はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

フェイスブックが仮想通貨リブラに不公平な優位性をもたらし得る、欧州中銀総裁の懸念

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ECBが懸念するリブラ

欧州中央銀行(ECB)の新総裁クリスティーヌ・ラガルド氏は、Facebookが仮想通貨リブラの宣伝を行い、競争相手の排除にソーシャルメディアプラットフォームを使用する可能性について懸念を表した。

19日にEU議員へ送った手紙でわかった。

Facebook社は独自のソーシャルメディアを利用しリブラを宣伝することができるため、競争上リブラは不公平に有利になってしまう可能性がある。そのため、ステーブルコインを監督する各国の当局はあらかじめその懸念を解消する方策を整える必要がある、としている。

ステーブルコインを運営する組織が、巨大なメディアプラットフォームを所有している場合、ロックイン効果や、プラットフォームから他のサービスプロバイダーや決済方法をブロックすることが可能になるという。

ロックイン効果とは、消費者が利便性や費用の側面から、一度あるメーカーの商品を購入し使用した場合に、今後も同様の商品を使い続ける傾向を指している。こういった市場戦略が可能なことは、平等な競争環境に影響を与える恐れがあると、ラガルド氏は問題視する。

なお、規制当局が関連するリスクを完全に査定するまで、リブラなどのグローバルステーブルコインは運用を開始すべきではないと指摘した。リブラなど国境を越えて普及する力を持つ仮想通貨は、国際的に各国が協力し調整する必要があるとした。

ステーブルコインという名称は誤解をもたらす

ステーブルコイン全般についてもラガルド総裁は言及し、「ステーブル(安定)コイン」という用語が紛らわしく、誤解を招く可能性があることを指摘した。

ステーブルコインを運営する団体・企業は価格の安定を約束するものの、価格は依然として基礎となる資産とガバナンスに依存するためだ。

「ステーブルコインの利用者には、損失が発生する可能性もある。預金保証制度や最後の貸し手となる中央銀行など従来の金融安定システムに保護されないことは明らか」と手紙で意見を表明した。

一方で、ステーブルコインのメリットについても認めている。

具体的には、国際的な決済システムに関する多くの問題に対処することが出来る点や、銀行口座を持たない人に経済的機会を与えるのに役立つ、安価で効率的な支払いの選択肢を提供できる点を挙げた。

仮想通貨には肯定的な姿勢

国際通貨基金(IMF)の専務理事を務めた後、ラガルド氏は今年11月にECB総裁に就任。金融犯罪者の特定にブロックチェーン技術を活用することを提案するなど、仮想通貨技術について肯定的な人物としても知られている。

以前、「分散台帳技術を駆使した仮想通貨やデジタルアセットは既存の金融システムを揺るがす改革者だ。規制当局から『商業銀行のビジネスモデルを変えていくことはいいことだ』との声が聞かれることは、大変興味深い」と発言している。

国際的金融機関のトップという立場からは、「破壊的改革者」である仮想通貨の利点を認めつつ、金融システムの安定性を保護するための規制インフラについても譲らない構えである。

参考:ECB

CoinPostの注目記事

欧州中央銀行、中銀デジタル通貨調査へ キッカケは仮想通貨=ECB新総裁
欧州中央銀行が、中央銀行が発行するデジタル通貨(CBDC)の可能性を独自に調査していくことが分かった。新たに同銀総裁に就任したChristine Lagard氏が公聴会で明かした。
欧州中銀がR3、アクセンチュアと共同調査「中央銀行デジタル通貨における匿名性」
欧州中央銀行はR3・アクセンチュアと共同して、中央銀行デジタル通貨決済の概念実証を実施。 顧客のプライバシー保護を行いつつAML対策など規制に対応できるという結論を得た。
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
11/20 木曜日
16:51
NVIDIA決算好調、米株上昇と仮想通貨相場回復の連鎖起点に
11月19日NVIDIA決算発表後、Nasdaq総合指数0.6%高。マイニング企業株(IREN10%高など)がAIシフト恩恵で買われ、BTCは89,000ドル安値から91,000ドル回復。専門家は電力供給の重要性を指摘、関連投資機会を分析した。
16:44
米民主党議員がトランプ一族関与のワールドリバティに調査要請 国家安全保障への懸念示す
エリザベス・ウォーレン上院議員らが、トランプ大統領一族が関与するDeFiプロジェクト「ワールドリバティ・フィナンシャル」に対する調査を要請した。北朝鮮・ロシア関連団体へのガバナンストークン販売が国家安全保障リスクになると指摘し、利益相反の懸念も表明した。
16:00
米大手取引所クラーケン、SECにIPO申請を提出 評価額3.1兆円
米仮想通貨取引所クラーケンが米SECにIPO申請を提出。評価額は200億ドル(約3.1兆円)で、2026年第1四半期の上場を目指す。トランプ政権の友好姿勢を背景に、仮想通貨企業の上場ラッシュが続く。
14:09
ビットワイズのXRP ETFが米国で上場へ カナリーに次ぐ2つ目の現物型商品
ビットワイズのXRP現物ETFがNYSEに上場へ。欧州GXRPに続く2本目のXRP商品で、米国では初提供。XRPCの初日取引高90億円超など、アルトETF市場が急拡大している。
12:35
ビットコイン9万ドル回復、エヌビディア好決算で投資家心理改善 マイナー売り圧に変化の兆しも
仮想通貨市況 暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコイン(BTC)は前日比+3.4%の1BTC=92,331ドルに。 20日にかけて、88,000ドル付近から92,000ドル超…
11:59
ブロック社が強気の財務見通し、3年で粗利益2.5兆円目指す  自社株買いも発表
ジャック・ドーシー率いるブロック社が今後3年の財務見通しを発表。粗利益の年間15億ドル増加を予想し、株価が7.6%上昇した。AI・仮想通貨事業も強化している。
10:36
米大手仮想通貨取引所コインベース、予測市場・株式取引機能を導入か
米コインベースが12月17日に「新時代」を発表予定。リーク情報から予測市場・株式取引機能の実装が示唆され、カルシとの提携深化やブロックチェーン株式取引の展開が期待される。
10:14
仮想通貨XRP、ステーキングを導入する案が浮上
RippleXのエンジニアリング部門のトップは、仮想通貨XRPへのステーキング機能導入を考察していると説明。ステーキングは報酬が発生する仕組みであり、投資家からも注目を集めている。
09:41
「銀行の仮想通貨保有について、基準見直す必要性がある」バーゼル委員会議長
バーゼル委員会議長がステーブルコインの台頭を背景に、銀行の仮想通貨保有規制の見直しが必要だと発言した。現行の厳格な資本要件の緩和が焦点となっている。
06:48
「ビットコインとはサービスである」Bitwiseが価値の本質を指摘
仮想通貨運用企業Bitwiseの最高投資責任者は、ビットコインはサービスであるとの見方を示した。マイクロソフトと比較しながら、価値の本質を説明している。
11/19 水曜日
18:44
ストラテジーのセイラー会長、ウォール街参入による「ビットコイン弱体化」論を否定 
ストラテジーのセイラー会長がフォックス・ビジネスで、機関投資家の参入によりビットコインのボラティリティが大幅に低下していると発言した。2020年の約80%から現在50%まで縮小し、今後はS&P500の1.5倍程度に収束すると予測している。
18:25
アーク・インベスト、コインベースとサークル株を買い増し
ARK投資のキャシー・ウッド氏、コインベースとサークル株を計720万ドル購入。ステーブルコイン市場の成長を見据え、仮想通貨関連株への投資を拡大。
13:55
ブラジル、仮想通貨のクロスボーダー決済に課税検討 規制強化で抜け穴封じ=報道
ブラジル政府が仮想通貨を利用したクロスボーダー決済への課税を検討している。中央銀行は2026年2月から新規制を施行し、ステーブルコインを含む国際送金を外為取引として扱う方針だが、税収漏れ対策として金融取引税(IOF)の対象とする案が浮上している。
13:35
サークルが「xリザーブ」発表、USDC担保型ステーブルコインを展開可能に
サークルがブロックチェーン間でUSDC担保型ステーブルコインを展開可能にする相互運用インフラ「xリザーブ」を発表した。
13:15
米SEC、2026年度検査で仮想通貨監視を重点項目から削除 規制緩和加速
米SECが2026年度の検査優先事項から仮想通貨監視を除外。トランプ政権下で規制姿勢が執行重視から対話重視に転換。コインベースやリップルとの訴訟解決など、業界への軟化姿勢が鮮明に。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧