仮想通貨市況
仮想通貨ビットコイン(BTC)は、前日比7%安の73.4万円(6700ドル)と再び暴落。
先週末のリバウンドで500ドル幅持ち直すも、再び直近最安値を割り込んだ。5月上旬以来、約半年ぶりの水準となる。
中国人民銀行(PBoC)が発表した、仮想通貨取引に対する取り締まり強化声明もブロックチェーン産業に関連する暗号資産業界への期待剥離につながり、下落に拍車をかけた。今回の声明では、「海外にサーバー置きながらも、中国人を対象にする取引所を追及対象」としており、市場から警戒されている。
12月7日頃(9,056,000ブロック時点)には、イーサリアム2.0(セレニティ)に向けた最終段階となるイスタンブールが控えているが、今年2月の大型アップデート「コンスタンチノープル」と比較しても地合いが悪い上、市場の捉え方もまちまちだ。
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— Ethereum (@ethereum) November 20, 2019
ビットコイン(BTC)の直近チャートでは、アセンディングトライアングルのような形状を作り、上抜ければショートカバーによる大幅上昇も視野に入ったが、7400ドル(80万円)で3度跳ね返されると、これを否定した。
リバウンドも限定的で、22日につけた500ドル幅の下ヒゲをわずか3日間で食ってしまった格好だ。
17日には100MAが200MAをデッドクロスしたほか、移動平均線とローソク足で弱気のパーフェクトオーダーにあるなか、2018年の最重要防衛ラインである6,000ドルも迫ってきた。2020年の半減期に向けた買い反発も期待しやすい価格帯であるが、市場は相場環境及び需給に委ねられるため、過去の傾向を踏襲するとは限らない。
直近までBTCハッシュレートが高騰し続けていた中で、損益分岐点を下回り不採算事業と化したと思しきマイナーの現物売りを懸念する声も根強く、バイアスをかけ値頃感で売買するのは危険も伴う。
手がかりに欠ける相場で明確に反転上昇するには、昨冬〜今春のようなセリクラ発生後にもみ合う中で市場心理の改善が必要不可欠に思われるが、現時点では先行き不透明感を受けてアルトコイン市場からも資金が抜け続けており、回復のめどは立たずにいる。
ビットコインの適切なレバレッジについて
bitFlyer Blockchainの加納裕三氏は、「ビットコインのレバレッジ上限を2倍にすべき」との金融庁の規制議論を受け、過剰規制による弊害について以下のように指摘した。
ビットコインのレバレッジについてNOTEを書きました。
— 加納裕三 (Yuzo Kano) (@YuzoKano) November 24, 2019
日本の仮想通貨業界の行方を左右する重要なテーマだと考えております。
ぜひご一読いただければ幸いです。https://t.co/2xbneehWQJ
仮想通貨のレバレッジの議論は、今後の日本の仮想通貨業界の行方を大きく左右するほどに「重要なテーマ」との認識にあることを述べており、顧客資産保護を念頭におく上で、レバレッジ規制強化を繰り返すことで、JVCEAのルールに準拠しない海外事業者への資金流出を強く懸念している。
なお、デリバティブ最大手の海外取引所BitMEXに導入されている『追証無しのゼロカット』を待望する声については、「顧客保護のためにも検討したが、日本のルールでは導入が難しいとの判断に至った」としている。仮想通貨業界全体にとっても極めて重要な問題であり、加納氏のノートは是非一読されたい。