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ビットコイン再び年初来最高値 仮想通貨牽引するイーサリアム高騰にマイナーの影

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ビットコイン再び最高値

仮想通貨市場は12日、ビットコインが再び年初来高値を更新。一時bitFlyerで113.4万の前日比4%高を記録した。

2月9日に米ドル建で1万ドルを突破したビットコインは、10日の急落で1万ドルラインをレジスタンスラインに転換。その後も一定の出来高を伴う買い意欲が旺盛な相場が続き、再び高値更新へと繋がった。

依然アルト市場の好調な現仮想通貨市場の中で、ビットコイン市場も牽引する時価総額2位のイーサリアム高騰は際立つ状況だ。12日も前日比7%高。年初からは83%高を記録しており、時価総額を踏まえても急ピッチなマーケット推移であると言っても過言ではない。

今回のイーサリアムの高騰、イーサリアムのマイニングプールの市場売却量が減少していることに伴う、マーケットの需給変化が関係している可能性が見えてきた。

先日CoinPostが報じたように、イーサリアムマイニングプールが保有するイーサリアム残高が過去最高額に近い169万ETHに到達。(仮想通貨市場データプラットフォームSantiment)市場への売却量を減少させ、保有分を増やしている。

この理由として挙げられるのが、イーサリアムのPoS移行後のビジネス機会だ。

現在、PoWのアルゴリズムを採用するイーサリアムは、イーサリアム2.0の段階的アップデートの中で、ステーキングを通じて承認を行うPoSの移行を予定している。

イーサリアム2.0の実装第一段階となる「ビーコンチェーン」にかかる監査結果で、エンドツーエンドの形式的検証をクリア。ビーコンチェーンでステーキングを行うためのデポジット・コントラクトの立ち上げが可能になるなど、マイナーもステーキングによる収益化を意識するタイミングにきている。

イーサリアム2.0のチームが参加した最新のAMAによると、イーサリアム2.0ローンチの条件は、3つのクライアントがテストネットを最低8週間運用できることとしており、フェーズ0のは2020年内のローンチ確率が「95%」と、今後の展開に自信を見せている状況だ。

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Bitfinexのメンテナンス

今回のビットコイン市場の急騰時は、大手Bitfinexがメンテナンスを行なっていたタイミングと一致。強制ロスカット狙いなどで大口による仕掛けにも注目が集まった。

メンテ中は仮想通貨の売買や入・出金機能は使用できないため、Bitfinexでポジションを保有していた場合は身動きが取れない状況となる。BTC出来高の多い大手取引所で不定期に発生するメンテナンスイベントは、ある種のファンダ要因として見られていた側面もあるためだ。(2018年〜2019年)

実際のBitfinexのポジション増減推移では、大きなロスカットの発生は確認されなかったが、メンテ時に上げた市場価格の高騰を受け、メンテ明けの日本時間1時35分の動向に注目が集まった。再開後は、アクセス過多で一時的なトラブルが発生、大量の買いが確認された。

なお、大手BitMEXのポジション増減推移は、約5000BTCの累計ロスカットが発生が確認されている。

プラストークンの資金の一部が新しいアドレスへ移動

一方、一時的にマーケットの警戒感が高まったニュースに仮想通貨ポンジスキームのPlusToken(プラストークン)の資金移動がある。運営者が管理しているビットコインのうち約12,000BTC(約140億円)が新しいブロックチェーンアドレスに移された。

中国ブロックチェーンセキュリティ会社PeckShieldのChiachih Wu氏の報告によると、プラストークン運営者のビットコインは2つの新しいアドレスにそれぞれ11,999BTCと424BTCの送金が確認された。

しかし、今回の送金先はコールドウォレットとされており、取引所への送金ではないことが指摘されたことで、市場の警戒感は和らいだ。

プラストークンは、2018年半ばに開始した「高い投資収益」を謳った中国のウォレットサービス。紹介報酬として配当が入る仕組みで、捜査報告からネズミ講の詐欺であることが発覚した。当時の試算では、80万人以上の参加者から、計20万BTCの被害で、概算29億ドルの被害金額に膨らんだとされる。

この集めた仮想通貨を売却する流れが、2019年の本質的な売り圧力になっているとの指摘が分析企業数社から発表。仮想通貨市場を翻弄する「クジラの正体」として、マーケットの警戒材料になっていた。

2018年8月に2.3万BTCが複数の取引所に移動した際にビットコインは前日比6%ほど急落するなど、ブロックチェーンデータとマーケット価格の変動に直接的な関係性が指摘されている。

プラストークンスキームに関与した人物のうち6名の逮捕されているが、いまだに逃亡中の関係者もプラストークンの資金を移動させる権限をもっていることが要因とされている。

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