ダークネットでビットコイン収益減少
ブロックチェーン分析企業Chainalysisによると、仮想通貨価格の下落と相関して、過去2か月間ダークネット市場で使用されたビットコインが減少した。
過去の記録を振り返ると、ダークネット市場で送信されたビットコイン収益は、ビットコインの価格と弱い逆相関を示していたという。しかし、次のグラフが示すように、この関係は過去2か月で逆転した。
ダークネットは一般的に、麻薬、偽造通貨、武器など違法商品の販売を仲介するウェブサイトである。一定の匿名性をもつ仮想通貨は、ダークネットの取引で広く利用されてきた傾向が見られていた。
相関関係に変化が起きたのは、コロナウイルス大流行を受けて伝統的な金融市場が混乱する中だった。
市場では流動性危機が起こり、米ドルへの現金化が加速。ビットコインも売りに傾いたため、資産価値の変動が高まったビットコインの利用をダークネットが避けた可能性も指摘されているが、現時点で理由は明らかになっていない。
Chainalysisによると、原料調達が、COVID-19により妨げられている可能性もあるという。
中国の湖北省は、麻薬としても使われるフェンタニル貿易の中心地であり、メキシコの麻薬カルテルはフェンタニル調達に苦労している。このような世界的なサプライチェーンの混乱がダークネット上の販売者に影響を与えているという。
ただし、中国がCovid-19から回復するにつれ、ダークネット市場での取引が回復しているという意見もある。
COVID-19により詐欺サイト増加の恐れ
COVID-19がもたらすサプライチェーンの問題により、ダークウェブ市場で販売される製品の種類も多様化、クロロキンやN95マスクなどの販売も行われているようだ。
独立シンクタンクRUSIは、フェイスマスク、ハンドジェルなど医薬品の購入を求める人々がますます増えるにつれて、そのような製品を販売できると主張する偽サイトの数が増加するだろうと警告している。
ダークネットでは詐欺も横行しており、実際のオンライン市場を複製するように設計されたフィッシングサイトや、商品の配達がされなかったときに郵便サービスの混乱に原因を帰するものなどがある。