17日の金融・仮想通貨市況
17日(米16日)、米ダウ平均は前週末比2,997ドル安となり、97年の「ブラックマンデー」以来となる下げ幅を記録した。
S&P500指数は取引開始直後に7%超下落し、取引所の全株式売買を一時中断する緊急措置(サーキットブレーカー)が再び発動。3月は、すでに9日と12日に発動しており異例の事態だ。
リスク回避姿勢を強めた株や為替市場の影響は、ビットコインなど金融市場全般にも波及。Arcan Reserchによれば、ビットコイン(BTC)とS&P500指数(株式市場)との相関性は、13日時点で、誕生以来初めてとなる0.52という高い数値を記録。
投資家心理の急悪化や追証回避売りなどの影響で、経済指数との連動を余儀なくされている現状がある。
ビットコインに対する見方
このような状況下で、ビットコイン(BTC)が安全資産との論調は影を潜めるが、米国初の仮想通貨銀行AvantiのCEOを務めるCaitlin Longは、「安全資産でないと判断するのは早計だ」と指摘。大手仮想通貨ファンドマネージャーPompのポッドキャストに出演、独自の見解を示した。
ビットコインやゴールドは、レバレッジのかかった金融ストラクチャーに縛られていない。
レバレッジ拡大に伴い大きな影響をもたらしているが、現物のゴールドや秘密鍵とともにビットコインを保有することは、本当に資産を持っていることと同義。レバレッジで架空の資産を持つのとは雲泥の差だ。
安全資産とは、金融危機や戦争などの有事において、避難先として使われる傾向のある性質の金融資産をさす。
これまでの代表的資産としてゴールドやシルバーが上がるが、発行上限のあるビットコインも近年、政治的不安やハイパーインフレを抱える国においては、デジタルゴールドとして見られる傾向もある。
長年米ウォール街のジャーナリストとして活動してきたLongは、「株や先物でレバレッジを膨らませた投資家が、追証回避のためにゴールドやビットコインから損失補填に充当している」と説明している。
参考:Pompのポッドキャスト