発電所がマイニングを行う強み
米ニューヨーク州にある発電所が、自ら作った電力を使って仮想通貨(暗号資産)ビットコイン(BTC)のマイニングを行い、1日平均5.5BTC(約530万円)を生み出している。ブルームバーグが報じた。
マイニング事業を行っている企業はAtlas Holding。約6000平方メートルの施設で、7000台のマイニング機器を利用している。ここは1937年に石炭工場として設立され、その後は天然ガスの工場へと変わった。
電力消費の大きいマイニング事業において、どれだけ電力コストを抑えられるかは重要な問題だ。最近では、BTC電力消費指数などを分析する企業Digiconomistの創設者氏が、BTCのマイニングで消費される電力について厳しい評価を行った。1回のBTC取引は、英国でYouTubeを5万2043時間ストリーミングするのと同じだけの電力を消費すると説明している。
一方で発電所でもある本工場は、電力のコストが安く、費用が予測しやすいという。マイニングには、工場のキャパシティである106メガワットの内、約15メガワットしか使っていない。工場のオーナーは5月に控えるBTCの半減期後も黒字を維持できるとみている。この工場は、以前は夏と冬の電力消費のピーク時だけの営業だったが、現在は1年間稼働しているという。
工場の最高財務責任者は「自分たちで発電した電力を利用することで、市場が低迷していても利益を出すことができる。価格が上昇に転じる機会も逃さない」と強みを説明している。
参考資料 : ブルームバーグ