はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

CMEの仮想通貨ビットコイン先物取引高が急減、機関投資家とファンドの純OIも売り越しに

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

CMEのBTC先物取引高が急減

新型肺炎(コロナウイルス)感染拡大による株式市場の暴落を受けて、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のビットコイン(BTC)先物の取引高が急減している。

CMEの取引データによると、大口投資家の純未決済建玉残高(OI)は2月下旬以降下落しており、株式市場の暴落を受けたリスクオフの傾向が確認される。

一方で、個人投資家や企業の純OIは高水準で推移。買い圧力の強さを示す先物プレミアムも高止まりしており、小口投資家の買いに過熱感が見られる。

CMEのBTC先物取引高が急減、未決済建玉残高(OI)は横ばい水準

CMEのBTC先物日次取引高は2月18日、11億ドル(約1200億円)の年間最高値を記録し、BTC価格も100万円を超える水準で推移していた。

しかしながら、2月下旬以降、コロナウイルス感染拡大に伴う米国株の記録的な暴落に伴って、先物取引高は大幅に急落。3月6日にはBTC先物日次取引高が8,800万ドル(約92億円)を記録し、直近3か月間の最低値を更新した。BTC価格もこの間に大幅に下落し、現時点では8000ドル(約80万円)付近で推移している。

それに対して、3月6日のBTC先物の未決済建玉残高(OI: Open Interest)は2億1,700万ドル(約220億円)となっており、2月末の水準を維持している。

OIは、BTC価格のトレンドの強さを測るために用いられる。一般的には、OIとBTC価格が同時に上昇すれば、BTC価格に強い上昇トレンドが形成されているとみなされる。一方で、これらの間に連動性が見られない場合、BTC価格のトレンドは方向感に欠けているとみなされる。

CMEのBTC先物残高は小口投資家が買い越し、大口投資家が売り越し

CMEのBTC先物の純OI(買い残高-売り残高)を取引主体別にみると、2月末以降小口投資家が買い残高を増加させる一方、大口投資家の間では売りが優勢となった。

個人投資家(Nonreportable)の純OIは2月下旬以降も高水準を維持し、3月3日時点で7,900BTCの純残高がある。また、企業(Other Reportables)の純OIは増加傾向にあり、3月3日時点で6200BTCの純残高がある。

一方、大口投資家である機関投資家(Institutional)とレバレッジドファンド(Leveraged Funds)の純OIはそれぞれ-165BTCと-13,400BTCと売りが優勢だった。特にレバレッジドファンドの純OIは2月下旬以降急減しており、リスクオフの傾向がうかがえる。

BTC先物プレミアムは高水準を維持

データ調査会社Arcane Researchによると、個人投資家向けBTC先物市場のプレミアム(現物価格との乖離率の年率換算値)は3月3日時点で13%と、直近のピークからは減少するものの依然として高水準を維持した。

また、機関投資家向けBTC先物市場のプレミアムは3月3日時点で20.5%となり、前週から大幅に反発した。

BTC先物プレミアムはBTCの先物価格が直物価格に比べて何%高値で取引されているかを表すものであり、一般にこの値が高いとBTCの買い圧力が強いことを意味する。

もっとも、先物プレミアムは先物取引高やOIが減少しているときには高くなる傾向があることに留意する必要がある。

まとめ

CMEの取引データから判断すると、2月下旬以降の株式市場の暴落によってリスクオフの傾向が強まり、大口投資家が先物ポジションを減少させたと結論付けることができる。

今回の下落相場では、株式とBTC価格に正の相関(株式が下落するときにBTCも下落する)が確認されたが、BTCと株式の間には必ずしも正の相関関係成り立つとは限らない。過去には、米連邦準備理事会(FRB)の利下げ観測が強まると株式とBTCの相関が弱まる傾向も確認されている。

3月3日にはFRBが緊急利下げを実施、市場では追加利下げの観測も高まっている。こうした中、今週以降に大口投資家がBTCのポジションを再び増加させるかどうかが注目される。

CoinPostの注目記事

ビットコインなど仮想通貨市場崩壊、コロナショックと原油急落で金融市場がパニックに
世界金融市場のパニックに伴い、9日のビットコイン(BTC)など仮想通貨市場は大暴落。コロナショックに伴う米NYの緊急事態宣言やOPEC交渉決裂による湾岸戦争以来の原油急落など、その背景を探る。
世界的な利下げの流れは仮想通貨ビットコインにどう影響を与えるか|寄稿:タキオン
コロナショックによる世界的な経済活動の影響を踏まえ、仮想通貨市場における直近の値動きと今後の展望をファンダメンタルとテクニカルの両面から独自考察。ビットコイン(BTC)のほか、イーサリアム(ETH)分析も行った。
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
11/16 日曜日
16:22
金融庁、暗号資産105銘柄の「金融商品」扱いを検討 金商法適用へ=報道
金融庁は暗号資産に金融商品取引法を適用し、交換業者が取り扱う105銘柄に情報開示とインサイダー取引規制を導入する方針。税率は最大55%から株式と同じ20%への引き下げを検討。2026年の通常国会で改正案提出を目指す。
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、XRP現物ETFの米上場や世界初のZcash保有企業の91億円調達など
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナ、ジーキャッシュといった主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
11:30
ビットコイン、下値余地残すも反発は時間の問題か|bitbankアナリスト寄稿
今週のBTC相場は1530万円周辺で推移。米政府機関閉鎖解除後もハイテク株軟調で上値重い展開。12月FOMC前の経済指標不足が懸念材料に。一方、STH損失レシオが95%超となり売られ過ぎの水準。オプションOI分析では9.5万ドルがターゲットに。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|米史上最長の政府閉鎖終了に高い関心
今週は『金持ち父さん貧乏父さん』著者ロバート・キヨサキ氏によるビットコイン・金・銀の価格予想、堀田丸正のBitcoin Japanへの社名変更、米政府の閉鎖終了に関する記事が関心を集めた。
11/15 土曜日
13:55
続落するイーサリアム、長期保有者が1日4.5万ETH超を売却=グラスノード
グラスノードによると、イーサリアムの3年から10年保有者が1日あたり平均4万5000ETH超を売却している。イーサリアム現物ETFも13日に2億6000万ドルの純流出を記録し売圧を高めている。
13:20
リミックスポイント決算発表、仮想通貨評価益で売上高が大幅増加
リミックスポイントが2025年4~9月期決算を発表した。仮想通貨評価益で売上高が大幅増加している。同社はビットコイン、イーサリアムなどの仮想通貨を財務資産として蓄積している。
13:00
Visaアジア太平洋地域デジタル通貨責任者、ステーブルコインの展望を語る|CoinPostインタビュー
Visaアジア太平洋地域デジタル通貨責任者ニシント・サンガヴィ氏がCoinPostの独占インタビューに応じ、ステーブルコイン決済戦略の拡大、CBDCとの共存、米国ジーニアス法の影響について詳しく語った。4つのステーブルコインと4つのブロックチェーンをサポートし、2億2,500万ドル超の決済を実現。今後5年間のアジア太平洋地域におけるデジタル通貨の展望と、Visaが果たす役割について解説。
11:15
テクノロジー大手アリババが預金トークン決済を開発 中国当局のステーブルコイン懸念に対処か
中国アリババが預金トークン決済システムを開発している。当局によるステーブルコイン規制を回避することも背景とみられる。AI活用サービスも発表した。
10:30
ビットコイン急落、45日ルール通過とFOMC利下げ見送り観測で売り圧力が最大化|仮想NISHI
仮想通貨ビットコインは足元で強い売り圧力に晒されているが、ヘッジファンドの45日ルール通過により解約売りの終了が期待される。ビットコイン長期保有者が直近1カ月で12兆円相当のBTCを売却したことは心理を悪化させていた。
09:50
トランプ一族関連のアメリカン・ビットコイン、売上高99億円に増加 決算発表 
トランプ一族の仮想通貨マイニング企業「アメリカン・ビットコイン」が2025年7~9月期決算を発表した。前年同期比で黒字転換し、ビットコイン保有量は4,090BTCに到達している。
09:35
ジャック・ドーシーのCash App、ステーブルコイン決済機能を導入
決済アプリのキャッシュアップがステーブルコインの送受信機能を含む11の新機能を発表した。ライトニングネットワークを使用したビットコイン決済機能も拡充している。
08:50
ソニー銀行の米銀免許申請、通貨監督庁にICBAが否認を要求
ソニー銀行が米国で信託銀行の国家免許を申請したことについて、米組織ICBAが強く反対すると表明。通貨監督庁に書簡を送付して反対理由を説明し、ソニー銀行の申請を認可しないように要求した。
07:45
バイナンス、ブラックロックのトークン化ファンド「BUIDL」を取引担保として受け入れ
仮想通貨取引所バイナンスがブラックロックの「BUIDL」を取引所外担保として統合した。BUIDLはBNBチェーンで新シェアクラスも立ち上げる。
06:50
ビットマイン、45億円相当のイーサリアムを追加購入 新CEOにHSBC元幹部を任命
ビットマインが3000万ドル相当の仮想通貨イーサリアムを追加購入した。同社は新CEOにHSBCアジアTMT投資銀行部門の元責任者を任命した。
06:25
ビットコイン長期保有者が1カ月で12兆円相当BTCを売却、初期投資家も2400BTCを取引所へ送金
ビットコインの長期保有者が過去1カ月で約81万5,000BTCを売却し、2024年1月以来の高水準となった。初期保有者のオーウェン・ガンデン氏も2400BTC以上を売却している。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧