はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

分散型金融(DeFi)プロジェクトMakerDAOに脆弱性か、財団がGSM提案

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨MakerDAOに深刻な脆弱性

複数資産で担保可能なステーブルコインDAIの発行が可能な、分散型金融プロジェクト「MakerDAO」のプロトコルに問題がある可能性が指摘された。これを受けて、Maker財団側が対策案「Governance Security Module(GSM)」を提案、緊急投票を実施する。

仮想通貨Augerのホワイトペーパー共著者でソフトウェア開発者のMicah Zoltu氏は、9日に公開したブログ上で、Makerプロトコルに担保として保有されているイーサリアムを不正に取得可能な攻撃方法を発見したと主張している。

非常にコストの掛かる攻撃方法だとした上で、「最大3.4億ドル相当のETH」を不正入手出来ることを考えると、その見返りは大きいと指摘した。

Zoltu氏によると、この攻撃が実行可能になるのは、大量にMKRトークンを保有する大口投資家(クジラ)数名が迅速に行動する場合に限られるが、洗練された手法で行われた場合には 40,000 MKR(約21億7000万円)があれば十分だという。

現在のMakerの投票システムとステーキングの方法を考慮すると、攻撃可能な規模に達する団体もあることを憂慮しているようだ。

Maker DAOの仕組み

Makerプロトコルは、MKRトークンによって管理されており、MKRの保有者は誰でもスマートコントラクトとしての提案作成が可能だ。Makerには継続的なガバナンスの仕組みがあるため、いつでも条項を変更するための「投票」ができるようになっている。

Zoltu氏によると、Makerプロトコルのガバナンスは、「比較的シンプルなステーキング」システムで、制御したい契約にMKRをステーキングし、最大のステーキングが得られた契約に対し、コントロールを行う権利が与えられる。

先月大幅にアップグレードされたシステムには、変更された新たな契約が有効になるまでの時間遅延や緊急シャットダウン条項など、悪意ある行為者からの脅威を軽減するための、いくつかの重要なセキュリティ変更が導入されている。

問題となるのは、その遅延時間の現在のパラメータ設定が「0秒」とされていることだとZoltu氏は言う。「悪意ある参加者による攻撃を防御するための防御時間は0秒」で、投票および承認された条項が即座に有効になることを意味する。

Maker財団のエンジニアリング責任者であるWouter Kampmann氏は、この問題はMakerDAOコミュニティで詳細に議論されており、遅延を回避できる変更とできない変更について決定されるまで、現時点では0秒とするのが良いと判断したと述べている。

攻撃の実現性は

Kampmann氏は、攻撃にあたっての経済合理性は無視できず、Zoltu氏の示した攻撃モデルには、インセンティブの面で問題があると述べた。

Zoltu氏の示した攻撃を実行するのに十分なMKRを持っている大口投資家(クジラ)はごく少数存在するが、攻撃によりイーサリアム価格自体が急落すれば、最終的に資産価値の損失を引き起こし、コスト過多になるリスクが高いため、経済的合理性から疑問視される。

Maker財団はこの点について、MKRトークンの低い流動性も加味すると、複数の大口投資家(クジラ)が共謀して攻撃を実行するシナリオは現実味に欠けると判断しているようだ。Zoltu氏は、攻撃者が利用可能な知られざる流動性を提供する市場がないとも限らないとして、警鐘を鳴らしている。

CoinPostの関連記事

荒々しい値動き続くビットコイン(BTC)、CME先物のOIは過去半年間で最低水準に|仮想通貨市況
仮想通貨取引所Bakktが、現金決済のビットコイン(BTC)先物とオプション取引をローンチした。一方、BTC市場では反発局面での強い売り圧が健在で、厳しい市況が続く。
英造幣局が倒産危機か、マネーのデジタル化が要因の一つとの見方も
イギリスに拠点を置き紙幣やパスポート製造を行うデ・ラ・ルー社が、事業再生に失敗した場合、経営破綻の危機にあるとの声明を発表した。電子マネーなどの普及が要因の一つとされる。
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
05/20 火曜日
18:39
イーサリアム将来価格2025展望 | ETF・機関投資家・開発動向の注目点
【2025年5月最新】イーサリアム(ETH)の将来価格と成長可能性を徹底分析。ペクトラ後の価格回復、ブラックロックのステーキングETF申請、機関投資家の700億円購入など最新動向を解説。
14:45
「サトシ」か「ビット」か? ビットコイン価格高騰で基本単位論争が再燃
ビットコインの価格高騰に伴い、コミュニティではその基本単位「サトシ」変更の議論が白熱している。サトシを廃止すべきというビットコイン改善提案177にジャック・ドーシー氏が支持を表明する一方で、反対意見も多く論じられている。
14:00
ブラックロック「BUIDL」で利回り増やす取引戦略 BounceBitが実証試験
BounceBitがブラックロックのトークン化米国債「BUIDL」を担保に利用して、年利20%を実現した取引戦略を公開した。ステーブルコインを担保とするよりも利点があるとしている。
13:10
個人ノード運用を容易に、ヴィタリックの新たなイーサリアム拡張案とは
仮想通貨イーサリアム共同創設者ヴィタリック・ブテリン氏が新L1スケーリング計画を発表。個人のノード運用を容易にする「部分的ステートレスノード」でガスリミットを10~100倍に拡張する革新的アプローチを提案。
12:35
米上院、ステーブルコイン規制『GENIUS法案』の審議進行可決
米上院が仮想通貨ステーブルコイン規制法案「GENIUS法案」の審議を66対32で可決。消費者保護や倫理規定を強化した修正案で超党派合意が進展。
11:59
ビットコイン下髭で押し目買い意欲旺盛か イーサリアムにも機関投資家の強い関心
過去最高値の更新まで目前のビットコインは米国債格下げなど不透明感のある中、下髭形成し押し目買い意欲の強さを示した。50日・200日移動平均線のゴールデンクロスが目前に迫る中、イーサリアムには機関投資家の資金が集まり、CMEグループのXRP先物は初日に1,560万ドルの取引高を記録した。
11:20
SEC新委員長、仮想通貨規制を全面見直し
SEC新委員長ポール・アトキンス氏が仮想通貨規制の抜本的見直しを表明。前政権の執行措置を批判し、発行・保管・取引の3分野で明確なガイドライン策定へ。
10:35
リップル社、UAEの金融企業2社と提携
リップル社は、UAEのZand BankとMamoの2社が顧客になったことを発表。両社はリップルペイメントを使用すると説明しており、中東市場の事業を強化していく。
10:05
ソラナの新コンセンサスプロトコル「Alpenglow」提案 性能引き上げへ
ソラナ開発スタジオAnzaが新コンセンサスプロトコル「Alpenglow」を発表した。処理時間を理論的に約150ミリ秒まで短縮し、Web2と競合できる高速処理を実現するとしている。
08:45
ビットコイン急騰、米国債格下げと州法により"安全資産"化|仮想NISHI
仮想通貨ビットコインは史上最高値となる10万9,000ドル付近まで上昇している。米国債の格下げを契機として米国の信用力に対する懸念が台頭し、ドル安が進行した。
08:02
ステーブルコイン大手サークル、コインベースとリップルから買収アプローチ=報道
USDC発行元のサークル社が50億ドル以上の企業価値での買収提案を複数社から受けている。リップルとコインベースからアプローチされ、IPO計画と並行して検討中か。
07:45
過去最高515億円含み益達成、エルサルバドルのビットコイン投資
エルサルバドルが保有するビットコインが515億円の含み益を達成。国際通貨基金との合意に反してビットコイン蓄積を継続中。
07:25
コインベース顧客情報流出事件、米司法省が捜査開始=報道
米司法省が仮想通貨取引所コインベースの顧客データ流出事件について刑事捜査を開始。インド拠点従業員への贈賄による情報漏洩で、ハッカーが2000万ドルの身代金を要求していた。
06:40
ストラテジー社とセイラー氏、ビットコイン投資の収益性めぐり投資家から集団訴訟
ストラテジー社とマイケル・セイラー会長が、仮想通貨ビットコインの投資戦略の収益性について虚偽の説明をしたとして投資家から集団訴訟を起こされた。
06:15
Bybit、USDT使用の株式取引開始 ストラテジーなど78社が対象
仮想通貨取引所Bybitが株式取引機能をGold & FXに追加。ストラテジーやコインベース、マグニフィセント7を含む78社株式をUSDTで取引可能。CFDモデル採用で実株保有は不要。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧