金の価格予想、2021年
米大手銀バンク・オブ・アメリカ(BofA)が『米政府は金(ゴールド)を印刷できない』と題した最新レポートを公開。今後18ヶ月(21年まで)のゴールド価格目標を1オンス3000ドル(32.3万円)に引き上げた。
金の1オンスの価格は現在、約1688ドル(18万円)だ。2011年8月に記録した歴史上の最高値1830ドル(約20万円)と比較しても、今後大幅な価格上昇を予想していることを意味する。(最高値の約64%高に相当)
レポートによると、目標値を上方修正した理由は、新型コロナパンデミックによる世界政府の金融政策にある。以前公表した目標価格2000ドルから更に引き上げた格好だ。
コロナウイルスに伴う経済危機の影響で経済活動が大幅に縮小傾向にある。財政支出が急増し、中央銀行のバランスシートが拡大しているため、インフレによる法定通貨の価値低下のリスクを懸念する投資家は金に着目するだろう。
一方、金の価格上昇の向かい風なり得るのは、ドル高・金融市場ボラティリティの低下・中国およびインドからの低い需要などがある、とレポートで指摘した。
株や仮想通貨市場だけでなく、金も新型コロナに伴う金融市場の混乱で一時急落、「現金回帰」の流れに影響されたが、状況が落ち着くと、「有事の金」として金市場は買い優勢に転換した。金先物相場は直近最高値を更新、国内店頭価格では40年ぶりの最高値6513円もつけていた。
参考:ブルームバーグ