PoSへの法的規制や課税方針を明確に
米国の仮想通貨団体「プルーフ・オブ・ステーク同盟(POSA)」が加盟企業を拡大、ステーキングサービスの普及を行なっている。
POSAは、米国の規制当局にブロックチェーンや仮想通貨に関する知識を広めるための民間組織。今回、「コインベース・カストディ」とリブラ協会の参加企業Bison Trails氏がPOSAに参加し、合計参加団体は18になった。POSAには他に、テゾス、Polychain Capital、カルダノ財団などPoSベースのコンセンサスを利用するプロジェクトや団体が参加している。
POSAは、テゾス(XTZ)やCosmos(ATOM)などのPoS系ブロックチェーンの規制や税制を明確にすることを希望。主要銘柄のイーサリアム(ETH)も、今年中にはPoWメカニズムからPoSメカニズムに移行する予定であるため、規制明確化は一層重要になってくる。
コインベース・カストディのCEOはプルーフ・オブ・ステーク(PoS)は急速に、仮想通貨業界全体のトレンドになっており、ますます重要なイノベーションであると発言し、「POSAのような組織の活動を通じて、意義のある対話を行い、PoSとその技術の応用について規制が明確になることを望んでいる」と語った。
販売・交換された時点での課税を提唱
POSAは現在、ステーキングによる報酬など、PoS系トークンへの課税方針を明確にすることを最優先事項としている。
同団体の意見としては、トークンが生成されたときではなく、販売または交換されたときに課税対象となるべきことを提唱。バージニア大学ロースクールのAbe Sutherland助教授と協力して、税務を考案している。
Sutherland氏は以前の論文でも発表したように、「報酬トークンが最初に生成された時に「所得」に含めると、不公平な課税となり、米国の納税者がこの新しいテクノロジーに参加することを思いとどまらせるだろう」と指摘し、「公平なアプローチとして、販売または交換されたときに「資産」として課税することだ」と提案した。
また、POSAは先日、米国証券取引委員会(SEC)、内国歳入庁(IRS)、財務省、商品先物取引委員会(CFTC)と初の説明会議を開いた。
関連:「米国の税政変更は仮想通貨ステーキングを促進」米バージニア大学教授=TheBlock Daily
日本国内でもステーキングに注目
ステーキングサービスは最近国内外で注目を集めている。
仮想通貨取引と異なり、資産を仮想通貨取引所のウォレットに預けているだけでステーク報酬を得られるため、「不労所得」としてユーザーからの人気も高くなりつつある。
例えば、「Binance.US」は2月よりステーキングサービスを開始予定。最初に対応する予定の銘柄は、Cosmos(ATOM)とAlgorand(ALGO)の2つになる。他にもCoinbaseやKrakenは同様なサービスを提供している。
また、日本でもコインチェックは今月より、Lisk(LSK)のステーキング運用サービス(β版)を開始し、実績を蓄えている段階だ。
日本の業界団体である、仮想通貨ビジネス協会(JCBA)でも、昨年11月には、ステーキング部会が立ち上げられた。ステーキングの基本的概念の理解やモデルの共有、また法規制、税務会計などの視点からステーキングを分類し論点整理していくとしている。
メディアのインタビューでは、JCBAの廣末紀之会長がステーキング事業は交換業ではなくても行えるため、業界を広げる意味はあると答えている。特に日本でも台頭しつつある「カストディ企業」はこの分野に最も適すると見られている。
参考:PoSアライアンス