はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

ビットコインのセキュリティを強化する「MuSig」とは

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

Schnorrシグネチャのアルゴリズムを強化する「Musig」
Musigはビットコインのスケーラビリティを大幅に改善すると予想されるSchnorrシグネチャを強化し、セキュリティをより堅固なものとします。

仮想通貨の熱狂者はビットコインのスケーラビリティ問題を解決するような新しい技術やスキームの完全な実装を待ち望んでいます。

Segwitライトニングネットワーク、そしてSchnorrシグネチャ(ビットコインのスケーラビリティを大幅に改善するといわれているもの)などが新しい技術の一部の例になります。

ライトニングネットワークとSchnorrシグネチャについてはこちら↓の記事を参照して下さい。

ライトニングネットワーク:注目すべきビットコイントレンドVo.2
ビットコインメインネットで展開する予定のライトニングネットワークについて解説します。ビットコインの問題点の解決策として最も期待されている一つがライトニングネットワークです。
Schnorrシグネチャ計画:注目すべきビットコイントレンドVo.5
ビットコインのスケーラビリティを大幅に改善するシグネチャ機能。Schnorrシグネチャによりトランザクション展性問題がない上、利便性の高い機能を可能にします。また、マルチシグネチャ取引の異なるシグネチャをまとめることができ、画期的な技術として注目を浴びています。

最近では、ある研究者のチームがSchnorrシグネチャのアルゴリズムを強化するため、MuSigというシンプルなマルチシグネチャスキームを導入しました。

トランザクションの署名を減らす

ビットコイン取引には電子署名が必要です。

しかしこれらの署名はかなりのブロックスペースをとります。

その上、アドレスそれぞれに署名が必要なので、複数のアドレスが取引に関係してくるとさらに状況が悪くなってしまいます。

その結果、必要なトランザクションのサイズが上がり、取引手数料が高くなってしまいます。

Schnorr署名のアルゴリズムはトランザクションに必要な署名の数を減らせるため、ビットコインのスケーラビリティ問題を解決できるかもしれません。

実際、Schnorr署名はストレージと処理能力を少なくとも25%減らせる可能性があります。

その上、Schnorr署名はビットコインを特定の種類のスパム攻撃から守ることもできます。

Gregory Maxwell氏、Andrew Poelstra氏、Yannick Seurin氏、そしてPieter Wuille氏が「Simple Schnorr Multi-Signatures with Applications to Bitcoin」と題した論文を発表しました。

研究者達はその論文の中でMuSigという新たなSchnorrベースのマルチシグネチャスキームを提案しました。

そして彼らはMuSigを「署名者のグループに共通のメッセージについて短い共同シグネチャの作成を可能にするプロトコル」と定義しました。

論文の著者の一人Pieter Wuille博士は、MuSigについてと、ビットコインへの応用に関するブログ記事を投稿しました。

MuSigはkey aggregationをサポートし、シンプルな公開鍵モデルのセキュリティを強化します。

そしてその結果として、MuSigはプライバシーとパフォーマンスを大幅に改良します。

Pieter Wuille博士は以下のように述べました。

マルチシグネチャスキームは署名アルゴリズムと検証アルゴリズムの組み合わせです。

つまり、複数の署名者(それぞれが自身の秘密鍵または公開鍵をもつ)が共同で一つのメッセージをサインするため、結果として一つの署名で済みます。

そしてその署名は、メッセージと署名者の公開鍵を知っている人であれば誰でも検証できます。

新たな仮想通貨の構築物:Key Aggregation

MuSigはkey aggregationという新たな発想を導入します。

このスキームはマルチシグネチャスキームにおいて署名の数をたった一つにまで減らします。

Wuille博士は以下のように説明しました。

key aggregationをサポートするマルチシグネチャスキームでは、マルチシグネチャは単体キーシグネチャのように見えますが、参加者の公開鍵に対する複数の公開鍵にも対応します。

つまり、検証者はオリジナルの参加者の公開鍵を持っている必要がなくなり、代わりにaggregated keyだけ貰えばいいということになります。

よってkey aggregationを実行することにより、検証者にとってオリジナルの参加者の公開鍵が必要なくなりました。

代わりに、検証者はaggregated keyさえあればいいということになります。

ビットコインは近いうちにスケーラビリティと、高い取引手数料の問題を解決しなければなりません。

よって、key aggregationを用いたSchnorr署名のように、これらの問題を解決する技術や新しいスキームこそが(慎重な検査を経た上で)、全ての仮想通貨ステークホルダーに支持されるべきです。

A New Schnorr-based Multi-signature Scheme Is Coming

Jan. 25, 2018 by Julio Gil-Pulgar

参考記事はこちらから
ビットコインニュース一覧
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
13:20
米ナスダック、SECの仮想通貨規制緩和を歓迎も有価証券分類の明確化求める
米ナスダックがSECに対し、仮想通貨が「実質的に株式」である場合は同等の規制を適用すべきとのコメントレターを提出した。
11:40
世界初のXRP現物ETF、ブラジルで先行取引開始 米国承認前に実現
ブラジル証券取引所B3で世界初のXRP現物ETF「XRPH11」の取引が4月25日に開始。Hashdexが運用する本ファンドはナスダックのXRP指数に連動する。
11:25
スイス中銀総裁がビットコイン準備金提案に反対表明、国民投票イニシアチブの行方は
スイス国立銀行総裁が、ビットコインは準備金として不適合だとの見解を示した。一方で国民投票を目指す「ビットコイン・イニシアチブ」は署名活動を継続中だ。
11:15
オソフ上院議員が批判 トランプ大統領のミームコイン晩餐会は「弾劾されるべき違反」
ジョージア州代表のオソフ上院議員がトランプ大統領のTRUMPコイン保有者向け晩餐会を「弾劾に値する犯罪」と批判。上位220名の保有者を招待する計画に対し、民主党議員からは利益相反の懸念が高まり、SECへの調査要請も行われている。
10:45
「ストラテジー社によるビットコイン寡占は深刻なリスクにならず」──『ビットコイン・スタンダード』著者見解
サイフェディアン・アモウズ氏が、企業によるビットコイン寡占リスクについて見解を示した。トランプ関税政策を批判し、ビットコインによる米国債務問題の解決策についても言及している。
10:15
世界経済の不確実性はビットコインにとって追い風=ブラックロック幹部
ブラックロックの幹部が世界経済の不確実性がビットコインの価値上昇につながると指摘。フィンクCEOは先月、米国の債務管理失敗によりドルの準備通貨地位がビットコインに奪われる可能性を警告。市場の地政学的分断が進む中、低相関資産としてのビットコインの役割が注目される。
08:40
ブラックロックのビットコインETF、BTC総供給量の2.8%を保有
世界最大の資産運用会社ブラックロックのビットコインETF(IBIT)がBTCの総供給量の2.8%を保有。58万2000BTCに到達し、今週単日で6.4億ドルの資金流入を記録した。
08:02
リップル社のトップ「現時点でIPOの必要はない」
リップル社のプレジデントは、同社がIPOを行う計画は現在はないと語った。財務は健全な状態にあるとし、買収などを行なって事業を成長させることに集中すると話している。
07:55
2026年までに世界の企業が300万BTC保有を予測 ビットコイン・マガジンCEO
ビットコイン・マガジンのベイリーCEOが上場企業によるビットコイン保有が急増すると予測。現在の70万BTCから2026年末には200万〜300万BTCに拡大の可能性。
07:25
ドラゴンチェーン(DRGN )価格が2倍以上急騰、米SECの訴訟取り下げを受け
米SECとドラゴンチェーンが4月24日、新政権下の「政策的観点」を理由に2022年から続く未登録証券訴訟の取り下げを共同申請した。
06:40
米SEC新委員長初参加の円卓会議、仮想通貨業界に「大きな恩恵」期待──前任ゲンスラー氏の厳格路線を批判
米SEC新委員長アトキンス氏が就任4日目の円卓会議で仮想通貨からの「大きな恩恵」を期待すると発言。バイデン政権下の厳格路線を批判し、「目的に合った合理的な規制枠組み」確立を目指す。
06:10
前週比65%以上高騰、仮想通貨SUI(スイ)がビットコインやイーサリアムを大幅アウトパフォーム その背景は?
仮想通貨Suiが週間66%高騰し主要銘柄を上回る急成長。グレースケールSUIトラスト設立やxPortalマスターカード提携がけん引。TVLは40%増、DEX取引量は177%増と実需も拡大中。「次のソラナ」との期待も。
04/25 金曜日
21:03
コインチェック、PEPEなど4銘柄を新規取扱いへ
仮想通貨取引所コインチェックは5月13日、PEPE・MASK・MANA・GRTの取り扱いを開始する。取引所の板取引銘柄は25へ拡大し、販売所・つみたて・貸暗号資産など全サービスで対応。
13:44
取引所のビットコイン残高が過去6年の最低水準に、企業購入加速も懐疑的な見方浮上
フィデリティの報告によると、取引所のビットコイン供給量が2018年以来最低の約260万BTCに減少した。上場企業による大量購入が背景にあり、この傾向は今後加速するとフィデリティは予測している。
11:30
ステーブルコイン市場、2030年まで最大500兆円規模へ シティが成長シナリオを予測
シティグループが、ステーブルコイン市場は2030年までに最大3.7兆ドル規模に成長すると予測した。また、そのうち米ドル建てコインが90%のシェアを維持すると見ている。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧