米国:仮想通貨の少額決済非課税を要求=米ウォール街の業界団体

少額決済には課税免除を求める

米国ウォールストリートのブロックチェーン同盟は、米国内国歳入庁(IRS)に、特定の金額以下の仮想通貨決済に対しては課税免除を検討するよう求めている。

現在、IRSは仮想通貨を資産として分類。そして、きわめて小規模の購入も資本利得または損失を引き起こすとして報告を要求している。

仮想通貨によるコーヒー1杯や、ピザ、ポップコーン、映画チケットなどの細かい購入まで、ユーザーは専用の書類に記入して「資本資産の販売およびその他の処分」を当局に報告しなければならないのだ。

このことは、仮想通貨の利用普及を妨げ、クレジットカードなど従来の金融システムに競争上の優位性を譲ってしまうものだ。

仮想通貨の使用目的にも注目すべき

2020年1月付けでウォールストリート・ブロックチェーン同盟(WSBA)がIRAに提出した書面では、ビットコインなどの従来の分散型仮想通貨から、中央集権的なステーブルコインに至るまで、「多くの仮想通貨の根本的な目的は代替通貨として機能することであるとみなす上、現在の会計分類、および税務上の取り扱いは非常に不適切と考えられる」と指摘された。

さらに、仮想通貨を資産として分類すると、コンプライアンスと税務報告が要件となり、このことは、納税者や仮想通貨による支払いを受け取る業者のどちらにとっても大きな負担となると説明した。

よって、財務会計基準審議会(FASB)によってまだ決定的な仮想通貨ガイダンスがない中で、IRSは個人と小売業者の両方に対する、小規模決済の課税免除の確立を検討するべきだと、WSBAは提案している。

また、WSBAは、仮想通貨が、多くの側面を備えた新しいテクノロジーであることを強調。IRSがすべてのデジタル通貨を資産として規定することで、それぞれの特徴や性質を意図的に見落としていると訴えた。

たとえば、仮想通貨ATM会社や仮想通貨取引所などが、事業の不可欠な要素としてさまざまな仮想通貨を保有している場合、これらの暗号資産は他の市場関係者が保有する場合とは異なる目的に使用されていることを挙げた。

さらに、長期的なポートフォリオ分散戦略の一環として保有されている仮想通貨と継続的に取引されている仮想通貨も異なる目的を果たしている。

納税者が仮想通貨をどのように使用するか区分けし、税務処理、つまり経常利益と資本利得を決定するために使用する基準の明確化を行う必要があると、WSBAは論じた。

200ドル未満利益の免税法案

少額決済における免税の提案は国会でも行われている。

先月、仮想通貨推進団体CoinCenterは、仮想通貨に対する税金の公平性と題した「The Virtual Currency Tax Fairness Act of 2020」という法案を、二人の国会議員を介して国会に提出した。

当法案は、一回の取引につき、トランザクションで発生する200ドル(約2万2000円)未満の利益は免税の対象にするというものだ。

より多くの団体や議員が仮想通貨に関連する税金改正について、様々な提案や法案提出を行なっていることにより、実現する可能性が少しずつ高まっていくのではないか。

参考:WSBA

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