。Bithumb、Upbitなど大手4社はこれらの対応を行なっていたものの、銀行との連携で、中小取引所は対応に遅れが生じていた。
6月にFATFが(金融活動作業部会)発表した「暗号資産の管理方法を明確化するためのガイダンス」では、資金洗浄やテロ資金供与の防止を目標に、FATF加盟国に対して仮想通貨の規制強化が促されており、韓国も、このガイドラインに従って、国内の仮想通貨業界に対する規制を整備している状況にある。
関係者の声
今回の改正案について、まだ実名バーチャル口座を持たないGopax取引所のLee Jun-haeng CEOは、システムが公正である限り、健全な市場に繋がるものだと述べている。
また、韓国ブロックチェーン協会の事務局長であるJae-Jin Kim氏は「消費者保護と安定した市場の発展における最初のステップになると期待される」とコメントした。
「特別金融取引情報法」の状況は、長期的に見ると、仮想通貨関連業界が規制の曖昧なグレーゾーンから抜け出し、銀行などと同じ様に規制された金融機関として社会システムに参入することを示唆しているかもしれない。
現地メディアの情報では、今回の改正を含む同法案は国会で可決される可能性が高いという。ただ、この改正案には、他の政府機関がレビューし、さらに変更を加える可能性もある。